お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

3/28-31

3/28火
上野茂都の三味線ぷちライブ@喫茶モノコト~空き地~

上野茂都
新譜はバンドスタイルだけど、今回のライブは一人での三味線の弾き語り。前半~中盤の浪曲みたいなのは、これまでに見てる上野さんらしい曲だったけど、「型落ちブルース」「外食無情」みたいなクスクス笑える曲はあまりなく、印象に残ったのはイカの塩辛の曲のみ。展示している彫刻の話からの、美術大学で非常勤講師をやっているとか大学時代の教授のエピソードの方が面白かったです。最後の方は新譜より続けて「瓢之唄」「鶴と亀」など。「瓢之唄」はひょうたんは酒が入るとまっすぐ立つけど、人間はその逆といった内容。昔組んでた上野さんのバンド(つれれこ社中なのかな)での初ライブが高田渡さんの前座だったらしく、「瓢之唄」も渡さんに歌って欲しかったそう。モノマネっぽく少し歌ってたけど、確かに似合いそうな曲です。今回のぷちライブは10曲+アンコール1曲だったんで、本番は4/12@得三にて。
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3/29水
@KDハポン

tohoho
Gt+Voの人のギターがウクレレ位の大きさのミニギターになってて、やっぱり変なバンド。ギターソロもそれでするし。曲の印象はこれまでと変わらないけど、前から感じている上手くないメロディーの乗せ方が、昔対バンで見ている影響なせいもあると思うけど、タケヤリシュンタさんのようなアシッドフォークのメロディーの一部分だけ取り出して上手く組み立てていないように感じて、それでいてバンドの個性になってるのがすごく良い。曲中でシンバルしか使わない曲では、ツインドラム時代のスティーブジャクソンを思い出したりもしたし、すごく面白いバンドだと思います。

スティーブジャクソン
1曲目は「ミルクと牛乳」。濱田さんが最初の方から後半みたいなギター弾いてたけど、最後の方もちがう後半みたいなギターを弾く。次は「the end of 夏の終わり」。いつも通りな演奏だったかもしれないけど、鈴木さんのイントロのスネアの叩き方で、昔めっちゃ感動したことがある「R.F.G.T」のシンバルの叩き方を思い出して、同じ人が叩いてるんだな~と甦るものがあって良かったです。ヒジリさんのシンセは今日もよく鳴っている。次は「I Saw Her Standing Her Nowhere」。濱田さんはギターをワウとか使ってシンセっぽく鳴らす。この曲でそう感じたのは初めてかも。次は「Don't Trust Under 23」。シンセもギターもドラムもベースもカタルシスを感じさせる演奏。次は久しぶりな「ギター」。かなりアレンジが変わっていて、カッティング多めな濱田さんのギターはギターポップっぽく、金魚注意報みたいでもある。モモジさんのメロディーも少し変えてて、ちょっとtohohoっぽく上手くないメロディーの乗せ方。最後は「つめあと」。ここ最近のアレンジだと思うけど、濱田さんが途中でガガガッて連続で入るところで、スティーブジャクソンがNOBIROCKで四日市ケイオス出てた頃の「そっとわれにかえる」のドリルンベース位速く感じたモモジさんのベースを思い出したりもしました。

佐藤幸雄
最初に少しギターでループ作った後に、「ポップミュージック」。第一声の「ポ」の破裂音からして強烈な印象で始まる。その後も「説明」「きみのことすきじゃないんじゃない」「ここへきてはじめて」「ブルーカラー」など、力強い曲が並ぶ。一人での演奏なのにバンドみたいなテンション。車の曲での「動かない方に壊れている、止まらない方に壊れている」の言葉のセンスも本当に良い。最後の方にもう一回ギターのループを使用してたけど、小作品な音の鳴り方がMinus the Bearみたいにも思えて、それも良い印象。最後のDavid Bowie「Five Years」も原曲に近い日本語カバーっぽかったけど、佐藤さんらしさを感じさせる楽曲でした。アンコールは「役にたってる感じ」。
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3/31金
平日の習作@KDハポン

鈴木悦久
電子機材をテーブルに並べてノイズを鳴らす。最初の方はモスキート音みたいだったけど、すぐに激しい音に変わる。少しフレーズも散りばめられているようで、ライトニング・ボルトのベース音を思い浮かべる。そのノイズを長く続けて、途中からはmimiZでも使ってるカリンバを鳴らす。さっきまで鳴らしていたノイズ音はフェードアウトして最初のような薄いモスキート音に変わる。カリンバはループさせて使っていて、元々楽器自体の音も不思議な残響があるけど、ずらしたループでレイヤーを作っているように思えた。そのカリンバのループを継続させての、また激しめなノイズに戻す。この激しめなノイズが最初と同程度だったかは分からないけど、カリンバのループと同時に聞くとさっきよりも柔らかく聞けたんで、同じ音を流れの中での別の音に変化させる意図があったように感じられたのが良かったです。

やかんおきば
公園の西村さんによる一人芝居。精神病院?に入院しているコピーライターが一般社会に戻っても上手く行かず、競艇での当たり券を換金しようとしても偽造してるだろうと疑われて、駆け付けた警官と揉める。精神錯乱なせいか、換金額も最初1800万円だったのに、計算違いで実は180万になったのを落ち込んで、警官と揉めた後に更に18万だとに気付いて、たった18万の為にあんなことを、、、みたいな話。話には原作があって蛭子能収の「神経科のコピーライター」。後で原作を見せてもらったけど、設定も登場人物、台詞も原作のまま。西村さんの芝居の中では分からなかったけど、漫画の中では警官と揉めて、最後は警官の舌を引き抜くグロい絵柄。警官に抑えられている時の「放せよ!」の声がやけにリアルでした。

