お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

8/25-28

8/25金
あうあう@CLUB ROCK'N'ROLL

あうあうあ
特に始まる合図もなく、ヒロアキさんの声のループなのか、もしかしてダクソフォンなのか、「あっあっあっ」みたいな音がBGMの中で鳴り続けてのスタート。最初の方イケダさんがギターでリフなりフレーズなりを弾いて曲っぽくなるも、歌っているのは即興的な言葉。ヒロアキさんはモジュラーシンセとギターでリズムっぽいのも作ったりする。響子さんはダクソフォンとシンセ。1曲目から2曲目への移り方がスムーズだったんで良い流れになりそうと思ったけど、それ以降は断片的な演奏が続く。途中イケダさんがあんまり参加していない時には、歌っていたのもヒロアキさん響子さんだけになるNARCO状態で、この時の丸みのあるシンセ音はNARCOなイメージの音に思ったりする。前回のライブ時はダクソフォンに櫛の歯の反動を使ったりもしてたけど、今回はもう櫛自体をマイクに近付けて音を鳴らしたりも。あとヒロアキさんがでんでん太鼓みたいな小物楽器を使っているのは多分初めて見ました。中盤以降の3人が同じ方向に向かっていないような演奏が良いと思える瞬間もあったけど、もっと展開が上手くいって欲しかったです。

ジェット達
最初は全世界強い人選手権みたいなのをやっていて、「肘から先は飾りだ」とか言う強いやつとかとんでもなくでかいやつが出てくる。達さんがよくやるピカーンって光る顔もこの時に出る。その大会の模様が流れているテレビを山田が見ていると、途中でテレビが壊れてしまったので、家の裏の川に捨てに行くと型の古いテレビが流れてきたっていう不思議な川の設定。で、父親に怒られて「川で泳いでこい!」って言われた山田が泳いでいると、川底には家電がいっぱい沈んでいて、その下に輝くものが見えたんで、砂金じゃないのか?と思った山田は川底へと潜っていく。家電が沈んでいるんで、それを掴んで楽々と潜っていける描写も「すげえ行きやすい」とか言うのも達さんっぽい。口からのボコボコ出る泡のリアリティさも。で、川底に見えた輝きは砂金ではなく光で、V字型になっている川底が突然開いて、山田は落下。家電も同じように落下していく中、家電はパーツにまで分解されて、違う家電のパーツと組み合わさって別の家電になるらしく、格好良いバイクが真空管ラジオになったりする。山田も分解されて脳とか神経も飛び出したけど、最後には元の形に戻る。川底が開くのはお盆の時期だけで、父親も母親に「今お盆だよ!」って言われて、事の重大さに気付く。で、話が学校のことになって、山田が先生の質問にリズムを取ってから分かりませんと答えるのとかが気になってしまって、山田と話せなくなった女の子が登場。その子も川底に落ちてきて分解されてまた元の形に戻って、山田と再会。「大丈夫か?分解とかされなかった?」と山田に聞かれて、「大丈夫」と答えることが出来て「私、山田と話せるようになっている!」みたいな話。やっぱり達さん面白いです。

Kaseo
神と対話するための装置での演奏。最初音出しするも、すぐに止める。機材トラブルみたいで、楽屋から持ってきたスペアでの演奏になる。最初は「大きな古時計」が打ち込みで流れて、それが徐々にバグり出して、原型がなくなる。音の流れはあるけど、時々大きめのノイズが被さってきたりも。交換前のはモジュラーシンセみたいにコードを繋げているように見えたけど、スペアの方にはコードは無くて、あんまりどういう操作をしているのかは分からず。1回スイッチみたいなのを切って、もう1セット始める。こっちの方でも最初は馴染みのある曲が流れて、それがバグっていく展開で、1stセットよりはリズムトラックがあって、その1音だけがバグるみたいな印象。フロアの真ん中に机と椅子を持って来て、そんなに大きな動きもせずに、装置を操るというよりは、じっと見つめているように見えたKaseoさんの姿もありきで、アート作品みたい。装置を照らすアーム式のライトも勉強机を思わせて、その装置の名前が「神と対話するための装置」なので、完璧なシチュエーションだと思いました。

数秒にも満たない
収束しない渦みたいな音が会場を包んで、若干音割れしてるのも良い。今までハポンでしか見たことがなく、キレイな音を出すバンドのイメージだったけど、全然違う。あんまり流れがなく音としてだけ鳴らしているインスト(鬼みたいな格好良さ)→バックの音はそのままでキレイな声でVoが入るけど、そのギャップも良い→アコギに持ち替えて少しアラブっぽいフレーズを弾く、の流れ。今までそんなに良い印象がなかったバンドだけど、今日みたいに爆音で聞かないと分からない良さなのかな。体験するって感覚のライブでした。
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8/27日
@ブラジルコーヒー

河合愼五(カタリカタリ)
曲名は分からないけど、ギター→コントラバス→ギターの順で3曲。最後のは、しょうにゅうどうでも演奏している曲と紹介していたりと、どれも聞いたことのある曲。その後はコントラバスに持ち替えて、お馴染みの「ずれる」「死ぬかと思った」「歌でも歌えば」と「茜色~」で始まる曲を演奏。この流れの時には、時々音程を外していて、コントラバスのチューニングのせいなのかな?とも思ったけど、結局直らず。MCを入れずに続けての演奏だったので、間に一呼吸入れたら良いのに、とか思いました。今日のライブではコントラバスの弓は使わず。ライブ告知のMCの後、ギターに持ち替え「黄昏の町工場に」。歌詞の流れを知っているんで情景が思い浮かぶのもあるけど、今日の演奏はすごく良かったと思います。次の「秋の~」で歌い始める曲は多分聞いたことない曲で、サビで少し明るくなるのが「向こう側」に近い雰囲気。最後は「男と女」の安心する終わり方。ギター時には音程を外してなかったので、コントラバスの時にだけ何で外してたんだろうと疑問に思う。

