お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

4/29-5/4

4/29土
「紙コップス3」リリースツアーファイナル・ワンマン@KDハポン

紙コップス
2階席の一番遠い席から見たせいか、いつもより音がくっきり鳴っているように聞こえたのに少し違和感。多分それは音の良さにつながっていると思うけど。2階から見るとまっちさんの叩いているところが見えて、めっちゃ上手いと思ってしまう。セットリストは「3」からとそれ以外の過去作品からも何曲か。「NICE TO MEET YOU」とか久しぶりに聞けて嬉しい。多分「きくちのバラード」だったと思うけど、菊ちゃんボーカルに各務さんギターだけになるとル・クプルみたいな男女デュオな曲に聞こえたのも良かったです。ライブは1,2部と分かれていて、1部最後の方には、「まっちメドレー」(「そうだね」~「パンティ」~「愛した日々を忘れはしない」~「そうだね」)があって、「そうだね」に戻った時の、ドラム叩かずに歌っているだけのまっちさんの姿がめっちゃ格好良かった。王族的な格好良さ。1部が終了するとトイレ休憩の時間を取っている間、三人のメンバーがそれぞれ心に残る曲を演奏。まず菊ちゃんが忍たま乱太郎の誰を好きになったか、の話をしての「勇気100%」。次に各務さんが予備校生時代の話をして、その時によく聞いていたTHE DOORSの「Wintertime Love」に自分で歌詞を付けた日本語カバー。ちょっと意外なルーツ。この時に各務さんは英検3級だけど、まっちさんは準2級なんで上であることが判明。最後はまっちさんで、父親がクラシック狂で、ポップスは車の中でしか掛からなかったらしく、そのポップスも母の趣味のドリカムかチャゲアスだけだったみたいで、各務さんのアコギを借りて、ASKAの「帰宅」をカバー。めっちゃGofishみたい。というか歌詞もGofishみたいで、GofishとASKAに共通性を感じてしまう。三人のカバーコーナーが終わって、2部の始まりは各務さんがエレキギターに持ち替えての「かわいいね」。しかもDEEP PURPLE「BURN」を融合させた見事な出来栄え。本当に見事でした。エレキギターはこの曲の為だけじゃなく、次の新曲でも使用。1つ目の新曲はアニメのテーマソングみたいな曲。で、2つ目の新曲がめっちゃ格好良くて、ワンリフで押していく感じの、今までの紙コップスにはない曲。展開も複雑で、THE PYRAMIDみたいだな~とか色々感じさせる曲。レコ発ワンマンで、しかもレコ発の曲じゃない新曲がめっちゃ良いのは、これからの活躍が益々楽しみになる。この後、各務さんはアコギに持ち替えて、また「3」収録曲に戻る。最後の流れは「きくちのタイフーン」「ぷちゃへんざ」。「ぷちゃへんざ」の入る前に、ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」を歌うまっちさん。で、各務さんが入り方を間違えてやり直す時も、またまっちさんが「うれしい!たのしい!大好き!」を歌うとお客さんから自然と手拍子が出て、その音のせいでドラムのカウント聞こえず、また入れない各務さん。次はちゃんと入れてました。アンコールは「ラブ&ピースのうた」「俺は天使なんかじゃない」、Wアンコールで「コップのうた」。色々レコーディング時や結成当初のエピソードを語るMCもあったけど、メンバー間の関係性は昔から変わってなさそう。一番心に響いたMCは「俺らで始まって、締めるのも俺らだよ」です。レコ発ワンマン、おめでとうございます。
__________

5/4木
ヨリドリミドリの日@KDハポン

canaroom
無添加ギターポップな印象。20歳前後の学生だけど、あんまり最近っぽさは感じず。最後の曲はハーモニーを付けないTEENAGE FANCLUBみたいだと思った。去年の年始に1回だけ見てて、「持ち曲が無いのでコピーします」って言ってたことをすごく覚えているけど、今日は全部多分オリジナル。

てんしんくん
見るのは久しぶりだけど、印象は変わらずで、多分毎回思ってるけど、その人にしか出来ない独特な歌い方を持っている人。キーボード、ウクレレ、毎回GWの時期に呼ばれますのMC、最後はキーボードのリズム鳴らして歌う曲。ウクレレに持ち替える直前(だったと思う)のキーボードの曲の、永遠に抜け出せないようなメロディーが印象的。演奏もお客さんも静かなライブでした。

yodo
今回は畔柳+紙谷+西村のトリオ。1曲目はインストで、西村さんが低音なシンセをブギーっぽく鳴らす。この曲がビーチ・ボーイズのカバーだったそうで、「ペット・サウンズ」収録の「少しの間」。ベースがいない分、低音を補っているのかな~と思ったけど、低音なシンセに感じたのはこの曲だけでした。他はアルバムから「1991年の夏」「森に入っていった人」など。紙谷さんは1曲だけベース担当。転換のリハしてる時から思ってたけど、出してる音が漠然としたイメージで海外のバンドみたい。紙谷さんのギターからは特にそんな印象を受ける。最後はアルバムに入ってない曲で、終盤に紙谷さんも畔柳さんもギターをかき鳴らす。多分前にも聞いたことのある夏の曲。yodoも畔柳さんにしか歌えない歌があって、それを形にするには時間が掛かりそうなので、活動のペースもゆっくりなのかな~とか思いました。