三宅ヤスコ
マシーンが占領している未来で、ヤスコさんはバスの中で怪しい人物(多分レジスタンス)を目撃した可能性があって取り調べられている設定。100年前にはバーチャルじゃない野良犬や猫がいたのなんて信じられる?といった世界観です。ヤスコさんと取り調べてるおじさんとの会話劇で話は進む。ヤスコさんはセイラ・ヤマノウエって人物で、取り調べのおじさんがミスター・スミスだったんで、最近のヤスコさんの芝居に出てくる時空刑事みたいな人物なのかと思ったけど、そうではなさそう。話の流れはなんとなく分かるけど、人物設定とか他の人物の絡み方が難しく色々混乱もする。途中で一度芝居はストップして、今回のイベントは習作がテーマなので、ここまでの芝居に対する意見(人物設定がわかりにくい等、モモジさんの意見だったのかな)をヤスコさんが読み上げる。その後、芝居の動き・声からヤスコさん私物のコンピュータに続きを決めてもらうことにする。ヤスコさんがレジスタンスなのかを「YES or NO」で質問すると、答えは「YES」。その後はヤスコさんが実はクローンだったか何かで初期化されて終わり。終演後、モモジさんに「NOの方の続きをしてたね」と言われて、ヤスコさんはテンション高く反省していました。

箕浦
最初は尺八とギターの音源を流して踊る。作ってる顔も含めて歌舞伎の女形な動き。その後は雅楽的な音で踊って、次に有名な歌人や詠み人知らず、新聞への投稿みたいな和歌を詠み出す。あらかじめ録音したロボット声での和歌も流してもらってて、自分の声とロボット声が重なった時は卒業式みたい。ロボの方に先に詠まれるみたいになってた時は面白かったです。その後もお客さんにも紙に書いた和歌をいくつか詠んでもらって、最後はプラネタリウムみたいな映像を流して、またその中で踊る。統一感がなく、あんまり焦点も分からなくて、こういうのこそ習作で、これからブラッシュアップしていくのかなと思いました。

3/25-26

3/25土
Birthday Live!!@きてみてや

いとうたかお
1,2部とあって、1部はカバー曲、2部は自作曲なセットリスト。いとうたかおさんのライブではいつもやっているイメージの、釣りの曲もカバーの部にて披露で、途中から英詞の「I Shall Be Released」に変わる曲もカバーの部。他にはどんな曲があったのか覚えていないけど、もう少し展開・転調すればフォークというよりは歌謡曲になりそうだと感じた曲もあり。2部は地下鉄での描写から始まる曲でスタート。この曲は1月に見た得三でもNick Drakeみたいに感じて、今回もその印象。次は、雲は色々、みたいなことを歌う曲で、これも同じく1月の得三でも佐藤幸雄さんみたいに感じた曲。この2曲はすごく印象に残ったけど、全体として見ると知らない曲ばかりで、集中力も切れたせいか、他の曲の良さには気付けず。もっと良い感触で見れると思ったけど、そうならず。
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3/26日
しょうにゅうどう ぶっちぎり!!!ワンマンライブ@喫茶コエタロ

しょうにゅうどう
1,2部とあって、順番を覚えてないのもあるけど、セットリストは「歌でも歌えば」「眺める景色」(さゆりさんがギター弾く姿は久しぶりに見る)、「右左」「さどの娘」「ホホホイっと」(曲自体の速さには違和感ないけど、さゆりさんのブラシ使ってスネア叩く速度が性急でハードコアみたいだった)、「連なる糸」「ずれる」など、ほとんど知っている曲ばかり。鳥取を漢字で書ける、みたいな歌詞の曲も得三のライブでやっていたはず。1部最後の曲は多分初めて聞く曲だったけど、良い曲だった記憶があります。最後2曲はカタリカタリ長瀬さんが参加して、ロドリゲスの曲では、クラベス→ギロクラリネットと使用楽器を次々と持ち替える。最後の曲は前の百景借景の時も最後に演奏していた曲で、今回は生音ライブなので、直に鳴らされる濁ったギターの音にも生音ならではの良さがすごくあって、これはライブで体験するものなので、もう録音物はいらないと錯覚する程。アンコールは西田佐知子さんの「アカシアの雨がやむとき」のカバー(河合さんのtwitterで知る)と「死ぬかと思った」。河合さんのコントラバスがJAZZっぽい弾き方だと思う時があったり、さゆりさんの片手ずつでシロフォン・スネアを交互に使う演奏も良かったけど、得三で見た時よりは演奏の上手さは少なくなっているのかな~とも思いました。

3/21-23

3/21火
店々 内田修人レコ発名古屋編@鑪ら場

スティーブジャクソン
今回は普通な歌詞。セットリストは「スタイリッシュな生活」「I Saw Her Standing Her Nowhere」「つめあと」「Don't Trust Under 23」「the end of 夏の終わり」「そっとわれにかえる」。ヒジリさんのシンセが今日はずっと良くて、特に「the end of 夏の終わり」が格好良かった。最初の方はぼんやり濱田さんを見ていたけど、すごい音が鳴ってるんで、ヒジリさんの方を向いてしまう。「そっとわれにかえる」はここ2回のキーが低い演奏だったけど、去年末の「ミルクと牛乳」みたいにベースのフレーズの一音だけずらす。でも、去年末の「ミルクと牛乳」程のすごく良いって感覚はなかったです。

