お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

6/30-7/2

6/30金
@なんや

佐藤幸雄
客席に照明が点いたままライブスタート。1曲目の「かくもの/かかれるもの」の繰り返しの歌詞のせいか始まっているのか分からない状況だったけど、そのうちに照明も消える。10cm位のミニアンプに繋いだエレキギターの演奏なので、最前列では生のジャカジャカ音も聞こえてくる。曲は「いる場合/いない場合」と続き、その他には「おみやげ」「役にたってる感じ」など。「役にたってる感じ」では、店員さんが注文を運んでいる時に照明のスイッチに触れたのかステージ側も真っ暗になったけど、ちょうど歌詞の「役に、、、立ってる感じ」の溜める部分とシンクロしていて良い感じになる。この後、洋楽の日本語カバーコーナーがあって、まず「ふにゃふにゃ」って歌詞が印象的なジョナサン・リッチマンが歌っていたジャマイカかどこかのポピュラーソング、次は歌詞が直訳に近いというフランク・ザッパの「踊る時に服はいらない」みたいな曲。最後にデヴィッド・ボウイの「LIFE ON MARS」。この歌詞に「定額配信のDJ」っていう気になる言葉が出てきたけど、とんちさんも気になってたそうで佐藤さんに聞いてみると、元々の歌詞が抽象的なので、今の言葉に直したらこうなるだろうとの回答。カバーコ-ナーの後はまた自作の曲に戻ってもう何曲か。「国立競技場~」みたいな始まりの、わざと鈍くギターを鳴らす曲は多分初めて聞く。最後は「動かない方に壊れている、止まらない方に壊れている」の曲。最後に持ってくるんで人気のある曲になっているのかな。良い曲だと思います。

とんちピクルス
最初はウクレレで爽やかな曲を2曲。歌い回しで少し鈴木常吉さんを思い出したりもする。その後はバックトラックを流してのカラオケ。なんやには初出演とのことで、初めて出るお店では出禁になっても構わないスタンスで好き勝手にやるそう。選曲には「鍾乳洞の長い旅」や、何年も前の今池フレーバーで見た時の記憶で唯一覚えている曲で、年を取ってから聞くと染み入る歌詞だった「どうだいドラえもん」もあったけど、人形を2体手に持って、声色もきちんと変えての「パイパンラッピン」などの下ネタの曲がやっぱり真骨頂。最後は西成のライブの打ち上げで手に入れた手品用のリングとチェーンを間奏で使う「濡れマンボ」。中々成功しないという手品も無事成功し、ムーンウォークも披露したりとエンターテイナーなとんちさん。リクエストのウクレレ教室の曲は、曲に入るまでのお客さんへの質問形式のネタフリも含めて面白かったです。決まっていたようなアンコールでは、佐藤さんとのデュオ演奏で、お互いの曲をそれぞれカバー。特定の誰かを思い浮かべた訳ではないけど、日本語の曲って感覚が強く残る。
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7/2日
HOTMOTTOGUMBO2017@京都大学西部講堂

ドクロズ
むうとんさんがギターで参加するようになってから見るのは初めて。1曲目はむうとんさんのギターがもうピアノ弾いたら良いのに…と思う程のピアノの音色で鳴る。癖のある音ばかり鳴らすのかな~と思っていたけど、それ以降はワウも使ったりと意外と正統派なギタリスト。ドクロズの曲自体はゴキゲンなロックンロールさもあって、今日のイベントでは転換中にボ・ガンボスの25年前の「HOTHOTGUMBO'92」の映像が流れてて、その音を聞くと京都のバンドとしての系譜もドクロズからは感じたりもする。終盤はDr.kyOnさんもKeyでゲスト参加。KyOnさんが「みんなに歌ってもらいましょう」と紹介していたのは「ちょっと死ぬ」なので今でも人気のある曲なんだな。最後はアサコさんが顔を緑色にメイクしての、ボ・ガンボスの「さかなごっこ」のカバー。オヤビンさんはHOTHOTGUMBO'92にも来ていて、地元ラジオでは伝説の少女扱いされているそうです。

panoramix
ボ・ガンボスのメンバー、Dr.Tosh?(永井利充)さん参加の3ピースバンド。演奏が始まる前に水晶玉の手品をする派手な格好のおじさんがいたり(演奏はせず立ち去る)、「余計なものは脱ぎ捨てて体を軽くしよう」なスピリチュアルなメッセージも発する。永井さんが電子機材でベース音を出していたり、ギターの人もエフェクターボードにテルミンみたいなのを搭載していて、バキバキなクラブ音を鳴らす時もあったけど、基本は緩いジャム、ソウル系な音楽。ボ・ガンボスの精神性は受け継いでいそうだけど、今日の面子の中では音楽性は異色に思える。

