お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

10/31-11/5

10/31月
ふたりの風の歌@空色曲玉

渡辺勝と竹田裕美子
普段勝さんは松倉如子さんとのおまつとまさる氏で見ることが多く、今回の竹田さんとのDUOは、竹田さんも歌う時あったけど伴奏が多く、勝さんソロのライブに近いイメージ。童謡の「ちいさい秋みつけた」で始まって、その他アーリー・タイムス・ストリングス・バンドや高田渡さんの酒の曲など。知ってる曲はおまつとまさる氏でも聞いたことのある「僕の倖せ」「あなたの船」(竹田さんが歌う)、「ハッティ・キャロルの淋しい死」。あとは最近レコード会社から見つかった「FADELESS」収録の曲。勝さんの歌を改めて聞くと独特な声と歌い方が好き嫌い分かれそうとは思ったけど、曲の良さはすごく感じられて、作曲家としての仕事があったのも納得。他にもどんな曲を書いてるのか音源が欲しくなる。竹田さんは今回のライブだけだとあんまり良さは分からず。松倉さんがいない分、勝さんがMCでよく喋っていて、昔のレコーディング時のエピソードなど興味深い話が多かったです。

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11/2水
大宇宙祭~大宇宙卵来阪@BEARS

巨人ゆえにデカイ
和田さんのドラムは今までと知っている印象と同じだったけど、水内さんのギターがペナペナと壊れ気味に鳴ってるのが初めての感覚。見るのが久しぶりだったんで、今はこんな音になっているのかな。中盤は踊れるグルーヴが少しあったけど、全体としては少なめ。和田さんがタムを和っぽいリズムで叩いた時にフリージャズにも感じた瞬間があって、それが一番良かったです。

EXPE(from PARA)
最近Dufiで見たセットと変わらず、エレキGtとエレガットGtに、バスドラとハイハットの音がするペダルを使用。やっぱりペダルを両足で使っているときは上手くなかったけど、右足のみ使ってのバスドラ+エレガットGtでフレーズ弾いてる時は良くて、ずっと聞いていられる感がありました。

宇宙卵
女性の兼ボーカル含む三人のギタリストで、エフェクターを使っての落差のある、うるさい音楽。ちゃんとそれぞれ低音のフレーズ、ポコポコ鳴らすなど役割もあり。沖縄のバンドなんで、ループとかは使ってないけど、石原岳さんみたいなギターミュージックのシーンがあるのかなと勝手に思う。3曲で終わって今日のイベント早く終わったな~とか思ってすぐ帰ったけど、この三人では宇宙卵で、多分この後メンバー増えての「大」宇宙卵があったっぽい。全然気付かなかった。

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11/3木
東アジア文化都市2017プレイベント@ロームシアター京都 ロームスクエア

オーケストラKYOTO!
大友良英さん指揮による一般人参加のオーケストラ。参加者が使用するのはサックス・トロンボーンの管楽器、バイオリンやギターの弦楽器の他、なべ・やかん、そろばんとか。最初どの楽器始まりかを指示して、そのフレーズ・リズムにみんなで入ったり、管楽器だけ・弦楽器だけ等の指示があったりする。途中で指揮者も参加者(主に子供)に任せたりもする場面もあり。すごく踊りながら指揮している子もいてて、その子は音遊びの会のメンバーらしく、演奏者に向かってオッケーマークを手で作ったりしてるのも憎たらしいほど格好良かったです。お客さんで来ていた、かえるさんaka細馬宏通さんも指揮者として参加。音を段々と大きくするときの顔の表情とか飛び跳ねている姿で、指揮者が似合う人だな~と思いました。音楽としては、前に見たトラベルムジカみたいなワークショップ演奏の延長線上にあるものだと思うけど、こういうイベントは今の大友さんの音楽的な立ち位置からすると、すごく良いことに思える。イベント終わりに空に虹が見えて(演奏場所は野外)、良い雰囲気になってる時に、子供の「雨降るんかな」みたいな正直な意見に対して、大友さんが「水を差すようなこと言うなよ~」みたいな突っ込みを入れてたのもすごく良くて、学校の先生みたいでした。

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11/4金
SELECTED by No Schools Recordings@外

dakim / Fumitake Tamura (Bun)
暗くて見えなかったけど、dakimさんは電子楽器?で、手元が鍵盤を弾く動きの時もあり。他にもターンテーブルを使ってなのか生音でR&Bの音源を鳴らしている時もあった。Tamuraさんはラップトップで、最初は虫の声みたいな音で、途中からはノイズではないけどハーシュな音。ビートもあったけど、発生したり消えたりとか飛び散ってる印象で、それはdakimさんの紹介文に書いてるビートに近い気がした。