わたなべよしくに
持ち時間が40分で、前のたたらばの時よりも曲が多め。1曲目はゴミ収集車の曲。で、少し自虐的な内容のMC。見せ方としてはアリかもしれないけど、これがあんまり良くなくて、その流れで生活保護受給者の歌に繋げる。その後は「でもでもでもでも」「ライブハウスに辿り着けない」(歌詞を色々変えてて「ああ、あの弾き語り、今日名古屋か」「たたらば、新栄パルル、ハポンの夜を」とか、バンド名を羅列するところにホーリーあーを加えたりする。あと、「ステージの下に眠るもの達を」のところはぐっときた)、咳き込む曲、「19」(最初の方マイク使わず生声)など。最後に物販のMCをして、「8月の初め、南の夜空」。アンコールにいつもの芝居(こっちの自虐的なのはOK)があっての「やめるよ」。曲は相変わらず好きなんだけど、1曲目の後の自虐的なMCからは残念な流れに感じて、お客さんの反応もイマイチな印象。

4/22

4/22土
トーマスジャンボリー@KDハポン

トーマス
最初はお客さんにもお面配っての撮影会。トーマスさん作のお面以外にキツネ目の男のお面もあり。その後DVD流しての演奏。DVDの映像にはトーマスさんが二人映っていての、三人トーマス。DVDのトーマスさんの片方はウクレレ、もう片方はおもちゃのドラムなどの打楽器で、リアルトーマスさんはピアニカ。ドナルドダックのホーミーだったり「テキトー」ってタイトルの曲をやったりする。その次はDVDの二人トーマスさんが残像ありの状態になっての、五人トーマス。この時はリアルトーマスさんは風船を膨らませて萎むと音が鳴る笛を演奏。最後は「LOVE DANCE」っていう映像作品で、ダンスビートに乗せて、MANDADAのお面を付けた人形が服を脱がせていくセクシーな映像でした。

松本英二郎
少し芝居掛かった音楽で、主にスーツケースに座りながらのピアノ演奏。そのスーツケースも足で叩いてパーカッション代わりにする。ピアノ演奏の前に、やかんに取り付けた電子楽器みたいなのをいじりだす。物語を語って、やかんに水入れると中から白い気体が。1曲目は「お化けのタンゴ」って曲で、曲中の「タンゴ」の決めの部分を「マンボ」とか「サンバ」に変えたりする。次の曲はニューオーリンズだったりと、音楽世界旅行みたい。「スマイル」って曲での「スマイル」って単語が出てくる早さが面白かったです。途中トーマスさんが入ってきての、トーマスさんは風船、松本さんはトイピアノ使っての即興セッションもあり。最後の曲は松本さんがアコーディオンを演奏すると同時に、足踏みポンプで風船をどんどん大きくする。その膨らんだ風船を持って椅子の上に登って、最後に鳥のおもちゃと一緒に飛ばそう?としてたけど、先に風船が割れちゃう。

カシミールナポレオン
知っている曲ばかりだったけど、相変わらずすごく面白い。セットリストは「悪魔のシェフ」(「メインディッシュは、シュは、シュは」)、「サイバーウォー」「カシナポ祭りだよ」(刀と鞘での太鼓叩く動きと忍者走り)、「ヘルロケンロー」「ラ・ミサ~シルヴィアに捧ぐ」(変なダンスと最後のタイツのジッパーを上げるタイミング)など、笑えるところが盛り沢山。多分初めて聞くダンスの曲は、チューチュートレインが被る動きだったり、パンチとそれをかわす頭の動きがまた被ってたりするのもベタだけどめっちゃ面白い。アルミホイル製のヘッドセットマイクも最後はグチャって潰す。「悪魔のシェフ」での「ペガサスの馬刺し」「メデューサの抜け毛」の歌詞の世界観も良いし、写真撮影でのデフォルト・ポーズも良い。どの曲か忘れたけど、松本さんが使っていたような足踏みポンプをエア・アコーディオンしてたりと面白いことばっかり。ライブ途中のレベルアップで使えるようになった回復呪文も自分には使えないそうで、曲終わりで疲れるとKはhakuに治してもらうけど、hakuは何もしてもらえず。回復も腰が曲がったポーズから真っ直ぐ立つようになるだけ。2回やってたけど、どっちも面白かった。最後は「魔王の恋」。曲が終わってKが死んでしまったけど、耳打ちして、回復呪文を掛けてもらって回復する。この時もやっぱり面白かったです。

MANDADA
「うらやま太郎」っていう紙芝居。うらやま太郎が罠に掛けようとして逃げられたうさぎを追いかけていると谷底に落ちて、暗闇の中で耳を研ぎ澄ますと真理を悟った陽気な小麦色の男がすぐ隣にいるような気がして、目が覚めると谷底ではなくうさぎを罠に掛けようとしていた場所にいて、何か黒くてでかい獲物が罠に掛かっていて、それを確認しようと近付くと、紙芝居の台が倒れて、人形のうらやま太郎と黒くて大きな獲物が出現。黒くて大きな獲物が起き上がると、それは陽気な小麦色の男の生首(黒く見えたのは頭頂部の髪の毛)で、そこからは宇宙みたいな話。変なキャラがうらやま太郎の首刈ろうとして水(汁)が出たり、背中に乗せてくれた亀が陽気な男の生首から出ている血管でぶたれて興奮してたり。最後は椅子に座った人形のうらやま太郎とゆーにゃんさんとトッキーさんの会話になって、うらやま太郎にオレンジジュースと鹿肉が入った箱を渡す。その後、トーマスさんがうらやま太郎の格好で登場して、持たされた箱を開けるとMANDADAのお面があってそれを被る。紙芝居には「マンダダ入退団式」の文字。うまく出来てるのかな。松本さんのやかんの白い煙が変にリンクしていました。