玉響楽団
ローザ・ルクセンブルグボ・ガンボス、メスカリン・ドライブのメンバーからなる5人組。うつみようこさんだけでなく、Dr.kyOnさんと玉城宏志さんもリードボーカルを取る曲もあり。1曲目はkyOnさんがKeyで歪な音を加えてた印象だけど、それ以降は力強いロックで、手を左右交互に上げるノリが似合いそう。それぞれが音の聞かせ方を熟知しているような演奏で、最後の曲では玉城さんがギターを楽しそうに上に放り投げたりとバンドの調子も良さそう。でも、何年か前にも違うメンバーでのうつみさんのバンドの時にも感じた、あんまり特徴のない普通なバンドだな~って感覚は今回の玉響楽団でも残る。

ボガンボローザ ゲストボーカル:山川のりを/永山愛樹/吉田省念長見順
ボガンボローザの前に、ゲストボーカルの人達のソロ。曲はボガンボローザと同じくボ・ガンボスローザ・ルクセンブルクの曲から。まず山川のりをさん。最初の方は少し見れなかったけど、多分ギターパンダの格好は最初からしておらず、普通な格好。「ギターマン」を歌っていて、のりをさんの曲だとしてもおかしくないような出来。この後のボガンボローザで歌う曲でも感じたけど、のりをさんの他人の曲を自分の曲みたいに聞かせる能力はすごいと思う。のりをさんは残りつつ、次に愛樹さんとうつみさんが出てくる。愛樹さんは「自分はパンクしか知らなかったけど、沖縄の友達が好きそうって貸してくれて、それでパンクと光GENJI以外にも好きなものができました」とMC。選曲は「トンネル抜けて」。曲調はタートルともALKDOとも違うのに、愛樹さんの声にすごく似合っているし、豊田の人なので車のイメージがあるこの曲は合っているとも思いました。次のkyOnさんも参加しての「なまずポルカ」のわちゃわちゃする感じはタートルのライブみたい。で、この4人は引き返しての次は長見順さんだったけど、外に飲み物を買いに行ったのであまり聞けず。戻ってくると、もう省念さんが一人で歌っていた。大きい舞台でも似合う自然な良い声。次の曲ではドクロズのオヤビンさんがベースで参加。オヤビンさんと同じく、省念さんもHOTHOTGUMBO'92に来ていたそうです。その後、30分休憩があって、いよいよボガンボローザ。メンバーは岡地曙裕さん、Dr.kyOnさん、玉城宏志さん、永井利充さん、うつみようこさん、小関純匡さん、笠原直樹さんの7人に、曲によってはゲストボーカルが入れ替えで参加。メンバーは玉響楽団と被るので力強さを感じる演奏だけど、曲調はもっと80年代なビートロック感も強い。中盤に演奏された永井さんボーカルの「天の上の~」みたいな歌詞の曲は現在の状況を表しているようだったし、更に続けて演奏されたビートルズテイストなゴスペルな曲にもぐっとくるものがありました。ゲストボーカルで印象に残ったのは、のりをさんの「シビーシビー」と省念さんの「橋の下」。「橋の下」は愛樹さんではないんだな。1.5時間位の演奏の最後は、特別ゲストのピンク色の髪で服装も多分どんとさんに近いんだろうな~と思わせる人がボーカルで、多分アクションとかも似てるんだと思うけど、この人が誰か分からないので、モノマネする人が最後に出てきた、みたいな変な感想。アンコールはこれまでのバンド含め全員がステージに並んでの演奏でギターリレーもあったりして、最後の曲はのりをさんが歌う「少女の夢」。ドクロズのオヤビンさん以外がスピーカーの前でダンサーの如く踊っていて、その中でもむうとんさんはポーズが決まっていたりと上手い。ドラヒップで鍛えられているのかな。やっぱりむうとんさんは自分の中ではアイドルです。