Species pluralis
宇波拓さんとJarrod FowlerさんのDUO。宇波さんは光当てると音が出る装置を発振音にエフェクトのツマミをいじる。Jarrodさんはラップトップ。小さい音と微弱なビートが終始続いて、最後の方はJarrodさんがアメリカンクラッカーみたいなおもちゃ?とカセットテープのレコーダー?(両方とも見えた印象)を持って、客席をウロウロ。でステージに戻ってからも演奏は続いたけど、Jarrodさんの方からかすかに聞こえてきた、揺れているテープの回転音みたいな音がすごく良くて、今までの微弱な音は全部この音を聞かせたい為の振りみたいにも思えた。

popo
最前列で見たんで、意外と大きい生音に驚く。始まる前のリハの音合わせ時に山本さんと江崎さんが同じタイミングでトランペットに口付けた時、すごっ!と思ったけど、演奏は鉄壁のアンサンブルとかでなく、少しズレがある感じ。演奏のズレに比べると、曲が良いと思った。渡辺勝さんと竹田裕美子さんのライブ見たときに近い感覚。和っぽいメロディーに思ったインドネシア?の曲と、低音の中を泳いでいるようなキタさん山本さんのオルガン・シンセの曲が特に良かったです。

dakim / Jarrod Fowler / 大蔵雅彦
dakimさんとJarrodさんはさっきと同じ楽器。dakimさんはアナログシンセ?のシールドを差したりして、固い音のビートを作る。普通なビートも鳴ってたけど、それはもしかしてJarrodさんなのかも。Jarrodさんは声みたいなサンプリング音を流していて、大蔵さんはそのサンプリング音を聞きつつ、丁度良い箇所にクラリネットを入れている感じ。後半は3人の音がそれぞれ良い具合に混ざり合っていて、即興演奏の良いライブが見れた感覚。

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11/5土
なごやかなおさかなの情熱@para-dice

風の又サニー
前のブラジルで見た時よりまとまった音に聞こえて、楽団ってイメージが強くなった。今回見るのが2回目だったけど、ガタガタ運転な演奏は常にできるんだな。難しそうだし、何故かちょっと怖いとも思った。最初のインストの2曲が良かったです。

ケバブジョンソン
「アラビア」での、歌のメロディーをギターソロにしてまた元のヴァースに戻るという、ロックのフォーマットから全くはみ出していないのに、この化け物みたいな格好良さは何なんだろう。それでいてポップス的でもあって、どれかは忘れたけど、キテレツ大百科のOPに使えそうだと思った曲もあった。新アルバムから曲が多く、初めて聞くのもあったけど、どれもケバブらしさを感じる曲で、「窓」「ソン」「加速度」「アディオス午後」など。以前のアルバムからは「KING OF DRUK」「ひとりであそぶ」(フリーキーで壊れ気味なギター演奏で、最後こけてた)、「ガレスピー気分」。あと簡単にやってたけど、アルバム紹介の曲ですら格好良かったです。

THE PYRAMID
1曲目はタイトル知らないけどよくやってる、「そこに何があるのか~」って歌う楽しげな曲。次に「STAR STAR」「インカ帝国」と続いて、デミタスコーヒーの曲。この曲は角田さんソロで聞いてtomoyoさんと一緒に歌えば良いかも、と思ったけど、フルートの入り方がすごく良い感じで(今回はJr.さん抜きの4人+紘子さん)、更に途中のゴローさんの高い声のコーラスもTHE PYRAMID的なおかしさに拍車を掛けていて、後半の変な展開も含めて、これはTHE PYRAMIDでの曲だなと思いました。でメンバー紹介の後「サニーサイド」、モノマネコーナー、平成天皇の曲紹介で「zujaja族」。途中のオペラみたいなのは無くなったのかな。前は曲の途中で角田さんがゴローさんに無茶振りしていたことも思い出す。「zujaja族」の後は、間髪入れずに最後の「翼が生えたという言い訳」へ。この流れ格好良かったです。アンコールは「GREEN」。THE PYRAMIDを名古屋以外で見るのは初めてだったけど、普通に存在して演奏していることに、特別人気がある訳ではない大阪でライブをやる意味をすごく感じたし、狭いステージで角田さんが紘子さんに何度もぶつかっている姿にもぐっとくるものがありました。