悲しみかもめ
ループとかは使わないけど、音の感触のせいか、昔のトクマルシューゴみたいに思ったSSW。1曲目の少し外す感じも良くて、全体として見ても好印象。最後の曲のラブソングな感じがand Young...加納さんっぽさというか、HARD RAINっぽさに思えたのが、すごく良かったです。

ピーターフォーク
セットリストは前とは違ってるけど、曲は全部アルバム収録曲から。「オタンチン」でのカーリーさんがシロフォンにマイクをセットし直してる時の、大介さんがギター弾きながらその準備を待ってる感じが、生着替えみたいな焦らせ方で面白かった。客席にヒジリさんもいたし、ザ・シロップ「ハダカになっちゃおうかな」のPVを思い出す。最後2曲はアルバムの曲順通り「ラン・チャーム」「フレイバーno.5」。「ラン・チャーム」はジョンのサンっぽいとかそんなことはもう思わず、単に良い曲だと思えるようになってるし、「フレイバーno.5」の曲の中での自然な流れも魅力的で、ピーターフォークには自分の中でまだ好きになる部分が残っていて、それが次々と出てくる感覚がめっちゃ良かったです。「色んなお店に音源置いてます」って話からイベントタイトルの店々に繋げるMCも良い感じ。

内田修
声が少し甘めで、曲もきれいすぎる印象。途中から雰囲気のゴウさんがドラムで参加して音は良くなったけど、曲の方の印象は変わらず。今回悲しみかもめさんも内田さんも初めて見るんで、比べてしまうところがあるけど、悲しみかもめさんから感じた大阪らしさ(最後の曲からだけだけど)は自分の中では良い印象につながっていて、それと比べると内田さんにはそういう部分がなし。内田さんが持ってるのは7586じゃない名古屋らしさ(もしかして四日市にもつながるかも)なのかな、とも思いました。
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3/23木
笹口騒音ハーモニカワンマンライブ@きてみてや

笹口騒音ハーモニカ
開演時間少し遅れて到着した笹口さんは、自分で準備してそのまま演奏も始まる。一部はウクレレで「たとえば僕が売れたら」「僕の家」でスタートして、その後3,4曲歌って終了。MC多めで、リラックスというよりはダラダラした印象で、お客さんの少なさ(きてみてやの大きさだとめっちゃ少ないとかではない)にも少し堪えるところがあったのかも。このダラダラした印象は最後まで続く。後半はギターで、弾くのがすごく難しいという新曲でスタート。弾きづらそうに演奏して、歌うのは読み間違えの歌詞ばかり。この曲は最後にやる新曲に比べると、ギターも歌詞も王道な笹口さんだと感じる。演奏前の「この曲聞いたら消滅する人がいますよ」から、後の「ほら~、座布団だけ残して前の方に座っていたお客さんは消えました」の流れは上手いMCだと思いました。その後は「ぐるぐる回る」「恋をするならば」、プロポーズの曲、あなたの悲しみは売れるだろうって歌う曲など。「SAYONARA BABY BLUE」演奏前の「色んな人が好きだったり、絵のモチーフになってたりと、この曲には色んな意味で助けられている」っていうMCは、本人はふざけている感じで話していたけど、曲よりもぐっとくるものがありました。本編最後は新しいベスト盤のタイトル曲「わたしのうたはどこいった」。この曲でのスライドさせるギターが印象的で、自分の中では笹口さんの新境地にも思える。2部最初の王道に感じた新曲との対比になってるのも良かったです。アンコールはお客さんのリクエストで、うみのて「SUICIDAL SEASIDE」。リクエストしたお客さんのコーラスがすごく上手くて、今日のベストアクトはこの人でした。

3/14-17

3/14火
あぜみちギグファイナル@KDハポン

fish
HALF SPORTSにも通じる爽快なロックで、突き抜けてる感覚が気持ち良かった。インストの曲も良し。メンバーとか見たら演奏はドタバタしそうなのに、しない。一昨年の年末のつぶろっく以来だけど、初めて良い感触で見れました。

スティーブジャクソン
今日でハポンスタッフでありトウガンズのドラマーでもある、ももちゃんがハポンからもトウガンズからも卒業するんで、特別にももこづくしなSJ。モモジさんが笑って歌えなくなることを心配する。1曲目は「the end of 夏のももこ」。音源がないのではっきりとは覚えてないけど、Bメロ?の「そうか、二度と~」みたいなところを「そうか、ももこ~」に変更して歌う。次は「スタイリッシュなももこ」。これは「ハイセンスな生活」を「ハイセンスなももこ」に変更。次は「I Saw Her Standing Nowhere」でタイトルはまんまで、Herがももこだと説明。「前向き45度」を「前向きももこ」に変更。次は「Don't Trust Under 23」でこれもタイトルはまんまで、ももこが23歳と説明。これも音源なくてうろ覚えだけど、「小さくて聞こえない声」みたいなところを「ももこ」って歌ってた気がする。次は「ももこわれにかえる」。この曲始まっても、濱田さんが中々入らず、ずっとモモジさんを見ていて、少ししたら演奏ストップ。カポの位置が間違っていて、低めに下げる。「モモジわれにかえる」だったそう。で「ももこわれにかえる」をやり直し。「間と間の間からあいさつ」を「間と間の間からももこ」に変更。この曲はスティー部の時みたいなアレンジに思ったけど、もしかして前もテンポが遅かったんじゃなくて、いつもより低い音での演奏だったのかも。最後は「ももこと牛乳」で、これはタイトル通りの変更。こんなにももこづくしにするとは思わなかったです。

