お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

9/20-23

9/20水
"Dhira Bongs Open Suitcase Journey" Japan Tour@KDハポン

角田波健太
1曲目は「汗とコーヒー」。なんやで聞いていた分、すぐに反応できる。2曲目以降はQu-ki等の紘子さんがフルートで参加しての、まず「デミタス」。最後のコードチェンジの多さでプログレらしさはこの曲にもあるんだな~と思う。その次に「GREEN」「街角」が続く。「街角」は久しぶりに聞くけど、やっぱり好きな曲。聞きたい曲は色々あるけど、カタリカタリの「男と女」みたいに、この曲聞ければOKみたいな感覚。次の曲は新曲かな?とも思ったけど、「ありがとう上前津」のフレーズで「フリースペースへようこそ」だと思い出す。この曲も久々。最後は「電信柱」でした。MCでは角田さんがインドネシアのマンデリンコーヒーを飲んだって話と、紘子さんが2回インドネシアに行ったらしく具体的な地名を出して、ディラボンさんが反応してくれるなど。

PLUTATA
客席から登場のプルタタ。でもトッキーさんだけは最初からドラムセットにスタンバイ。いつもの4人のメンバー以外に新しい男の人が参加していて、鈴を鳴らしたり、紙吹雪を巻いたりする。セットリストは「エイの夢」「はじまりのうた」「太陽の目」(Jaaja時代からの曲)と、新アルバムからの曲もいくつか。キノくんのLITTLE STEPSな骸骨の獅子舞はディラボンさん達のインドネシア組に受けが良く、写真も撮られたりする。最後から2曲目でスピーカーからビリビリした音が鳴り出して、ゆーにゃんさんのギターが原因なのか「ギターの音鳴ってないよね?」と曲終わりにPAモモジさんに確認。ゆーにゃんさんはシールドのプラグを触ったりして、「ここまで来てるよね」「まあ、生音でやります」ってことで、他のメンバーから了解を得る。主にトッキーさんに対してなのかな。ドラムセットが豪華で音も大きいので。最後は「動物園」。ここでもノイズ音発生。でも音が鳴ったタイミングに歌っていたのが「色んな音色んな音」「誰なんだろう狂ってないのは」だったのが面白かったです。自分達もヨーロッパツアーとか行くと、「遠くからよく来たね~」って言われたりするんで、そういう海外ツアーする気持ちがなんとなく分かるとMC。

Dhira Bongs
キーボード+ベースシンセの男性を加えた2人編成。ディラボンさんはギターと、iPodから鳴らした打ち込み音やボイスパーカッションのループを使ったりする。ステージの2人以外にMCの通訳をする人もいてたけど、プロの通訳でなく多分友達とかで、ディラボンさんが「「アイスクリーム」って曲をやります」って言ってるのに、「この曲は1stに入っていて、CD売ってます。1000円です」とか余計なことを言ったりする。ちゃんと曲の説明もするけど、所々「~だと思います」と通訳の人の主観が入っているんじゃないかと思うような言葉。英語のMCなので分かる部分も少しあるけど、何を伝えていないんだろうとかが気になる。でもディラボンさんも「プロじゃないのでファニー」と言ってたんで、そう考えるべきなんだろうな。演奏される曲は爽やかで、ティーンエイジポップスが少し成長したみたいなの。もっと変な音楽を期待していたので面食らう。ベースシンセの音が出過ぎているのも気になったりで、途中までの感想は微妙だったけど、MCでconfusedって説明していた曲のサビが「ジュクジュク」って歌ってたり、他にも「キラキラ」とか日本語みたいな言葉が混じる多分非英語な歌詞。MARINA FAGESさんを思い出したり、ハーモニカを吹いているような音で鳴るキーボードも面白い。この曲でようやく興味を持つようになったけど、次の曲は「Call Me Baby」みたいな手の仕草があったりで、やっぱりティーンエイジポップス。インスタグラム?でライブを中継しているのか、カメラに向かって手を振って「弟、見てる???」みたいなこともしてたりで、若い人なんだな~と思う。アンコールは角田さんがボイスパーカッションで参加。ライブ中も角田さんは「ジャパニーズ、プリーズ」みたいな野次を飛ばしていて、本編終わると席に戻って来たキーボードの人に「アイ・アム・ボイスパーカッション」と伝えてアンコールに参加。ディラボンさんがこの曲やろうかと考えている時に、角田さんが「さっきのあの曲~~」みたいなことを日本語で話すも、「日本語分からんって!」みたいな感じでディラボンさんは笑う。リズムはこんな感じで、みたいなやり取りで曲は決まって、ゆーにゃんさんが鈴、サポートの人もキーボードで参加して、コーラスに手拍子に紙吹雪があったりして無事終了。ライブ終わるとすぐに写真撮影タイムに入ったのも面白かったです。
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9/23土(昼)
真昼のアンダーピニング@KDハポン