オクムラユウスケ
鬼みたいなフォークシンガーで、歌も動きも下ネタ多め。「ちんちんたってる」って歌ってる時のピョンピョン跳ねるような元気な動きとかも凄かったけど、一番印象的なのは「テストミー 俺はどうだ!?」の「女子高生のスケブラ~チャーハンを作ってやる」の歌詞の流れがめっちゃ格好良くて、velvetsのポエトリー的な物語性の歌詞と思ったけど、よしくにさんっぽいとも思ってしまう。他にも「動物大図鑑」のアドリブっぽい会話になるところの1~3弦をチャカチャカ鳴らす音も不思議な音で印象的。ライブ前に今日のイベントのことを「ギター持って普通に歌う方が変」って言ってたけど、オクムラさんも十分変な人です。

4/18-19

4/18火
@ふう

スーマー
8時スタートなので、休憩は入れずに通しで1.5時間。ふうでの演奏では久しぶりだけど、毎月来ていたそう(多分名古屋のライブがあるとお店に寄ったりしている)で、お店の雰囲気にもお客さんにも慣れ親しんでいるのかMC多め。1,2曲目は「あさき夢みし」「風の女たち」で、この2曲でのフォークなフィンガーピッキングからの、低音か高音かが余計に入ってくるようなズレが面白かった。音源の方はバンドサウンドだったりで雰囲気は違うそう。それ以降は以前からのスーマーさんのイメージに近い楽曲が並ぶ。セットリストは「泥水は揺れる」から多めで、他にはふうに来ると歌いたくなるという高田渡さんの曲など。中盤に披露していた「愛がぶらさがってる」の、柔らかく鳴るギターの音が魅力的でした。この曲でのMCでも話していたけど、今回来る途中の車中で1時間程で作ったという、ドヴォルザークの「ユーモレスク」のメロディーを拝借した日本語詞の曲では、スーマーさんの常連だったお客さんとの思い出が歌われていて、今回のライブはスーマーさんにとっても思うところがあったんじゃないかな。この日一番大きな拍手が沸く。本編最後はスーマーさんの名刺代わりな名曲「ミンストレル」で締め、アンコールは、ムッシュかまやつさんが亡くなった時期のタワレコのインストアでも演奏されたという「にぎわい」でした。
__________

4/19水
@KDハポン

トウガンズ
ももちゃんが抜けて、前任ドラムのつっつんくん復帰での4人のトウガンズ。1,2曲目はリズムトラック鳴らして、つっつんくんはドラム叩かずにコーラス専念。コーラスはハモれるよう音程も気にしている感じ。3曲目の「サンシャイン」って歌う曲からは細かいビートを叩き出す。この曲でのヨースケくんの、ボトルネックは使用していないけど、それっぽい音がするスライドギターが良かった。ハワイアンなのかな。やっぱり毎回アレンジを少し変えて色々試しているのが良い。4曲目はサーフボードの曲で、ここでのドラムのスローな叩き方は、ほぼももちゃんと一緒。最後のサラダの曲はももちゃんコーラスの印象が強い分、差は感じたけど、バンドとしてのパワーダウンは感じなかったので、これからの活動も楽しみ。

ゼローネ
1曲目からは踊ってばかりの国みたいな今っぽさを感じて、次の曲はナンバーガールみたいな音。でも基本は張り上げる系の歌い方で、あんまり好きになれず。それ以降の聞こうとする集中力も切れる。

kiiiu
1曲目は知っている印象のkiiiuさんだったけど、2曲目以降は少し雰囲気が変わる。きちんとは覚えていないけど、良い感覚は残っていて、2曲目の鍵盤を使う曲の、ダウナーなのに高揚感ある曲は、フォー・カーネーションが「スクリーマデリカ」をカバーしているイメージ。この曲の音の雰囲気がそれ以降も持続していたのかな。おばあちゃんの曲や、一昨日書いた作文の曲などを演奏。最後のサンドイッチの曲も今までのkiiiuさんに近い雰囲気でした。

OPHILL
自然な歌い方に懐かしいバンドサウンド。2曲目からはカタリカタリ小倉さんが歌う曲に近いと感じるようになって、印象は更に良くなる。あと、Keyがいた頃のB級ポップなザ・スパーキーズも思い出したりする。バンドの佇まいもスパーキーズに近いところあり。ギターの音が暴走気味でどぎついファズ音も使うところだけは別だけど。見るのは二回目で前回の印象を覚えていなかったけど、見た時の感想を見返すと、「90年代のひねくれた感じ」「ベックの『オディレイ』に入ってそうな音ばっかり鳴らすギター」って書いてあったんで、今日のにも共通する感想だと思います。

