お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

10/7-9

10/7土(昼)
SOCIAL TOWER MARKET@名古屋テレビ塔

王舟
最初の方はアメリカのルーツ・ロック的な曲。3曲目位からポップさも出るようになって、「ラン、ラン、ラン」みたいなコーラスの曲はビートルズみたい。英歌詞の曲が多く発音はバッチリ。中国の人なので、少し外国人らしさが出る日本語のMC。ギター1本でのライブは淡々と進み、Hara Kazutoshiさんのカバーも挟んで、また最初の方のルーツ・ロック的な曲に戻ると、鈴木常吉さんの「海の見える坂」っぽく感じる曲があって、普段どういう人と対バンしているんだろうと気になりだす。その後は多分有名な曲も含んでいたメドレー、「日差しが出てきたので明るい曲をやります」のMC後の「500MILE」みたいなタイトルの曲など。日本語詞の曲は、英歌詞と変わらないメロディーで歌われるけど、「あがった」を「I got a」な発音で歌っているように聞こえて、THE PYRAMIDの「WAR」の歌詞を見た後だとなんだか少し笑える。王舟さんの曲はゴンチチのラジオで1度聞いたことがあって、その時のバンドで色付けされた音のイメージとは違ったライブ。でも常吉さんとビートルズが混在しているような今日のライブには、また新しい興味を持ちました。
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10/7土(夜)
@きてみてや

石原ヨシト
今日は1人だけでの演奏。見た時期が近いので、前のブラジルでのライブからの新しい印象はなし。1曲目は世界の輪郭の曲、2曲目はパピペポの曲と、ブラジルと同じ曲の流れ。世界の輪郭の曲での時々かすれる声が良い。3,4曲目のそれぞれ静かな曲、ハーモニカを使う曲はブラジルでは演奏されておらず。静かな曲でのアルペジオは確か鈴木常吉さんっぽさを感じたはず。その次は猫舌坊主の曲で、途中からヨシトさんは無茶苦茶にギターを弾きまくる。この曲はインストでも面白くなりそう。でも女性コーラス+手拍子がないので、民族感は薄れていました。最後にもう1曲演奏して終わり。

AZUMI
最初はギターのインストから。これもまた常吉さんの「さびしい時には」のメロディーが少し混じっているように感じる。でも片足をもう片方の膝に乗せて演奏している姿は間違いなくAZUMIさん。2曲目は「アラスカから来た~」みたいな始まりの曲。「おーよしと~」って歌うところは「およし、と」とも「おー、ヨシト」とも歌っているように感じたけど、途中から「ギターを弾くヨシト」と完全にヨシトさんだと分かるように歌う。3曲目には「サンシャインレディー」。この曲がめっちゃ良くて、松井文さんの方も印象深いけど、AZUMIさんの声で歌われるのにも響くものがある。「君の名前なら昔から知っていたよ いつかこんな風になる日がくると思っていたんだ」「太陽の光 雨の雫 君の一部なのかい」の歌詞に特にぐっとくる。この後に多分初めて聞く曲をいくつか。MCでは、ヨシトさんが川崎でギターを買って、それを決済する時に結局返していたそうで、AZUMIさんからしたらありえない話や、と笑う。次にいよいよ「AZUMI説法」。河内音頭のリズムに乗せて、最初は熊太郎の不倫の話。「今日は○○○でお届けします」って言ってたんで、何パターンかあるのかな。熊太郎の不倫がばれて、奥さんの母親が乗り込んでくる話で、奥さんの「もう私出ていく」に対して熊太郎の「一緒に出ていこう」な返事が面白かったです。その後は天国から色んな人が降りてきて、AZUMIさんが思い悩んでいると高校時代の先生が登場。「あの時の先生のまんまや~」などのセリフ。この辺は早口でお伝えしますってことで、いつものセリフも早口気味。べっぴんさんの部分もえらく早かった。次に特徴のあるコォーみたいな声で歌い出す人が登場。ホーキンスさんとか言ってたんで、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのことなのかな。レイシストが俺のTシャツ着てやがる、みたいなことを言う。ジョニー・キャッシュのはタツオ(antonio three)が着てるとも。その他にはエルビスも少し降りてきて、「ジョニー・B・グッド」を弾き出すとチャック・ベリーが登場。チャック・ベリーがAZUMIさんのことを知っていると言い出したんで、「何で知ってますの?」と聞くと、1981年の大阪中之島ホールの最前列で野次飛ばしたのお前やろ、とチャック・ベリー。「ジョニー・B・グッド」の「ジョニーは読み書き出来ないけど、ギターを弾くのが上手い」みたいな歌詞が日本語詞で歌われていて、ジョニーらしきどんくさそうな子供の声でまず歌われるけど、サビになると唸るように格好良く歌われる。夢があるな。最後に「痛っ!」の声。AZUMIさんは「何や、まさか!」と、キュキュキュって弦を指で触って鳴らすと、遂にギターが「この前ぶつけてたな」とか喋り出す。ギターも子供みたいに少し高い声。「今修理に出してるやつ戻ってきたら、もう弾かなくなるんやろ」といじけているギターに、「そんなことないよ」と優しく返すAZUMIさん。最後には弾き倒して「ギター」への流れ。めちゃくちゃ格好良い。本編最後は「夜が短い」。まだこの曲が残っていたのか。アンコールには小作品な曲を演奏して終了。自由でいて圧倒もされるし、笑えるし泣ける。世の中で一番笑いあり涙ありの謳い文句が似合うライブです。
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10/8日
SOCIAL TOWER MARKET@名古屋テレビ塔

