お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

4/11-15

4/11火
@KDハポン

千野秀一 & Hui-Chun Lin meets NAGOYA EXPRESSION SYNDICATE[臼井康浩(g)牛田牛蔵(g)奥堀博史(b)武田信吾(sax)小林裕尚(b.cla,sax)榊原芳浩(perc)]
前半2、後半3の全部で5セットの組み合わせ。最初は千野+Lin+臼井のセット。千野さんは足を組んで椅子に座って、軽いタッチでピアノを弾き出す。適当に弾いているようにも見えるけど、すごいプレイだとも思ってしまう。すぐに消えてしまいそうな空気みたいな音。Linさんはチェロで、時々はボーカリゼーションな声も。途切れ途切れに弾いたり、棒で弦やエンドピンとかも叩くのは即興演奏っぽいけど、チェロでの通常の弾き方をすると一瞬で曲に近づいてしまう印象。臼井さんの、絶対に曲にならないギターの弾き方に比べてしまうと。臼井さんは相変わらずの独自なプレイでした。途中全員で一斉にうるさくなったりとフリージャズな時もあり。千野さんが鍵盤の手前のピアノのボディをデコピンして音出していたのも印象的。次の組み合わせはLin+奥堀+武田。武田さんの細かいサックスの音で幕を開けて、他の二人は空間的に鳴らす音。途中からLinさんがまた曲に近づくような通常な演奏に変わると、武田さんのサックスも伸びを出すようになる。奥堀さんはベースの弦にバネを付けて引っ張ったり、そのバネを棒で叩いたりと面白そうことも試していたけど、他の二人に比べると探り探りな演奏に見えた。一旦休憩が入って、次のセットは千野+臼井+奥堀+武田。このセットはあんまり記憶に残らず。多分これまでに見ているセットからの、個人の印象は変わらず。千野さんが右手の親指で黒の鍵盤だけ弾いてる時があったのは、このセットだったかな。次に牛田+奥堀+武田+小林+榊原の地元組セット。牛田さんは臼井さんに似た切り口なプレイ。小林さんは吹きまくるバスクラとサックスで、他の楽器との兼ね合いか、結構目立つ音だった。榊原さんは流れるように叩くドラム。今回の地元組は多分初めて見る人ばかりだったけど、Linさんとのセットでの良い印象もあってなのか、ここでも気になったのは武田さんでした。最後は千野+Lin+牛田+小林+榊原のセット。牛田さんがマイクロふとしやneco眠るを感じさせる音色で緻密なフレーズを弾いてたら、途中千野さんが立ち上がって周りを見出したんで、何するんかな~と思ったら、手の中に収まる位の小さな笛を吹き出したのが面白かった。ギターがああいう音を出してたら、ピアノはいらないって判断なのかな。その後もさっきよりは少し大きいフックみたいな形の笛も吹き出す。楽器のチョイスも面白い。最後の方の、座りながら椅子の位置を調整するように少し動かす時の引きずる音も使おうとしているのかな、と思う程何でも使いそう。Linさんも最後の方はチェロを弾くのを止めて、台湾語?のメロディーを歌い出したり、榊原さんが用意していた色んなおもちゃや小物楽器をカチャカチャ鳴らしながら踊ったりもする。場を壊しているように思えるけど、逆に目指す方向が一致するようになって、良い演奏になっていました。
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4/12水
@得三