4/11-15

4/11火
@KDハポン

千野秀一 & Hui-Chun Lin meets NAGOYA EXPRESSION SYNDICATE[臼井康浩(g)牛田牛蔵(g)奥堀博史(b)武田信吾(sax)小林裕尚(b.cla,sax)榊原芳浩(perc)]
前半2、後半3の全部で5セットの組み合わせ。最初は千野+Lin+臼井のセット。千野さんは足を組んで椅子に座って、軽いタッチでピアノを弾き出す。適当に弾いているようにも見えるけど、すごいプレイだとも思ってしまう。すぐに消えてしまいそうな空気みたいな音。Linさんはチェロで、時々はボーカリゼーションな声も。途切れ途切れに弾いたり、棒で弦やエンドピンとかも叩くのは即興演奏っぽいけど、チェロでの通常の弾き方をすると一瞬で曲に近づいてしまう印象。臼井さんの、絶対に曲にならないギターの弾き方に比べてしまうと。臼井さんは相変わらずの独自なプレイでした。途中全員で一斉にうるさくなったりとフリージャズな時もあり。千野さんが鍵盤の手前のピアノのボディをデコピンして音出していたのも印象的。次の組み合わせはLin+奥堀+武田。武田さんの細かいサックスの音で幕を開けて、他の二人は空間的に鳴らす音。途中からLinさんがまた曲に近づくような通常な演奏に変わると、武田さんのサックスも伸びを出すようになる。奥堀さんはベースの弦にバネを付けて引っ張ったり、そのバネを棒で叩いたりと面白そうことも試していたけど、他の二人に比べると探り探りな演奏に見えた。一旦休憩が入って、次のセットは千野+臼井+奥堀+武田。このセットはあんまり記憶に残らず。多分これまでに見ているセットからの、個人の印象は変わらず。千野さんが右手の親指で黒の鍵盤だけ弾いてる時があったのは、このセットだったかな。次に牛田+奥堀+武田+小林+榊原の地元組セット。牛田さんは臼井さんに似た切り口なプレイ。小林さんは吹きまくるバスクラとサックスで、他の楽器との兼ね合いか、結構目立つ音だった。榊原さんは流れるように叩くドラム。今回の地元組は多分初めて見る人ばかりだったけど、Linさんとのセットでの良い印象もあってなのか、ここでも気になったのは武田さんでした。最後は千野+Lin+牛田+小林+榊原のセット。牛田さんがマイクロふとしやneco眠るを感じさせる音色で緻密なフレーズを弾いてたら、途中千野さんが立ち上がって周りを見出したんで、何するんかな~と思ったら、手の中に収まる位の小さな笛を吹き出したのが面白かった。ギターがああいう音を出してたら、ピアノはいらないって判断なのかな。その後もさっきよりは少し大きいフックみたいな形の笛も吹き出す。楽器のチョイスも面白い。最後の方の、座りながら椅子の位置を調整するように少し動かす時の引きずる音も使おうとしているのかな、と思う程何でも使いそう。Linさんも最後の方はチェロを弾くのを止めて、台湾語?のメロディーを歌い出したり、榊原さんが用意していた色んなおもちゃや小物楽器をカチャカチャ鳴らしながら踊ったりもする。場を壊しているように思えるけど、逆に目指す方向が一致するようになって、良い演奏になっていました。
__________

4/12水
@得三

上野茂都+伴瀬朝彦と別天地楽団[伴瀬朝彦(g.p)牧野琢磨(g)イトケン(perc)服部将典(b)見汐麻衣(cho)松石ゲル(ds)]
バンドメンバー全員でスタートして、まずアルバム曲順通り「春を尋ねて」「あめもよに」。音源とは参加メンバーも楽器の違いもあるけど、まだバンドとしての良さは分からず。次に「ナイガシロ東京」「アナドラレナイト」「スギナミインジャネスカ」と歌謡曲を続ける。南米で流行って欲しいという「スギナミインジャネスカ」の中盤からは音源のアレンジとかなり違っていて、強くなったラテン色が格好良い。ゲルさんがこういうビートを叩くのを聞くのも久しぶりだけど、似合っています。この後、一旦リズム隊は捌けて、上野+伴瀬+牧野+見汐の編成。ここと後半最初の編成での曲がごっちゃになってるかもしれないけど、ここでは「しりきれ蜻蛉」「お椀で食べたクリームシチュー」を演奏。「お椀で食べたクリームシチュー」では見汐さんがソロでもボーカルを取るときがあって、まんまだけど埋火みたいな歌い方でした。一旦休憩で、後半は上野+伴瀬+服部の小編成でスタート。上野さんはガットギターを演奏。この時は「疎遠になりけり」など三曲位。アルバム「別天地」収録曲じゃないのもやってたはず。この時の「次の曲はラブソングです。自分もいつまでも、キャベツの芯を~、みたいなことを歌ってても…」っていうMCがめっちゃ面白かった。本人はそう思っているんだな。ラブソングと言いつつも上野さんらしさが残っている曲でした。で、バンドメンバーが全員戻ってきて、続きの演奏。上野さんもこの時一旦捌けたのは、前半後半で着替えるつもりが忘れていたので、その着替えの為。シャツが白から赤に変わってました。めでたいイメージらしい。続きの演奏は「瓢之唄」「一幕の夢」「ありきたり慕情」。「ありきたり慕情」では、また見汐さんがソロボーカルを取る。やっぱり埋火。あと、どの曲かは忘れたけど、牧野さんのギターがスカムっぽく鳴らしているように聞こえたのが良かった曲もあり。最後は「鶴と亀」。この曲のアレンジ秘話もあって、上野さんは「鶴と亀」とちゃんと曲名を伝えて、伴瀬さんも言葉として分かっているのに、アレンジする時には何故か「うさぎと亀」をイメージしていて、だからピアノでピョンピョン跳ねるみたいな音になっているとか。確かにそんな風に聞こえます。アンコールはまず「ナイガシロ東京」、Wアンコールでは「鶴と亀」をもう一度。「鶴と亀」の「やがて風に乗る やがて風になる」の部分の気持ち良さは、バンドで味わうのが良さそうです。
__________

4/15土
@鑪ら場

ギターうなぎ
1曲目は23歳の頃を歌った曲。ちょっとフォーク色が強くて、今までにない感じ。その後、こたつみかんの曲、「ブルーギル」「たまごのゆめ」など、知っている曲も続く。いくつかの初めて聞く曲を聞いていると、途中から野村麻紀さんみたいなギターの音にも思えてきて、最初の曲での印象も加わって、フォーク色が強くなっているのかなと思いました。まだまだ見てみたい人です。

ハルラモネル
ざらついたフォークの男性SSWで、ロックバンドからフォークに移った感じの曲調。歌詞は現代っぽくて、「中島らもは昔の人」みたいな歌詞がずっと残ってたけど、今思うと笹口騒音ハーモニカみたい。その後のアルペジオを使う曲が始まると、上手くやってるな~って感想になる。演奏が始まる前の、20秒位のネジレとキレイの中間みたいな印象(ギターだけだったのか、少し歌ってたかは覚えてないけど)が一番良かったです。