折坂悠太
10分位遅れて到着したので、1,2曲は見れなかったのかも。森山直太朗みたいな癖のある和の歌い方で、座って弾くガットギターのリズムのせいか、会場も本当にゆったりとした時間が流れる。途中の沖縄の安里屋ユンタのカバーも自然な感覚で出していて、色々出来そうな人。終盤の鳥の曲と、最後の曲に入る前のマイクに入らないよう横に向かって発した叫びが印象に残る。

GELLERS
ギター+ボーカル(他の人も歌うけど主に歌う)、ギター(トクマルシューゴさん)、ベース、ドラム、キーボードの5人組。曲は甘さをまぶした原色ポップみたいなので、メンバーの見た目からして東京っぽいバンド。こういうバンドにトクマルさんがいるのは正しいな~と思う。バンドとしてのポップさからはずれて、ソロでのポップさを完成させているのが海外のバンドのあり方みたい。「Guatemala」や親知らずの曲は早い内に披露。最初の方は好意的に見ていて、若手バンドが参考にしているのはこういうバンドなのかなと思ってたけど、段々若くてダサいバンドのお手本になるバンドだと思い始めると、GELLERSもすごくダサくなったので、4曲位で帰る。
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10/9月
タイニーバンパク@KDハポン

紙コップス
各務さんはもうエレキギターのみ使用で、ギターソロなど演奏も激しめ。1曲目の「チャイナ」からペダルを踏んだりと大活躍。曲の後の、体育の日で休みですねっていうMCが、何の話にも広がらなかったからといって長く引っ張る。で、次の「わすれもの」の後からはMCを挟まず「ねこのこ」(久しぶりな曲だけど、今の各務さんエレキギターアレンジなので雰囲気変わる)、新曲が続く。この新曲はワンコード押しで、サビになるとレッチリ風なコーラスになる、何回か聞いたことのある曲。その後に「続けっぱなしでしんどい」「耳痛い」とMC。まっちさんも普通のドラムセットみたいに叩くし、菊ちゃんの忙しないキーボードの動きは本当にプログレに近付きそう。最後は「愛した日々を忘れはしない」。終盤の各務さん菊ちゃんの「ウー」っていうコーラスがムード歌謡みたいでした。

YKP
力強いギターフレーズに、エビとか中華まんとかの食べ物の歌詞が乗る。紹介にあるボサノバ漫談以上の感想はなく、自分の聞きたい音楽のレベルに達しておらず。多分歌詞とかが書いているファイルの分厚さから、こんな曲がそんな量あるのかって思うと、それだけが面白かったです。

包帯人間
生のエレキギターiPodから再生されるトラックでの、ポップさのある歌とインスト曲。少し頼りないメロディーも魅力的。iPodから流されるのも主にギター音で、音の感触で一番近いと思ったのは公園の西村さんのキーボード音。「パッパッパッ」みたいなコーラスをする時に口を膨らませるのは癖なのかな。friendly hearts of Japanでベースを弾いている人でもあって、3月に見た時にもそんな仕草をしていたし。電子音楽の人とも対バン出来そうだと思ってたら、購入した包帯人間さんのカセットテープのレーベルがhoge tapesっていうsuzmenba本田未明さんのユニットを出しているところだったんで納得する。

カタリカタリ
今日は河合さんと長瀬さんの2人編成。1曲目は長瀬さんがシンプルなドラムセット(スネア、シンバル、キックペダルを設置してバスドラとして使われるカホン)、河合さんがギターでの「東海地方にも冬が来る」みたいな始まりの曲。ドラムセットはこの曲のみで、スネアとシンバルは片付けられて、いつもみたいにカホンにまたがる長瀬さん。次は「あうー」の曲。2人だけでも力強い演奏。次に河合さんがコントラバスになっての「ロドリゲス」。長瀬さんはギロやら色々楽器を取っ替え引っ替え。河合さんがコントラバスを弾く時に座る椅子を忘れていたので、ハポンの1本足の机を椅子代わりに使用。自分が座った席の机の上に座布団があったのが不思議だったけど、色々試していたのかな。次の曲はインストで、長瀬さんはクラリネット。曲の中盤か終盤で左右に引く弓の使い方で、得三でも演奏していた曲だと思い出す。コントラバスでの最後の曲は、長瀬さんがギターになって歌う曲で、急に曲が終わったような印象を持つ。で、また河合さんがギターに戻って、長瀬さんはカホンクラリネットクラリネットを右手にある台に移動させる時の「右利きだから」と自然に言ったことに受ける河合さん。まず「向こう側」。やっぱり2人でも曲は力強い。ギターのある意味適当さというか、キレイに鳴らさなくてもいいって感覚も良い。最後は長瀬さんがカホンから立ち上がって少しアカペラで歌う、わさびの曲でした。

こいけみほ
カタリカタリが終わると割とすぐに始まる。恨み節な歌詞を元気に歌う、ロックンロールやズーダラ節、「猫踏んじゃった」も混ぜたピアノ弾き語り。中島みゆき「ファイト」の明るい部分だけをずっと歌っているような印象。「twitterfacebookSNSを更新して自分を見せる(でも中身はない)」みたいな歌詞は直接的過ぎて、昨日丁度大森靖子さんがテレビで「遺影は自撮り」とか歌っているのを聞いていたんで、そういう表現での言葉の方が聞いてみたいと思いました。