金魚注意報
男女ボーカルの、80年代からタイムスリップしてきたような清涼感溢れるギターポップ。でも、最初数曲はKeyがギターポップらしくない変な音を鳴らしてたのも印象的。最後から2曲目には少し民謡っぽいメロディー・節があって、ギターポップにそういう要素も合わせることができるんだな~と感心。どことなくウリチパン郡な気もして、CDで確かめたら曲名が「チャイ、ナナ」だったんで納得。ここでもKeyがスティールパンっぽい音を鳴らしていてたりと良かったです。

トウガンズ
現メンバー最後のライブだけど、リパくん曰く、くそしがらみな仕事でベース中村くんが来れず。少し変に感じる部分はベース不在なせいに思える時もあり。1曲目のサラダの曲のキックだけになる部分で、リパくんはももちゃんへの送る言葉を言おうとしてたけど、それも言えず(後のMCでそれは伝えてた)。2曲目はサーフボードの曲でリパくんはギター弾かず、小さいシンセ使う。3,4曲目はサマーって歌う曲。多分3曲目の方の途中から中村くんが遅れて来て、演奏に加わる。ベースも持ってこれず、モモジさんのベース使用。4人になるとリパくんの声にも勢いが出てきて、良い演奏になる。この後は「抜け殻」とモモジラモーンがくれた短い曲(「I Saw Her Standing Nowhere」と同じメロディーが使われてる)で本編は終了。モモジラモーンの方の曲の歌詞は卒業とか旅立ちが歌われていた気がする。アンコールの前に、ももちゃんによるあいさつもあって、上京するってことで、ももちゃんが歌うシャ乱Q上・京・物・語」。リズムトラック流して、リパくんがギター弾いての、二人だけの演奏。最後の方ももちゃんが入るタイミング間違えた時の、「もう一回!せーの!」みたいにリードするリパくん、格好良かったです。最後に「トウガンズで一番良い曲」とももちゃんが言う、犬の曲をバンドで演奏。この曲での途中の一回音が小さくなる時の、ももちゃんのキックをもう聞けなくなるのか~と思うと、じーんと来るものがありました。アンコールの後に、サプライズなビデオレターがあって、ベアーズマーキンからの卒業式で歌われるような旅立ちの歌と頭にハンガー付ける動画。ハンガーを頭に付けると首が勝手に回るんで、嫌なことがあってもそういうことで楽しんで欲しいっていう、ももちゃんの遊び。トウガンズはこれまでもずっと良いバンドだし、今日のはそれをすごく感じたライブ。今後もトウガンズが新メンバーを入れたりで変わっていくかもしれないけど、ももちゃんがいた時のトウガンズも良いバンドだったことはずっと覚えていたい。
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3/15水
コイケマルクト2017@parlwr

Ett
最初は「愛の古戦場」。カラオケはPCから流して、渓さんはこの前みたいなCASIOギターじゃなくて、ちゃんとしたエレキギター。でも音はチープに聞こえるようにしてて、変わらずのハードロックなソロ多め。それ以降はガットギターに持ち替え、「春の雨」「ワルツ」「ひふみのうた」が続く。その後に久しぶりに演奏するという、井上ひさしさん詞の曲。さゆりさんが少し強く歌う感じが昔のEttの曲らしさを感じる。最後は「種のうた」で、これは前からやってるヒフミヨイ農園の歌で、この曲でも渓さんはエレキギター使用。少しブルースなリフを使ってて、最後にはアメリカ国家っぽいメロディーも弾く。全体的に見るとしっとりとしたセットリストでした。

ふいご
室内楽っぽい3本の管楽器の絡みで、分かりやすい衝撃はないけど、気になる音楽。古池さんのトロンボーンも関島さんのチューバも良いんだけど、中尾さんの吹くサックスのメロディーははっきりしていて耳に残る。中尾勘二トリオの曲や、モダンDJ特選集の二人(泊の武村さんとpopo山本さん)と渓さんが参加しての、大原裕さんのカバー曲もあり。モダンDJ特選集と渓さん参加曲は大原さんの曲以外にもう1曲あって、それは少しレゲエ・ダブっぽく感じた曲でした。最後は「けむり」で締め。MC含め、中尾さん関島さんを自分のペースに巻き込んでいる古池さんはすごい人だと思う。
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3/17金
@なんや

おぐまゆき
もっと癖のある歌い方をイメージしてて、粘っこさもあるにはあるけど、案外普通な歌い方。特徴である9弦ギターも、普通の6弦ギターと変わらない使い方に思えて、そんなに魅力を感じず。弦を弾かずに叩く曲があって、その曲でのボディ叩いた時の少し不思議に聞こえる音は良かったです。