ハンカチーフス
しっとりとした熱のあるポップスバンド。ボーカルの人の見た目が中学生みたいで、フレッシュさじゃなくて演奏力が中学生バンドみたい。あんまり面白みは感じられず。

わたなべよしくに
1曲目は初めて聞く曲で、それ以降「燕」「でもでもでもでも」(この曲はライブで聞くのは初めてかな、昔のバンド録音でのCD音源よりも格好良い)、咳をする曲、「カッパへ」、多分前にも聞いたことある新曲、最後は「8月の初め、南の夜空」。アンコールはいつもの「まだすんのかよ」な小芝居があっての「やめるよ」。知っている印象からは変わらなかったけど、お客さんの反応もちゃんとあって良かったです。あと、やっぱり韻の踏み方が面白いんで(特に「燕」)、ラッパーの人が見たらどう思うかも気になりました。

4/6-8

4/6木
Ettと泊@得三

Ett
「楽しや汽車の旅」でスタート。久しぶりに聞くし、途中の渓さんの電車アナウンスも久しぶり。曲の最後の方には「春が来た」とかの童謡を色々交える。当日の得三の飾り付けの桜が今池ダイソーでは売り切れてたんで、さゆりさんの地元で買ってきた話の後、季節がら「鶴舞公園」「アマドコロ摘んだ春」と春の歌を続ける。その後に「ワルツ」。何度も聞いている曲なのに、最後の「弧を描いてゆく」の部分にすごくぐっときて、ここの歌詞すごいな~と思ったら、次の「幾千の小さな屋根のその下で巡る季節 雨を待ち光を待ち泣き笑い星である」で一字一句全部すごいと思いました。ライブだと時々こういう、急に気に入る感覚があって、そういうのも好きです。次は去年の名古屋市主催のやっとかめ文化祭でも披露した「チャコちゃん」みたいなタイトルの昭和っぽい曲。チャコちゃんの朝起きてから学校までの一日を歌っていて曲も長め。さゆりさんは子供が歌っている感じの声を作っているので、みんなのうたに使われても似合いそう。途中のお母さん役での渓さんの台詞もあり。その後、泊のメンバーも好きだという「柳の手」をやって、最後は「明日の行方」。最近はEttとしてのライブを見る機会が少なくなってるけど、珍しいセットリストのように感じました。


武村さんはいつもの小ぶりなエレキギターを使わず(隣にはずっと置いてあった)、全編ガットギターでの演奏。今まで武村さんのギターが褒められているのを何回か聞いたことがあっても、いまいち共感できなかったけど、今日のライブで武村さんのギターの良さに初めて気付く。色んなフレーズが盛り込まれているし、どの角度から来てもオッケーみたいな演奏。単純にガットギターだったせいか、直前に見た渓さんとの共通項も感じてしまう。参助さんとのMCでのやりとり(Ett「柳の手」の始まりの歌詞に対する考え方とか)も面白かったです。セットリストは泊の音源を持ってないんで、どの曲かは分からないけど、知っている泊の印象な曲がやっぱり多く、最後のマルゲリータの曲は特に印象に残る。途中には、最近出た「バロン吉元 画侠伝」のテーマ曲や、前回の得三でのイベント『「わたしこのごろ変なのよ」 ~これが元祖だ!エロ・グロ・ナンセンスとエロ歌謡の世界!~』からの「モガモボ・ソング」「モダン五人娘」「おや!!シックだね」のカバーもあり。あと物販紹介での、武村さんがやっているモダンDJ特選集のカセットテープの紹介で、アジアの変な音楽とかそれっぽいジングル音も入ってるって説明もしたのに、演奏したジングル「モダン~DJ~特選集~」のメロディーが、スティービー・ワンダーの「I Just Called to Say I Love You」だったのが面白かった。泊が終わるとEtt+泊での演奏が始まって、Ett「春の雨」と泊の曲も何曲か。同じ楽器編成で、音楽性にも通じるものがあるので、本当に相性はばっちり。渓さんと武村さんのお互いの曲に自然と馴染むようなギターは、聞いていて心地良い。武村さんのトレモロ奏法もすごく良かった。アンコールはEtt「愛の砂嵐」ともう1曲泊の曲。最後のフレーズを張り合うように続ける渓さんと武村さんも面白かったです。
__________

4/8土
Pop'n Dhole@UNLIMITS

GOETAF
hiroponsひろぽんさんの新バンド。メンバーも一新してて、Gt+Vo,Ba,Dr,Gt+Synthの4人。hiroponsの「B」「醒めない悪夢」もやってたりとhiroponsからの地続きな部分も感じるけど、スラップべースなバキバキ音とドラムの間からは違う雰囲気も感じる。特にシンセでの緻密な音と、ドラムの人が鳴らすサンプラーでのリズム音は、hiroponsのリミックスみたい。最後の轟音を途中でぱっと消す演奏が一番印象に残りました。

ODA takumi
知っている印象からはあまり変わらず。最初の方はうねりのある音を鳴らしていて、途中からギャンギャン鳴るノイズらしいノイズに変わる。その後は一旦静かになって、また激しいノイズ、最後はフェードアウトで終了。板の上にバネを付けた自作な楽器も使ってて、そのバネにマイクを押し付けたり擦ったりして、ノイズを出す。そのバネと板の間にマイクのケーブルが通った時に、状況をきちんと判断して落ち着いて直す対応がオダくんっぽかった。

