お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

4/1-4

4/1土
FromNowOn逍遥遊@鴨江アートセンター101

The Strollers
今回はNARCOの二人、NObLUEさん、フルフラットのカズオさん、仙波さんの5人。全編即興演奏で、ヒロアキさんがモジュラーシンセだったりで新しい楽器の導入もあったけど、感覚としては今まで見てるThe Strollersと変わらず。仙波さんのドラム缶を横に倒したバスドラと、水を入れた大きな洗面器に升を浮かべてそれを叩いたりしてたのと、早い段階からギターをお客さんに預けて、叫んだりしているカズオさんが印象的。返してもらったギターのストラップを外して、縦にしたギターのネックを握ったり放したりして、抑えるコードを変えていきながら弾いていたのも良かったです。後半、響子さんはダクソフォンを演奏したりもする。

マイクロふとし
9年振りに見るマイクロふとし。思っていたよりもポップな要素は少なく、オシロスコッティさんからは可愛らしい音が聞こえてきてたけど、森山さんと栗山さんの音は意外とハードに鳴ったりする。森山さんはサンプラー?でサックスや咳の音などを使用。そんなに悪い演奏ではなかったけど、CDをよく聞いてるせいか、曲に中々ならない展開に自分の期待していたものとのズレがありました。

内橋和久
マイクロふとしが終わって転換なしに、すぐにギターを持って演奏を始める内橋さん。可愛いらしさはなかったけど、マイクロふとしからの流れにある演奏で、先輩が後輩以上の演奏を見せつけて、さすが!って言わせているよう。エフェクターのフェーダーを目盛り最大までガツンガツン当てながら使う感じも格好良い。展開もいちいち速くて、ループを使ってのリズム・パターンが出来そうになっても、すぐにそれを捨てて次の展開へ移る。ライブ前の内橋さん講師による即興演奏ワークショップも見学してたけど、その中での次の音を思いつく・反応する速度についての発言を証明しているかのようなライブで、頭の中での切り替え速度がとてつもなく速いんだろうな~と感じる。このギターでのソロセットが本日のベストアクトでした。その後、内橋さん含む出演者のくじで決まった即興セッションを3組。最初は森山さん+栗原さん+仙波さん。森山さんはダクソフォンを使ってたけど、マイクロふとしの二人はさっきのライブでのような激しめな音で、仙波さんも叩きまくる演奏。次に響子さん+ヒロアキさん+オシロスコッティさん。響子さんはエレクトロニクス(ダクソフォンも使ってたかも)、ヒロアキさんは声をスキャット的にも使うけど、時々は言葉も入れる。さっきのマイクロふとしでのライブの時には目立たなかったけど、オシロスコッティさんからの可愛らしい音を改めて確認。最後は内橋さん+NObLUEさん+カズオさん。内橋さんはここではダクソフォンで、NObLUEさんはThe Strollersの時みたいなスキャット多めな声。カズオさんは(あんまり褒め言葉にならないけど)意外と即興演奏っぽいギターを弾いたり、エフェクター蹴っ飛ばして抜けたシールドのプラグでノイズ音を出したりする。最後の方の終わりそうな流れでも続けて演奏しているカズオさんの姿にブレの無さを感じました。セッションの後は内橋さんギター+マイクロふとしの演奏で、互いにハードな演奏。最後にもう一度内橋さんソロでの今度はダクソフォンの演奏。ダクソフォンのタングを叩いたりで打楽器的に使ったりもする。ダクソフォンの音は何回か聞いてるんで新しい発見はそんなになかったけど、最初の方のギターでのソロセットの展開の速さに比べると、タングを変えたりする分どうしても時間は掛かるんで、その辺りはどう思っているのか気になりました。違う楽器なので、別の考え方になるのかな。
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4/2日
東京のともだち@KDハポン

ログメン
電気ドリルみたいな工具や、新しいアイテムのお互いが叩けるシンバルも使ってたりしたけど、全体としては知っている印象からそんなに変わらず。多分「New Shoes」って歌ってた曲と後半もう1曲でのアーバンなKeyの音色からは、非人間的に思えるログメンがアーバンな方向に進んでいるっていう不思議な感覚を持つ。サンドイッチの曲と、良い曲だと感じたの(なんとなく「島」な気がする)は前にTRIOLLIでもやっていたのと同じ曲なのかな。「ステイルメイト」はやっていました。「花粉症の薬は何使ってる?」のMCで、ストナに反応している杉山さんが面白かったです。多分ストーナー・ロック的な意味だと思う。