橋本進
今日はいとまとあやこのいとまさんがKeyで参加。1曲だけ空間的な音を鳴らしてて、他の曲は普通に鍵盤使っての演奏。新しい音源にも参加しているとのこと。最初の方の橋本さんのゆったりとした歌い方に少し違和感あり。murder murderとしてもソロとしても見るのが久しぶりなんで、今はこういう歌い方なのかな~と納得させつつ聞いていると、段々と知久寿焼さんのスピード感にも思えてくる。中盤辺りのロックンロール以前のブルースみたいなタイトルの曲の曲調は知っているイメージに近かったです。蟻の歌での「群れてる人間が嫌い」や「ムービースター、焼身自殺」みたいな歌詞も知っているイメージに近くて、今回印象には残った歌詞なんですけど、好みの問題なのか、そういう歌詞からは抜け出して欲しいな~とも思いました。

3/10-12

3/10金
ミックスナッツハウス「All You Need is Nuts」アルバム発売記念@KDハポン

ザ・ソファーズ
活動休止からの2年振りのライブだったけど、相変わらずの小気味の良いロック。中盤はトーンダウンさせた曲で、最後2曲はアップテンポに盛り上がる(片方は「恋に落ちて死にましょう」)。ブランクを感じさせない力強い演奏で、お子さんの世話もあってペースは落ちるかもしれないけど、活動は続けて欲しいです。バンド企画イベントには良い面子がいつも揃っていた記憶。

マイギーとふくざわ
曲終わりに「ロックンロール」って叫ぶわ、ギターの音もデカいわ、と意外なマイギーとふくざわ。ナゴミハイツ収録の「ノリノリ♪」も早々に披露。メンバーはマイギーさんGt+Vo、福沢さんDr、ツユネブリ遠藤さんGt、ミミコみやたさんKeyの4人。ほとんどマイギーさんの曲だったと思うけど、途中福沢さんと遠藤さんが歌う曲は多分福沢さんの曲。ツユネブリはインストバンドなんで、歌声は初披露な遠藤さん。特別良いって思う訳ではなく、普通な声でした。後半の、みやたさんがベースにパートチェンジした曲での、いかにも!なバンドサウンドは懐かしくもありました。

ミックスナッツハウス
元々ものすごく好きなバンドで曲を知っているってこともあるけど、聞き取りやすい歌詞・声が圧倒的に良かった。全体を暗くして無言で登場したバンドは「サンチョーメ・サンセッツ」からスタート。アルバム未収録曲からのスタートは意外だったけど、続く曲も「ダンスフロア」(これは7inch「三温糖」B面)、「鳥獣トゥナイト」とアルバム未収録で、去年のWレコ発したスティーブジャクソンのアルバム収録曲を中々しないライブのオマージュなのかと思ったけど、今回はシンムラさん抜きの3ピースだったんで、その編成でのセットリストな影響もあったのかも。次の曲からはアルバムの曲が続いて「ポピー×8」「白衣ダイナソー」(バムバム多め)、ザ・ソファーズに捧げる「アントワープ」(ベーラーさんのベース格好良かった)、マイギーとふくざわに捧げる「かっぱの名探偵」、合唱率が高かったんで逆コール&レスポンスまで行きそうだと思ったけどすっきり終わった「アーノルド」。で今回、曲の印象が一番良くなったのが「You Are My Super Shining Star☆」で、終盤の「もうそろそろ宇宙に帰らなくちゃ」って紹介からの、この曲は凄く良くて、自然と体が動いてしまう程楽しかった。本編最後は新たなコール&レスポンスが浸透していきそうな「三温糖」で、アンコール「コズミック直子」(この曲も良かった)、「チョコレートは止まらない」で終了。
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3/12日
紙コップス・水中、それは苦しいWレコ発@得三

水中、それは苦しい
ジョニー大蔵大臣としてのソロはここ数年でも何回か見てるけど、バンドとなると久しぶりに見るライブ。ドカスカ鳴らすドラムも魅力的だけど、セクシーパスタ林三さんの優雅なviolinがこのバンドにはすごく無駄に思えるのに、その無駄な要素をこんなに格好良く見せることが出来るのが凄いな~と思ってしまう。新譜以外からも、「安めぐみのテーマ」「農業、校長、そして手品」「おっと!オトタケ」「芸人の墓」など。最後の「ツバメ☆グリル」はアナーキー吉田さんが前に出てきてギター持って歌う曲。大蔵さんの「パーマ大佐です」って紹介が面白かったです。

クウチュウ戦
色んな音楽が混じってるけど、混ぜ方が曲毎でしかなくて、バンドの軸がないみたいに思える。自信過剰なMCもキャラ作りだとわかるけど、それならあと2~3倍格好良くないと成立しないような音楽。MCがない曲間での微妙に空いた間(1秒程度)も格好良く見えなかったマイナスポイント。

紙コップス
アルバムから全曲演奏で、通して聞くとまっちさん曲は少ないことに気付く。セットリストは「ぷちゃへんざ」「君はあらくれもの」「チャイナ」で始まって、それ以降は各務さん、菊ちゃんの曲を交互に演奏。多分「すなあらし」「わすれもの」「きくちのタイフーン」「5拍子」の順で、最後は「蚊」。アンコールは「俺は天使なんかじゃない」で、丁度「キリスト教徒が泣きやまない」の「キリスト」のタイミングで登場した、赤子位の大きさのビニル?を抱いたジョニー大蔵大臣さんは、歌詞のせいもあって神聖な感じがしました。足を引きずってる感じの歩き方もキリスト(赤子を抱いてるんでマリア様かな)らしさがあり。「チャイナ」「5拍子」でのまっちさんのふざけ方に昔の紙コップスらしさを感じて良かったりもしたけど(今の紙コップスも好きです)、「蚊」のサビのコーラスのハモリが本調子には聞こえなくて、少し緊張もしてるのかなと思ったライブでした。