ANTONIO THREE
岬さん抜きの三人での演奏。そのせいなのかは分からないけど、結構グダグダで、黒川さんのタイミングの暴走が一向に修正されない感じ。後半の、安田さんの「しっかりやろうや~」なMCからは大分良くなった気はする。曲をよく知っている訳ではないけど、ライブハウスな音だと歌詞が聞き取れなくなることも分かりました。

Crushed!?
アメリカのバンドでツインギターな5人組。いつまで経っても売れてるアメリカのロックで、ヘヴィ・ロックとかエモも混じってる音。黒人ドラマーのバンドにそぐわない音圧や間には少し面白さがあったけど、3,4曲聞いたら、これ以上聞いても好きにならないとか、今帰ったら買い物に行けるとか思い始めたんで、途中で帰る。

4/1-4

4/1土
FromNowOn逍遥遊@鴨江アートセンター101

The Strollers
今回はNARCOの二人、NObLUEさん、フルフラットのカズオさん、仙波さんの5人。全編即興演奏で、ヒロアキさんがモジュラーシンセだったりで新しい楽器の導入もあったけど、感覚としては今まで見てるThe Strollersと変わらず。仙波さんのドラム缶を横に倒したバスドラと、水を入れた大きな洗面器に升を浮かべてそれを叩いたりしてたのと、早い段階からギターをお客さんに預けて、叫んだりしているカズオさんが印象的。返してもらったギターのストラップを外して、縦にしたギターのネックを握ったり放したりして、抑えるコードを変えていきながら弾いていたのも良かったです。後半、響子さんはダクソフォンを演奏したりもする。

マイクロふとし
9年振りに見るマイクロふとし。思っていたよりもポップな要素は少なく、オシロスコッティさんからは可愛らしい音が聞こえてきてたけど、森山さんと栗山さんの音は意外とハードに鳴ったりする。森山さんはサンプラー?でサックスや咳の音などを使用。そんなに悪い演奏ではなかったけど、CDをよく聞いてるせいか、曲に中々ならない展開に自分の期待していたものとのズレがありました。

内橋和久
マイクロふとしが終わって転換なしに、すぐにギターを持って演奏を始める内橋さん。可愛いらしさはなかったけど、マイクロふとしからの流れにある演奏で、先輩が後輩以上の演奏を見せつけて、さすが!って言わせているよう。エフェクターのフェーダーを目盛り最大までガツンガツン当てながら使う感じも格好良い。展開もいちいち速くて、ループを使ってのリズム・パターンが出来そうになっても、すぐにそれを捨てて次の展開へ移る。ライブ前の内橋さん講師による即興演奏ワークショップも見学してたけど、その中での次の音を思いつく・反応する速度についての発言を証明しているかのようなライブで、頭の中での切り替え速度がとてつもなく速いんだろうな~と感じる。このギターでのソロセットが本日のベストアクトでした。その後、内橋さん含む出演者のくじで決まった即興セッションを3組。最初は森山さん+栗原さん+仙波さん。森山さんはダクソフォンを使ってたけど、マイクロふとしの二人はさっきのライブでのような激しめな音で、仙波さんも叩きまくる演奏。次に響子さん+ヒロアキさん+オシロスコッティさん。響子さんはエレクトロニクス(ダクソフォンも使ってたかも)、ヒロアキさんは声をスキャット的にも使うけど、時々は言葉も入れる。さっきのマイクロふとしでのライブの時には目立たなかったけど、オシロスコッティさんからの可愛らしい音を改めて確認。最後は内橋さん+NObLUEさん+カズオさん。内橋さんはここではダクソフォンで、NObLUEさんはThe Strollersの時みたいなスキャット多めな声。カズオさんは(あんまり褒め言葉にならないけど)意外と即興演奏っぽいギターを弾いたり、エフェクター蹴っ飛ばして抜けたシールドのプラグでノイズ音を出したりする。最後の方の終わりそうな流れでも続けて演奏しているカズオさんの姿にブレの無さを感じました。セッションの後は内橋さんギター+マイクロふとしの演奏で、互いにハードな演奏。最後にもう一度内橋さんソロでの今度はダクソフォンの演奏。ダクソフォンのタングを叩いたりで打楽器的に使ったりもする。ダクソフォンの音は何回か聞いてるんで新しい発見はそんなになかったけど、最初の方のギターでのソロセットの展開の速さに比べると、タングを変えたりする分どうしても時間は掛かるんで、その辺りはどう思っているのか気になりました。違う楽器なので、別の考え方になるのかな。
__________

4/2日
東京のともだち@KDハポン

ログメン
電気ドリルみたいな工具や、新しいアイテムのお互いが叩けるシンバルも使ってたりしたけど、全体としては知っている印象からそんなに変わらず。多分「New Shoes」って歌ってた曲と後半もう1曲でのアーバンなKeyの音色からは、非人間的に思えるログメンがアーバンな方向に進んでいるっていう不思議な感覚を持つ。サンドイッチの曲と、良い曲だと感じたの(なんとなく「島」な気がする)は前にTRIOLLIでもやっていたのと同じ曲なのかな。「ステイルメイト」はやっていました。「花粉症の薬は何使ってる?」のMCで、ストナに反応している杉山さんが面白かったです。多分ストーナー・ロック的な意味だと思う。