ワダマンボ&アンドウケンジロウ
土着的だったりフォークだったり、そういうのでもなかったりするけど、バンド程のカリプソなイメージはあんまり感じず。でも、一番気になったのは歌に振り切れないボーカルで、ずっとこれは何なんだろうって感覚で見てしまう。悪いライブだった感覚はなくて、自分の知識量の無さから来るモヤモヤ感だと思う。「アイ・エイント・ガット~」みたいに歌う古いカリプソの曲のカバーが印象に残って、最後のパパイヤマンゴーみたいな曲にもカリプソらしさはあり。ワダさんのギターにはベース弦も張っているらしく、アンドウさんが楽器を頻繁に変える河合さんにもそれを勧めていたけど、そういえば河合さんが昔使っていたベース+ギターみたいな楽器は最近どうしてるのかな。
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8/28月
服部将典を囲む@なんや

角田健太
1曲目は「(続、)汗とコーヒー」。最近はコーヒーと言えばデミタスコーヒーの方だったんで、意外なスタート。次は「メロンパン」で、「ここはパラダイスだし海もある」の歌詞からは、昔オシリペンペンズが旧グ邸でライブしてた時のMCの「あとここに餃子があったら天国やな」を思い出す。MCで前2曲の説明と来月に出るTHE PYRAMIDの新譜レコ発のことを話して、ハーモニカを使わずの「GREEN」。続いては「御園座」で、指パッチンをしなかったお客さん(某ミュージシャン)に向かって「Don't be shy」のセリフ。この後、ケンタ・ハツノダっていうスペインの人のカバー。多分初めて聞きました。で、服部さんが参加してのNRQカバー「ギョロギョロ」。服部さんがコントラバスの準備している時に、実はTHE PYRAMIDに在籍していたことがあると告白。角田さんとは同じ大学で、THE PYRAMIDには3日間だけ在籍していたそう。「ギョロギョロ」の後は間を挟まずに「朝」につなげていたけど、ともよさんも参加するのにそのタイミングを与えずで、機材やらで狭い中なんとか入るともよさん。コントラバスの音が似合う「朝」は、村上さん参加時の波バンドとはまた違う雰囲気になっていました.。最後は「友達」で、サビじゃないところで使う服部さんの弓の音が良かったです。

服部将典
「地味な曲が続きます」のMCの後、本当に地味なコントラバスの演奏。1曲目はインストで、リフやフレーズもあったけど即興的に思えた演奏。2曲目は英歌詞の歌付き。3曲目はクラシック要素のある曲で、弓を使ったりするのもクラシック的。この曲ずっと聞いていたいな~と思ってたけど、途中からジャズっぽくなって、最後は「ラブ・ミー・テンダー」のメロディーを弾き出す。他の2人よりは短めの演奏時間でした。

大場ともよ
最初の方はソロでの演奏。まだアルバムを聞いていないんで知らない曲が続く。途中から角田さん服部さんが参加しての「クロール」。やっぱりこの曲での角田さんのギターは良い。MCでアルバム録音メンバーで来年犬山と多治見でライブするって話が出て、服部さんがさっきのソロ時にしようかと思ったけど、歌っていると泣いてしまうから、と出来なかった曲をここですることに。犬山の明日香っていうシンガーの「長良川」って曲で、昔のメ~テレ(当時は名古屋テレビ)の深夜に流れていたそう。「川に流れる葉が海へと向かう」みたいな歌詞で、服部さんは泣かずに歌いきる。角田さんは和歌山フェリーが到着する時に流れる曲が好きで、着くのは嬉しいけど寂しい気分にもなるのが良いんだとか。その後、角田さんが一旦抜けて、ともよさん服部さんのデュオになって英歌詞の曲。この辺りで昨日のワダマンボさんのライブ時に感じた、歌に振り切れないボーカルをともよさんからも感じてしまう。変にメロディーがありすぎる訳でもない感じなのかな。ともよさんはワダさんより何回も見てるし、「クロール」からはそんな感覚を覚えないので、単に聞き慣れていない曲のせいなのかも。でも昨日のモヤモヤ感が蒸し返してくる。デュオ編成が終わると、再度角田さん参加。この時の角田さんをまっすぐ指差して「出番だよ」って言ってたともよさん、格好良かったです。でトリオ編成になって、ムーンライトって歌う曲。この曲がめっちゃ良くて、エリオット・スミスみたいに感じる。中期ビートルズに比べられるエリオット・スミスなんで、ともよさんとの共通点もあると自分の中で腑に落ちるような感覚で、ともよさんのKeyも良かったです。さっきまでのモヤモヤ感もすっかり無くなる。ともよさんこんな曲書けるんだ~と思ったけど、話を聞くといしだあゆみさんの「ムーンライト」って曲のカバーとのこと。アンコールは角田さん推しの「秘密のデート」と、合唱になる「花のルージュ」でした。