3/3-7

3/3金
松倉と勝と光永と継吾のワンマンライヴ!@拾得

松倉と勝と光永と継吾
1曲目「星」での勝さんが弾くピアノに、おまつとまさる氏の二人の時では出来ない自由さがあって、このバンドが単におまつとまさる氏+2でないことがすぐに分かる。バンドの一員としての音を鳴らしていて、光永さんと岩見さんの二人もすごく良い演奏。松倉さんはバンドの音でやりやすさがあるのか、いつもより大きな動き。選曲は勝さんが歌う曲もあったけど、松倉さんソロ曲が多く、聞いたことない曲もいくつか。今回ツアー用に作った「SETSUBUN」に入ってる曲はほとんどやっていたはず。ライブは1,2部とあったのでたっぷりと聞けて、特に良かったのが「うまく踊れるように」。UAが売れ始めの時期にクアトロとかを回ってたらこんなんじゃなかったんだろうか、と思わせる程の歌声と演奏。その感覚は「いとしい人」でのリズム隊の良さからも感じることが出来て、拾得も良い場所ではあるけど、この場所で見るのは凄く贅沢なことだと思ってしまう程。アンコールは松倉さんが一人でピアノ演奏しながら歌う「あなたの船」。ピアノの練習をしているそうで、難しそうなフレーズがないので無難に弾いてました。あと、セットリストの順番を間違えそうな時に「あっぶね、気付いて良かった~」とか言う岩見さんのキャラも良かったです。
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3/4土
ピーターフォーク「ヤキモキ」発売記念 "YAKIMOKI エヴリデー"@KDハポン

テト・ペッテンソン
昔からの曲の印象は変わらないけど、今回新曲が3曲(久しぶりに見るんで新曲かどうかは分からないけど)。2曲目に披露していた気怠いKeyが入るvelvetsみたいな新曲はドラムの人が歌えば似合いそうなビート感。最後の新曲はギラついてる感じが曲にもVoの人の目線にも表れていたのが良かったです。

百景借景
今回は河合さん万作さん二人での編成。1曲目は万作さんのviolinが絡んでスタートする「連なる糸」。2曲目は「黄昏の町工場に」。他は「歌でもうたえば」など。万作さんはアコギとエレキギターを曲ごとに持ち替えで、ギターも音小さいと感じる時あったけど、それはそれで味になる演奏。河合さんはコントラバスに専念していて、弓を使っての演奏を聴くと、もっと弦楽器と絡んでの重奏も聞いてみたいな~とか思う。万作さんボ-カルでのツクモク「パイロット」もあって、昔この曲を聞いた時に、USインディーな要素を感じたことがあるんで、この二人で歌えばめっちゃはまりそうと思ったけど、期待以上のものにはならず。曲名が分からないけど、最後の曲の染み入る感じも印象的。前にブラジルで見た時のハプニング・ミュージックな演奏はなく、今日は歌を聞かせる日でした。ピーターフォーク大介さんに対する「兄ちゃんと昔バンドやってたぞ」っていう先輩な万作さんのMCと、鯖カレーがおいしいっていうBateriaの店紹介な河合さんのMCが面白かったです。

FRIENDLY HEARTS OF JAPAN
多分ほとんど新曲で、聞いたことあるのは前からやっている1曲目と「506」だけ。それでもフレンドリー節は変わらず。曲を弾いてない時でも、薄めにビービー鳴ってる程ギターの音が大きめだったのが、今までとは少し違ったところ。楽器をパートチェンジする前にやってた、velvetsの吐き捨てる感じのポエトリーっぽい曲(一応フレンドリーらしいメロディーもあるけどイメージとして)が格好良かったです。

ピーターフォーク
1曲目が「ピーターフォーク」。初めて「なめてかかったら小粒の山椒」の部分が聞き取れる。2曲目が「たぬき」で、この曲での乱れてるような歌い方で一気に好きになる。その後もアルバムの曲が続く。前にジョンのサンっぽく感じた、ピアノを使う「ラン・チャーム」はピーターフォークの中では異色で、今回は最後の方に演奏される。セットリストの順番でも全体の印象は変わるな~と思いました。ボサノバっぽいギターの使い方にシロフォン、ミニアコーディオン、リコーダーなど。こう見るとテト・ペッテンソンとの共演も分かる。最後の方には今日の感想に見せかけての、歴史を振り返るような長いMC。色々バンドとか人の名前も出てきたけど、実在する話なんかな。他のMCも良かったです。今まで見てる回数は少ないけど、一番良い感覚で見れたライブでした。
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3/5日(昼)
@Honky Tonk

大場ともよ
会場の大きい窓に射し込む日光とtomoyoさんの歌との対比によるドラッギーなサイケ感がすさまじかった。完全に良い意味で。tomoyoさんの歌って夜のイメージが強いんだな。選曲は本人も言ってたけど暗めな曲が多く、マツバナオキさんの「クロール」、春の歌として紹介した「蘇州夜曲」(これは初めて聞く)、小池さんの「ショッピングモール」のカバーも。今回は「シスター」も「赤毛のレディー」もなかったけど、演奏された曲はどれも馴染みの曲ばかりなんで、5月に出るアルバムには収録されていそう。