カタリカタリ
1,2曲目に「向こう側」「男と女」が続いて、その後小倉さん、長瀬さんが歌う曲もする。そういえば河合さんのソロ、しょうにゅうどうは最近も見ているけど、カタリカタリとして見るのは久しぶり。小倉さんってあんなに変な感じの人だったんだな。頬をポコポコ鳴らす曲は知ってたけど、「そーれ、そーれ」って歌う曲での最後の下がり気味な「そーーーれ」とかも面白かった。芋焼酎を飲んだとかで軽い酔っ払い状態だったみたい。他にはわさびの曲、「ロドリゲス」など。「ロドリゲス」は義朗さんの「イルミネーション・ゴールド」をコントラバスでカバーしようと弾いていたら出来た曲だそう。終盤、河合さんがバイオリンベースを弾いて、小倉さんか長瀬さんかは覚えていないけど、アコギを簡単なストロークで弾く曲では、初めてカタリカタリを見た時(その時もハポン)にソニック・ユースっぽく感じたのを思い出して、それはバイオリンベースでの音のせいだったのかな~と思ったりする。最後は「夢の続きを見せてくれ」って歌う、曲の最後に弦楽器が三重奏になるきれいな曲。この曲にもカタリっぽさがあって好きです。

厚海義朗
ガットギターによる弾き語りで、ボサノバな曲と、そうでない曲。2曲目か3曲目の非ボサノバな曲が、メロディーもきちんとあってポエトリーでもないけど、弾き語りの「語り」の部分が強いと思った。多分歌詞の印象が残ったせいだと思う。終盤は歌詞もポルトガル語なボサノバのカバーを何曲か。お客さんで来ていた角田さんが口笛で全曲合わせていたのが良かったです。最後に「カタリカタレ」みたいなタイトルの、カタリカタリのオマージュな曲。アンコールは日本語詞を義朗さんが付けた、GUIROでも演奏しているという曲。GUIROに詳しくないんで、何の曲かは分からず。歌詞の感じが確かに高倉さんと違うな~って感想です。
__________

4/4火
伴瀬朝彦ソロライブ@喫茶モノコト~空き地~

伴瀬朝彦
1部はガットギターでの演奏。「展示されている上野茂都さんの彫刻に丸みがあるんで、今日は丸い感じでやります」とスタート。セットリストは「HIGH-HO」「マルカポネラ」「DAM」など。MCも曲終わりの拍手の間も挟まず次々と曲を演奏していく。ちょっと区切りが欲しくなりました。去年伴瀬さんの弾き語りを見た時にはギターの鋭い音が魅力的だったんで、最初の宣言でもあったけど、今回のライブはそういう部分が見えず。一旦休憩が入って2部へ。演奏が始まる前に、上野さんの新譜をプロデュースする経緯などを話す。円盤田口さんからプロデュースを依頼されてから、上野さん伴瀬さんの二人で円盤のライブに出演するようになって、段々とアレンジも出来てきて、10曲位溜まった頃にそろそろアルバムの録音が出来ると伴瀬さんが考えていたところに、上野さんがアルバムは20曲入りにしたいと言い出して、伴瀬さんはがーんって落ち込む。でも円盤田口さんの説得もあって、今回の12曲入りに落ち着いたんだそう。で、ライブの続きは、1部と違って2部はエレピでの演奏。ギターでのスムースな演奏に比べると、エレピでの演奏は、弾く間のせいか、どこかたどたどしく見える。後半、鳴らす音をいじってふんわりとしたサステインのある音にすると、たどたどしさは見えず普通に聞こえるようになったけど、前半のエレピまんまの音でのたどたどしい演奏の方が、新鮮で好みでした。終盤にはまたギターに戻って、まず上野さんのカバー「あめもよに」と「ありきたり慕情」の2曲。両方とも伴瀬さんの色にはなっていたけど、Ettも歌う「ありきたり慕情」を知っている身としては、Ettのカバーの方が良いと感じてしまう。でも「ありきたり慕情」はすごく好きな曲なんで、伴瀬さんにもこれからも長く演奏してもらって、曲を育てていって欲しいと思います。最後は「カリハラのうた」など自作曲で終了。伴瀬さんもすごく宣伝していたし、4/12(水)上野茂都+伴瀬朝彦と別天地楽団@得三にはみんなで行きましょう。

3/28-31

3/28火
上野茂都の三味線ぷちライブ@喫茶モノコト~空き地~

上野茂都
新譜はバンドスタイルだけど、今回のライブは一人での三味線の弾き語り。前半~中盤の浪曲みたいなのは、これまでに見てる上野さんらしい曲だったけど、「型落ちブルース」「外食無情」みたいなクスクス笑える曲はあまりなく、印象に残ったのはイカの塩辛の曲のみ。展示している彫刻の話からの、美術大学で非常勤講師をやっているとか大学時代の教授のエピソードの方が面白かったです。最後の方は新譜より続けて「瓢之唄」「鶴と亀」など。「瓢之唄」はひょうたんは酒が入るとまっすぐ立つけど、人間はその逆といった内容。昔組んでた上野さんのバンド(つれれこ社中なのかな)での初ライブが高田渡さんの前座だったらしく、「瓢之唄」も渡さんに歌って欲しかったそう。モノマネっぽく少し歌ってたけど、確かに似合いそうな曲です。今回のぷちライブは10曲+アンコール1曲だったんで、本番は4/12@得三にて。
__________

3/29水
@KDハポン

tohoho
Gt+Voの人のギターがウクレレ位の大きさのミニギターになってて、やっぱり変なバンド。ギターソロもそれでするし。曲の印象はこれまでと変わらないけど、前から感じている上手くないメロディーの乗せ方が、昔対バンで見ている影響なせいもあると思うけど、タケヤリシュンタさんのようなアシッドフォークのメロディーの一部分だけ取り出して上手く組み立てていないように感じて、それでいてバンドの個性になってるのがすごく良い。曲中でシンバルしか使わない曲では、ツインドラム時代のスティーブジャクソンを思い出したりもしたし、すごく面白いバンドだと思います。