ログメン
最初はドローンっぽく演奏。星さんはネズミ捕りに使われていそうな形の鉄の棒を鈴で叩いて鳴らしたり、更にその音をループさせたりしていたのかな。掃除機の吸い込む音もドローンっぽく引き延ばしたりする。その後はボーカルありの曲になって、サンドウィッチやNew Shoesの曲など。前にどこかで書いたかもしれないけど、やっぱりメロディーはカタリカタリとか7586の系譜を感じたりする。星さんが立ち上がって机の両端のシンバルを叩いていたのは、Killerpassのカズキさんっぽくて格好良かったです。最後の「ステイルメイト」の後半、杉山さんの右手の鍵盤は踏切の音みたいに聞こえる。あと「スティルメイト」の最後の方も少し伸ばしたようなアレンジに変えていて、ログメンからは無機質な音楽なイメージも感じるのに、人間が演奏しているような感覚もあることに気付く。

堀嵜菜那
最初の方の歌詞の部分で、イメージとしてある女性SSWの個性のままで止まってしまう。前のオープンマイクの時の堂々としていた姿が好印象だったけど、今回それが感じられず。ギターを間違えたりと緊張しているのもあったのかな。今日は単純に曲が入ってこなかったです。

公園
セットリストは「4」からの曲が多め。最初は西村さんのボーカル曲もあったけど、後半はインストへ。今尾さんのドラムはやっぱり好きだな。細かく刻んだり逆に緩めたりと色々叩ける。他のメンバーの音も変で、特に西村さんのキーボードと、名前を知らないけどEXPEさんと同じギターを使っている方のギターの人は特徴のある音を鳴らす。公園を初めて見た時に思った想い出波止場っぽさも感じる。それでいて良いテンポのリズムが続くんで踊れる音楽。今尾さんとEXPEさんギターの人(2人は夫婦)のお子さんが時々ステージまで来て、竹のパーカッション?や笛を吹いたりと演奏に参加したがっている様子。お父さんの股の下をしゃがまずにくぐったりしてたのが面白かったです。最後の方、エフェクターの上を通り道にしようとしてたんで、そこはかとなく父が子を足で移動させていたのも良かった。最後2曲は多分新曲で、最初の方はビート感のある祭りっぽい曲。もう片方は西村さんがギター持ち替えてのトリプルギター編成。ギターのフレーズが細かくて、こっちも速めな曲だったはず。就職してからの10年間で唯一書けた新曲なんだとか(片方は現在製作中の「3」の曲なのかな)。昼のイベントなのでお客さんにも子供がいてて、その中で演奏しているバンド名が公園なのも良いと思いました。

神田さやか
ガットギターによる、基本静かな声の弾き語り。死神とか出てくるような歌詞の、淡々としたアシッドフォークは、歌の原点に戻ったような印象。こういう感覚で聞くライブは久しぶり。歌というか、次に出てくる言葉で物語が続きそうな曲。ずっと同じような音が続くので、飽きるかな~と思ったけど、その感覚もなし。ライブだけでは分からない部分はあるけど、まだまだ魅力はありそう。アンコールは堀嵜さんと2人で多分神田さんの曲を演奏。
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9/23土(夜)
がけ@ブラジルコーヒー