小池喬
特に印象は変わらず、いつもな感じ。1曲目「自由帳」の「ワン、ツー、スリー」の時に外の横断歩道の信号がタイミングよく変わったことが面白かった。他は昆虫の曲、「宇宙のくしゃみ」「どうもありがとう」「TAKE CARE」「Good Bye My Friends」「階段のあがりはな」「コンビニ」「未来系おにぎりバンブボン」「コメットさんの再放送」と、長めな演奏時間。「TAKE CARE」はYO LA TENGOのカバーと思ってたけど、BIG STARのカバーだそう。YO LA TENGOもBIG STARのカバーしてそうだけど。tomoyoさんのアルバムが出たら、カバーできるよう勉強するそうです。MCでは、昨日名古屋グランパスFC岐阜の試合を見に行ったとかのサッカーファンな話。

安藤明子
安藤さんもそんなに印象変わらなかったけど、やっぱり曲が良いと思う。選曲も聞いたことある曲多めで、高田渡さんの「私は私よ」、CD整理していたら見つかった昔参加したコンピの曲も。コンピの曲は今とは違うテーマを歌ってるんで(確か「歩いて帰ろう」的なテーマだったと思う)、そういうのは成長なのかな。アンコールで演奏された「パパ」が安藤さんの曲では今までで一番印象に残ってるんですけど、今回は1曲目の「ステキなキス」の「君は思わないかい?」の部分がすごく良かったです。
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3/5日(夜)
松倉と勝と光永と継吾はじめてのツアー@ブラジルコーヒー

TRIOLLI(高倉一修、河合愼五、杉山明弘)
1曲目は高倉さんのサックスと杉山さんの鍵盤のデジタルな音がユニゾンするところが面白くて、色々と音楽的に試したいことがありそう。その後は高倉さんがギターに持ち替えて歌う曲で、複雑な流れがGUIROに近いイメージ。1曲目でも思ったけど、作曲面でも実験的な精神が根本にはありそう。他は河合さんらしい曲が1曲あって、杉山さんはたまごサンドの曲と、良い噂を聞いていた「島」。「島」は噂通りの良い曲で、この曲を聞いた時に思い出したのは、去年の年始に見たログメンに7586の系譜なメロディーを感じたことで、今の3人が集まってのTRIOLLIなことに感慨深さ(見てる回数が多くないんで深くはないけど)がある。最後はGUIROの「ABBAU」で、「島」の流暢さに比べると、力技で聞かせる感じ。昨日の百景借景の時も思ったけど、河合さんはカタリカタリの時よりもMCが楽しそう。河合さんのライブ告知の時に、小さく「ずれる」のメロディーを弾いている杉山さんも良かったです。

松倉と勝と光永と継吾(松倉如子、渡辺勝、光永渉、岩見継吾)
京都とほぼ同じような印象だけど、席がもっと近かったんで、迫力のあるステージ。松倉さんってあんな横の動きしてたんだな。セットリストもワンマンじゃない分、いくつか削除されていて「カレハフルフル」「バッタハラッパ」「いとしい人」は無し。「いとしい人」は京都でのライブで一番印象に残ってたんで、名古屋でも聞きたかった。虫に刺される、みたいな歌は京都ではやってなかったと思う。アンコールの「あなたの船」は京都と違って4人での演奏。ツアー最後の日で、松倉さんはいつもな感じのMCだったけど、「今のバンドが楽しい!」ってことはすごく伝わってきました。
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3/7火
@得三

Dragonfly
外国人のVo+Gt,Ba含む4ピースバンドで、英歌詞で歌う。静かな曲とロックな曲があって、カントリーっぽいソフトなメロディーのアメリカンロック。特にそれ以上の感想はないけど、メンバー紹介でVoがBaを紹介した時に、Voが次のGtの紹介を続けてるのに、Baが「後2曲やります」って言い出して、MCが被る。で、微妙に間が空いて、Voが次にDrの紹介をする。BaがVoが他のメンバー紹介をしているのに気付いたのか、被ったMCで紹介されてるのに、BaがGtの紹介をもう一度する。こういうメンバー紹介は初めて。

汽水域[山田亮(pf)笠井亨(b)十三(ds)]
最初の方はゆったりとした演奏で始まって、山田さんのピアノも心地良い音。途中からベースの音にディストーション掛かっても心地良さは変わらず。最後の方になって、山田さんのピアノがフリージャズなピアノになって、バンドもそれに合わせての加速。大まかに3曲あって、2曲目は少し小作品な内容。この曲でのイントロの十三さんの叩き方がMTEGの曲と同じにも思えて、十三さんの他のユニットとの地続き感があるのかと思ったけど、曲が始まったら全然違ってた。3曲目も2曲目に近いイメージで、笠井さんは逆回転のエフェクトを掛けたりもする。今までの十三さんのユニットにはないタイプの音楽でこれからの活躍が楽しみ。1曲目の最初の方の心地良い音は特に気に入りました。

かんぱち[小倉英樹(vo.g)小宮勝昭(ds.per)]
小宮さんはリズム&ドラム・マガジンの元編集長で、さすがにドラムはしっかりとしたプレイ。途中のジャンベの演奏もすごく上手くて、こっちの方が印象に残る。で、小倉さんのギターは、もしかしてドラムのタイミングと合わせてるのかと思う程ストロークばかり。歌は普通で、いくら小宮さんがすごいドラム叩いてもあんまり魅力は感じなかった。もっとテクニカルなバンドでの方が楽しめたと思う。