カタリカタリ
1,2曲目に「向こう側」「男と女」が続いて、その後小倉さん、長瀬さんが歌う曲もする。そういえば河合さんのソロ、しょうにゅうどうは最近も見ているけど、カタリカタリとして見るのは久しぶり。小倉さんってあんなに変な感じの人だったんだな。頬をポコポコ鳴らす曲は知ってたけど、「そーれ、そーれ」って歌う曲での最後の下がり気味な「そーーーれ」とかも面白かった。芋焼酎を飲んだとかで軽い酔っ払い状態だったみたい。他にはわさびの曲、「ロドリゲス」など。「ロドリゲス」は義朗さんの「イルミネーション・ゴールド」をコントラバスでカバーしようと弾いていたら出来た曲だそう。終盤、河合さんがバイオリンベースを弾いて、小倉さんか長瀬さんかは覚えていないけど、アコギを簡単なストロークで弾く曲では、初めてカタリカタリを見た時(その時もハポン)にソニック・ユースっぽく感じたのを思い出して、それはバイオリンベースでの音のせいだったのかな~と思ったりする。最後は「夢の続きを見せてくれ」って歌う、曲の最後に弦楽器が三重奏になるきれいな曲。この曲にもカタリっぽさがあって好きです。

厚海義朗
ガットギターによる弾き語りで、ボサノバな曲と、そうでない曲。2曲目か3曲目の非ボサノバな曲が、メロディーもきちんとあってポエトリーでもないけど、弾き語りの「語り」の部分が強いと思った。多分歌詞の印象が残ったせいだと思う。終盤は歌詞もポルトガル語なボサノバのカバーを何曲か。お客さんで来ていた角田さんが口笛で全曲合わせていたのが良かったです。最後に「カタリカタレ」みたいなタイトルの、カタリカタリのオマージュな曲。アンコールは日本語詞を義朗さんが付けた、GUIROでも演奏しているという曲。GUIROに詳しくないんで、何の曲かは分からず。歌詞の感じが確かに高倉さんと違うな~って感想です。
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4/4火
伴瀬朝彦ソロライブ@喫茶モノコト~空き地~

伴瀬朝彦
1部はガットギターでの演奏。「展示されている上野茂都さんの彫刻に丸みがあるんで、今日は丸い感じでやります」とスタート。セットリストは「HIGH-HO」「マルカポネラ」「DAM」など。MCも曲終わりの拍手の間も挟まず次々と曲を演奏していく。ちょっと区切りが欲しくなりました。去年伴瀬さんの弾き語りを見た時にはギターの鋭い音が魅力的だったんで、最初の宣言でもあったけど、今回のライブはそういう部分が見えず。一旦休憩が入って2部へ。演奏が始まる前に、上野さんの新譜をプロデュースする経緯などを話す。円盤田口さんからプロデュースを依頼されてから、上野さん伴瀬さんの二人で円盤のライブに出演するようになって、段々とアレンジも出来てきて、10曲位溜まった頃にそろそろアルバムの録音が出来ると伴瀬さんが考えていたところに、上野さんがアルバムは20曲入りにしたいと言い出して、伴瀬さんはがーんって落ち込む。でも円盤田口さんの説得もあって、今回の12曲入りに落ち着いたんだそう。で、ライブの続きは、1部と違って2部はエレピでの演奏。ギターでのスムースな演奏に比べると、エレピでの演奏は、弾く間のせいか、どこかたどたどしく見える。後半、鳴らす音をいじってふんわりとしたサステインのある音にすると、たどたどしさは見えず普通に聞こえるようになったけど、前半のエレピまんまの音でのたどたどしい演奏の方が、新鮮で好みでした。終盤にはまたギターに戻って、まず上野さんのカバー「あめもよに」と「ありきたり慕情」の2曲。両方とも伴瀬さんの色にはなっていたけど、Ettも歌う「ありきたり慕情」を知っている身としては、Ettのカバーの方が良いと感じてしまう。でも「ありきたり慕情」はすごく好きな曲なんで、伴瀬さんにもこれからも長く演奏してもらって、曲を育てていって欲しいと思います。最後は「カリハラのうた」など自作曲で終了。伴瀬さんもすごく宣伝していたし、4/12(水)上野茂都+伴瀬朝彦と別天地楽団@得三にはみんなで行きましょう。