上野茂都+伴瀬朝彦と別天地楽団[伴瀬朝彦(g.p)牧野琢磨(g)イトケン(perc)服部将典(b)見汐麻衣(cho)松石ゲル(ds)]
バンドメンバー全員でスタートして、まずアルバム曲順通り「春を尋ねて」「あめもよに」。音源とは参加メンバーも楽器の違いもあるけど、まだバンドとしての良さは分からず。次に「ナイガシロ東京」「アナドラレナイト」「スギナミインジャネスカ」と歌謡曲を続ける。南米で流行って欲しいという「スギナミインジャネスカ」の中盤からは音源のアレンジとかなり違っていて、強くなったラテン色が格好良い。ゲルさんがこういうビートを叩くのを聞くのも久しぶりだけど、似合っています。この後、一旦リズム隊は捌けて、上野+伴瀬+牧野+見汐の編成。ここと後半最初の編成での曲がごっちゃになってるかもしれないけど、ここでは「しりきれ蜻蛉」「お椀で食べたクリームシチュー」を演奏。「お椀で食べたクリームシチュー」では見汐さんがソロでもボーカルを取るときがあって、まんまだけど埋火みたいな歌い方でした。一旦休憩で、後半は上野+伴瀬+服部の小編成でスタート。上野さんはガットギターを演奏。この時は「疎遠になりけり」など三曲位。アルバム「別天地」収録曲じゃないのもやってたはず。この時の「次の曲はラブソングです。自分もいつまでも、キャベツの芯を~、みたいなことを歌ってても…」っていうMCがめっちゃ面白かった。本人はそう思っているんだな。ラブソングと言いつつも上野さんらしさが残っている曲でした。で、バンドメンバーが全員戻ってきて、続きの演奏。上野さんもこの時一旦捌けたのは、前半後半で着替えるつもりが忘れていたので、その着替えの為。シャツが白から赤に変わってました。めでたいイメージらしい。続きの演奏は「瓢之唄」「一幕の夢」「ありきたり慕情」。「ありきたり慕情」では、また見汐さんがソロボーカルを取る。やっぱり埋火。あと、どの曲かは忘れたけど、牧野さんのギターがスカムっぽく鳴らしているように聞こえたのが良かった曲もあり。最後は「鶴と亀」。この曲のアレンジ秘話もあって、上野さんは「鶴と亀」とちゃんと曲名を伝えて、伴瀬さんも言葉として分かっているのに、アレンジする時には何故か「うさぎと亀」をイメージしていて、だからピアノでピョンピョン跳ねるみたいな音になっているとか。確かにそんな風に聞こえます。アンコールはまず「ナイガシロ東京」、Wアンコールでは「鶴と亀」をもう一度。「鶴と亀」の「やがて風に乗る やがて風になる」の部分の気持ち良さは、バンドで味わうのが良さそうです。
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4/15土
@鑪ら場

ギターうなぎ
1曲目は23歳の頃を歌った曲。ちょっとフォーク色が強くて、今までにない感じ。その後、こたつみかんの曲、「ブルーギル」「たまごのゆめ」など、知っている曲も続く。いくつかの初めて聞く曲を聞いていると、途中から野村麻紀さんみたいなギターの音にも思えてきて、最初の曲での印象も加わって、フォーク色が強くなっているのかなと思いました。まだまだ見てみたい人です。

ハルラモネル
ざらついたフォークの男性SSWで、ロックバンドからフォークに移った感じの曲調。歌詞は現代っぽくて、「中島らもは昔の人」みたいな歌詞がずっと残ってたけど、今思うと笹口騒音ハーモニカみたい。その後のアルペジオを使う曲が始まると、上手くやってるな~って感想になる。演奏が始まる前の、20秒位のネジレとキレイの中間みたいな印象(ギターだけだったのか、少し歌ってたかは覚えてないけど)が一番良かったです。

ハンカチーフス
しっとりとした熱のあるポップスバンド。ボーカルの人の見た目が中学生みたいで、フレッシュさじゃなくて演奏力が中学生バンドみたい。あんまり面白みは感じられず。

わたなべよしくに
1曲目は初めて聞く曲で、それ以降「燕」「でもでもでもでも」(この曲はライブで聞くのは初めてかな、昔のバンド録音でのCD音源よりも格好良い)、咳をする曲、「カッパへ」、多分前にも聞いたことある新曲、最後は「8月の初め、南の夜空」。アンコールはいつもの「まだすんのかよ」な小芝居があっての「やめるよ」。知っている印象からは変わらなかったけど、お客さんの反応もちゃんとあって良かったです。あと、やっぱり韻の踏み方が面白いんで(特に「燕」)、ラッパーの人が見たらどう思うかも気になりました。