2/28-3/2

2/28火
スティー部@KDハポン

田豊
ガットギターによるインストを2曲。単音多めでチョーキング、ライトハンドもあったりと手がずっと忙しなく動いてるけど、わびしい曲。途中でボディ横に付けた布を弦に当てるように被せて、残響音を少なくさせたりもする。イメージとしては、デレク・ベイリーな即興演奏な弾き方だけど作曲された曲とのこと。1曲目のタイトルは「優しい森には神話が生きている」。2曲目は1曲目に比べると忙しない感じは少なく、厳かな雰囲気で、思い起こさせる情景は城だった気がする。こっちのタイトルは「2008年2月29日」。最後はエレキギターに持ち替えてビートルズ「イエスタデイ」のインストカバー。ゆっくりと時間を取ってメロディーを弾いてるのが良かったです。

武村モモジ
本当はlet us be lovers!(モモ爺+ヒジリ)の出演だったけど、ヒジリさんが残業で来れなくなったんで、急遽モモジさんソロ。「くりかのこ」とかも名乗らず、ソロやりますー、みたいな感じでスタート。エレキギターを膝の上に寝かせて置いて、エフェクター?ミキサー?に繋いでのインスト。ギターは弾かずにブリッジ下辺りの弦を押さえて、うにょーん、うにょーん、みたいな音を鳴らす。ループとかは使わず必要な音をその場で作っていた感じ。非ギター的な使い方と姿勢で、ターンテーブルを楽器的に使う人にも見えました。10分位の演奏時間。

鈴木悦久
鈴木さんのPCのHDにある、未発表のSJのスタジオ録音の音源が日の目を見ないので、それらを成仏させるために、音源を流してそれをカラオケに生ドラムの演奏。スティー部から退部された成田さん期の音源。モモジさんがボーカル入れる前なので、ベース、サックス、ギターの音はあり(多分シンセの音もあった記憶)。1曲目は「ミルクと牛乳」。最近出したカセットの音源とは違い、サックスの音が入っていて、しかも結構目立つプレイ。2曲目は最初の方気付かなかったけど、成田さんのスカっぽいギターが入ると「つめあと」だと分かる。こんなアレンジあったな~と懐かしく思う。3曲目は、鈴木さんがポストロックの傑作になりえたと話す「フォークミュージック」。この曲は今の印象とそんなには変わらず。最後はライブでもしたことがないという曲。ボーカルが入るとどんな印象に変わるか分からないけど、ポップな曲になりそう。成仏させるってことなので拍手厳禁のライブでした。

スティーブジャクソン
1曲目「I Saw Her Standing Nowhere」、2曲目「スタイリッシュな生活」。ヒジリさん抜きの影響があったって訳ではないと思うけど、濱田さんのシンセっぽいギターの鳴らし方ってやっぱり面白いな~と思う。「スタイリッシュな生活」から間髪入れずに「Don't Trust Under 23」に入る流れが格好良くて、スティックを2本使ってシンバルを挟んで鳴らす鈴木さんのプレイも良かったです。その後「つめあと」「ミルクと牛乳」と続いて、最後は「そっとわれにかえる」。いつもより間が遅く、1.1拍位ズラしてて、鈴木さんのいつもと違うタイミングで入れるタムも、そのズレを助長させる感じがしてすごく良かった。何回見ても何かしらの変化を見せてくるバンドで、その変化は大体いつも良い。
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3/2木
ひな祭り前夜祭~昭和歌謡を奏でる音姫?達@釜晴れ

女勝りバンド[萩之茶屋まり子(vo,gt)加納麗花(7弦gt)西大寺絹代(key)幸うす女(め)(ba)]
萩之茶屋まり子さんは女装したカオリーニョ藤原さんで、他のメンバーも女装しての演奏。カオリーニョさんの自作曲はほぼやらず、昭和歌謡のカバーばかり。「男はみんな狼よ」って歌う曲は多分自作曲だと思う。カオリーニョ藤原名義でのライブでも聞けるのは「愛のさざなみ」「爪」「みんな夢の中」「伊勢佐木町ブルース」で、他のカバーでは「京都慕情」「愛して愛して愛しちゃったのよ」など。女の人の気持ちを歌った曲が多かった印象。お客さんは年配の方が多く、曲紹介をすると「知ってるわ~」「ええな~」の声が上がり、一緒に歌う人も。お客さんも面白い人が多く、「あの人、カオリーニョさんに声似てるな」と本当に思っている人もいそう。選曲も含めて、釜晴れはまだ出来たばかりのお店だけど、西成のこういう雰囲気がカオリーニョさんを形成していったのかな~と思ったりする。バンドのアレンジも良くて、特にKeyの空間的な音は今まで聞いてきたカオリーニョさんの音作りにはない要素で新しい発見。コーラスの入れ方もRufus Wainwrightの3rd,4thを思い出したりと、好みなアレンジ。この編成での音源も聞きたいです。歌謡曲以外にも、絹代さんが歌うマダガスカルの曲で、現地の発音で「オメコ・アナルト」みたいなタイトルの曲も良かったし、曲の最後の方にブラジルの音楽家の名前を下ネタに絡めて言う「イパネマのゲス娘」、麗花さんと絹代さんデュオによるインストの熱いプレイや、お客さん含めみんなで合唱する童謡「うれしいひなまつり」もあり。最後は「愛の讃歌」のボサノバVer.「愛のサンバ」。メロディーは原曲のまま(歌詞は日本語詞)で、アレンジはボサノバ調。歌詞も元々良いし、まり子さんの声で歌われると堪らないものがある。カオリーニョさん名義でも聞きたいです。