スティーブジャクソン
1曲目は「ミルクと牛乳」。濱田さんが最初の方から後半みたいなギター弾いてたけど、最後の方もちがう後半みたいなギターを弾く。次は「the end of 夏の終わり」。いつも通りな演奏だったかもしれないけど、鈴木さんのイントロのスネアの叩き方で、昔めっちゃ感動したことがある「R.F.G.T」のシンバルの叩き方を思い出して、同じ人が叩いてるんだな~と甦るものがあって良かったです。ヒジリさんのシンセは今日もよく鳴っている。次は「I Saw Her Standing Her Nowhere」。濱田さんはギターをワウとか使ってシンセっぽく鳴らす。この曲でそう感じたのは初めてかも。次は「Don't Trust Under 23」。シンセもギターもドラムもベースもカタルシスを感じさせる演奏。次は久しぶりな「ギター」。かなりアレンジが変わっていて、カッティング多めな濱田さんのギターはギターポップっぽく、金魚注意報みたいでもある。モモジさんのメロディーも少し変えてて、ちょっとtohohoっぽく上手くないメロディーの乗せ方。最後は「つめあと」。ここ最近のアレンジだと思うけど、濱田さんが途中でガガガッて連続で入るところで、スティーブジャクソンがNOBIROCKで四日市ケイオス出てた頃の「そっとわれにかえる」のドリルンベース位速く感じたモモジさんのベースを思い出したりもしました。

佐藤幸雄
最初に少しギターでループ作った後に、「ポップミュージック」。第一声の「ポ」の破裂音からして強烈な印象で始まる。その後も「説明」「きみのことすきじゃないんじゃない」「ここへきてはじめて」「ブルーカラー」など、力強い曲が並ぶ。一人での演奏なのにバンドみたいなテンション。車の曲での「動かない方に壊れている、止まらない方に壊れている」の言葉のセンスも本当に良い。最後の方にもう一回ギターのループを使用してたけど、小作品な音の鳴り方がMinus the Bearみたいにも思えて、それも良い印象。最後のDavid Bowie「Five Years」も原曲に近い日本語カバーっぽかったけど、佐藤さんらしさを感じさせる楽曲でした。アンコールは「役にたってる感じ」。
__________

3/31金
平日の習作@KDハポン

鈴木悦久
電子機材をテーブルに並べてノイズを鳴らす。最初の方はモスキート音みたいだったけど、すぐに激しい音に変わる。少しフレーズも散りばめられているようで、ライトニング・ボルトのベース音を思い浮かべる。そのノイズを長く続けて、途中からはmimiZでも使ってるカリンバを鳴らす。さっきまで鳴らしていたノイズ音はフェードアウトして最初のような薄いモスキート音に変わる。カリンバはループさせて使っていて、元々楽器自体の音も不思議な残響があるけど、ずらしたループでレイヤーを作っているように思えた。そのカリンバのループを継続させての、また激しめなノイズに戻す。この激しめなノイズが最初と同程度だったかは分からないけど、カリンバのループと同時に聞くとさっきよりも柔らかく聞けたんで、同じ音を流れの中での別の音に変化させる意図があったように感じられたのが良かったです。

やかんおきば
公園の西村さんによる一人芝居。精神病院?に入院しているコピーライターが一般社会に戻っても上手く行かず、競艇での当たり券を換金しようとしても偽造してるだろうと疑われて、駆け付けた警官と揉める。精神錯乱なせいか、換金額も最初1800万円だったのに、計算違いで実は180万になったのを落ち込んで、警官と揉めた後に更に18万だとに気付いて、たった18万の為にあんなことを、、、みたいな話。話には原作があって蛭子能収の「神経科のコピーライター」。後で原作を見せてもらったけど、設定も登場人物、台詞も原作のまま。西村さんの芝居の中では分からなかったけど、漫画の中では警官と揉めて、最後は警官の舌を引き抜くグロい絵柄。警官に抑えられている時の「放せよ!」の声がやけにリアルでした。

三宅ヤスコ
マシーンが占領している未来で、ヤスコさんはバスの中で怪しい人物(多分レジスタンス)を目撃した可能性があって取り調べられている設定。100年前にはバーチャルじゃない野良犬や猫がいたのなんて信じられる?といった世界観です。ヤスコさんと取り調べてるおじさんとの会話劇で話は進む。ヤスコさんはセイラ・ヤマノウエって人物で、取り調べのおじさんがミスター・スミスだったんで、最近のヤスコさんの芝居に出てくる時空刑事みたいな人物なのかと思ったけど、そうではなさそう。話の流れはなんとなく分かるけど、人物設定とか他の人物の絡み方が難しく色々混乱もする。途中で一度芝居はストップして、今回のイベントは習作がテーマなので、ここまでの芝居に対する意見(人物設定がわかりにくい等、モモジさんの意見だったのかな)をヤスコさんが読み上げる。その後、芝居の動き・声からヤスコさん私物のコンピュータに続きを決めてもらうことにする。ヤスコさんがレジスタンスなのかを「YES or NO」で質問すると、答えは「YES」。その後はヤスコさんが実はクローンだったか何かで初期化されて終わり。終演後、モモジさんに「NOの方の続きをしてたね」と言われて、ヤスコさんはテンション高く反省していました。

箕浦
最初は尺八とギターの音源を流して踊る。作ってる顔も含めて歌舞伎の女形な動き。その後は雅楽的な音で踊って、次に有名な歌人や詠み人知らず、新聞への投稿みたいな和歌を詠み出す。あらかじめ録音したロボット声での和歌も流してもらってて、自分の声とロボット声が重なった時は卒業式みたい。ロボの方に先に詠まれるみたいになってた時は面白かったです。その後もお客さんにも紙に書いた和歌をいくつか詠んでもらって、最後はプラネタリウムみたいな映像を流して、またその中で踊る。統一感がなく、あんまり焦点も分からなくて、こういうのこそ習作で、これからブラッシュアップしていくのかなと思いました。