石原ヨシト
最初は1人での演奏。1曲目は世界の輪郭の曲。ヨシトさんっぽい表現の歌詞が良い。2曲目にはパピペポの曲で、次に「ニューメキシコミッドナイトカウボーイno.1」。ヨシトさんを見るのは久しぶりだけど、自分が持っているイメージとは随分レベルが違っていて、こんなに良い曲書く人だったっけ、と驚く。フォーク以外の色も持つ人。ここからはゲストとは呼ばず友達が参加。まずTEASI亀山さんがドラム、カタリカタリ河合さんがコントラバスで参加。亀山さんは最初手でシンバルを叩いてて、途中からいくつかの枝が生えたままの大きめな木でスネアを叩き出す。枝の広がりがある分、同時にシンバルも鳴る。一応ちゃんとしたスティックも使ってました。河合さんは弓での演奏で、本当にコントラバス・プレイヤーとして呼ばれている感じは、ソロやカタリカタリではあまり見れないタイプの演奏だったので面白かったです。「アー、アー、アー」みたいなサビのコーラスも一緒に歌う。河合さんはこの曲のみで抜けて、次に永見恵利さん、テト・ペッテンソンのかにさん、あいさんの3人が加わっての最後の曲。亀山さんはドラムでなく、床に座りながら鈴のついた竹を垂直に打ち付けて音を出す。ヨシトさんはボトルネックを装着してのブルースっぽくもあるけど、高速ブギーっぽくもある曲。途中から入る女性3人の手拍子もスピード感に拍車を掛ける。あんまり揃ってない手拍子も良い感じ。「腹が減ったら餅食えよ、急いで食ったら火傷をするぞ、猫舌坊主」みたいな歌詞のサビは女性コーラス隊が合唱。どっかの村の儀式みたいな雰囲気のある曲でめちゃくちゃ格好良かったです。

FRORIDA YOUNG(シゲビアソロ)
SHIGE BEER AND A THOUSAND NEW WIFEのシゲビアソロ。あんまりバンド時と変わらず、タバコを吸って、アンプの音量上げて、ブルースを弾く。あとは、こっちの方が目立ってたけど、床に置いたスコップを靴の下に付けた金属製のお盆で踏み付けてガンガン鳴らす。こういう発想が出来る人なんだな。途中ケータイから鳴らした音声をピックアップに近付けて音を拾わせようとしたりも。ジャンクとかスカムよりかは、もっとピュアなロックンロールだと感じる。自分が今まで聞いた中では、一番大きな音量でのブラジルのライブ。
 
岡田了
EXTRUDERSのギターの人のソロ。機材も多く用意していて、バンド時と同じのを使っているのかな。ギターのインストで、最初の方は微小な音の変化を聞かせる。深海や宇宙を漂うイメージの音。光を当てる?と音が一時的にぐんと発生する機材も使う。キーボードもあったけど、分かりやすく鍵盤を弾いているみたいな音は使わず。で、漂う感じのうねりのある音は徐々にうるさくなって、最初から地続きに大きな音へ変貌。この音を発生させるまでの過程としてあったのが最初の音なんだな~と思う。後半はギターを抱き寄せるようにしたり、弾くと言うよりは手で弦をはたくみたいに演奏。この抱き寄せるポーズみたいなのはEXTRUDERSの人だと思わせるパフォーマンス。最後はエフェクターを手で払いのけて強制的に終了。

やまいも(OBAIHO+左京泰之)
ギター+ボーカル、ドラム、ギターの3人。ボーカルの人がOBAIHOさんで、ギターの人が左京さんみたいだけど、そうなるとドラムの人は誰なんだろう。OBAIHOさんはリズムキープに徹した簡単なフレーズのギターを弾いて、あまりメロディーのないラップのような語り。左京さんはワウを使ったり、キーボード的な音だったりと色々な音を鳴らす。ラップは「フィリパブダディ、エリックサティ」とか「グッディーに明かりが点くまで」とかそんな内容。ディランっぽくも聞こえるけど、韻を踏んでるとやっぱりラップ。途中ある程度轟音になった左京さんのギターが、YO LA TENGOの「Blue Line Swing」みたいと思ってたら、岡田さんとの横浜組で車で来たってMCの後の曲は、本当にフォーキーなYO LA TENGO感。あんまり上手くないドラムもジョージアみたい。そう思い始めてからは好印象のまま見続ける。最後はパンクな曲で終わり。