お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

10/19-22

10/19木
@鑪ら場

佐藤守
1曲目はカセットからの打ち込み音+生エレキギターのポップなナンバー。1年振りに見るので、かなりのレベルアップをしているように見える。打ち込みの音色もしっかりと作り込んでいそう。次の曲でエフェクターを使ってギターの音を変えたりしても、ポップさは引き続きあり。その後、ダブっぽい打ち込み音の「ラストダンスは私と」って曲。この曲はカバーって紹介してたけど、誰の曲だったんだろう。一旦カセットは再生せずのアコギの曲があって、最後にはギターを持たず、カセットから「ジョニー・B・グッド」みたいなクラシックなロックンロールを鳴らして、それに合わせて少し踊りながら歌う曲。この曲ダメでした。

スティーブジャクソン
濱田さんが抜けてからは初のライブ。まず「ミルクと牛乳」。モモジさんベースはここ最近の低音フレーズのまま。濱田さんが抜けたのがモロに出てる音で、今までマイナスギターな印象。次は「フォークミュージック」。途中のブレイク後のスピードが1.5倍速位で「速っ!」って感じで笑ってしまう。このスピードはブレイク後の最初のメロディーに戻る時に元に戻ったけど、次の「スタイリッシュな生活」はずっと速いままでの演奏。この辺りでMCに入って、濱田さんが抜けたのは3日前らしく、抜けた理由は本人からどうもしっくりこないと連絡があったんだとか。それに対して「僕もヒジリさんも鈴木くんも誰もスティーブジャクソンにしっくりきていない」とモモジさんらしい発言。この後には鈴木さんのタムの入れ方が格好良かった「つめあと」、最後に「I Saw Her Standing Nowhere」を演奏。まだこの時点では見てなかったけど、「I Saw ~」のポップさは花柄ランタン意識なのかな~と勝手に思う。ヒジリさんのシンセも目立っていて、バンドを包むような演奏。このシンセ音のおかげで、濱田さんのギターが好きだったので脱退は勿体ないって気持ちがあったり、歌詞の「歪んだ願望」が気になったりもしたけど、これからのスティーブジャクソンの明るい未来を感じさせる終わり方になったのが良かったです。

Chano
福島からの女性SSW。MCは優しく、曲は上質。アルペジオ多めなギターも上手い。普段気に入って聞くような音楽ではないけど、特に嫌に思うような感想もなくライブは終わる。タワレコにCDが並ぶそうです。

稲葉将也
話す言葉がすべて歌になるような、自然と存在する歌。曲がとにかく気に入る。ギターはストローク中心で、声の力強さとギターの相互作用で曲が上に昇っていく感じ。魚座の藤井さんに近いかもと思えたけど、最後にはこれはミスチルじゃないかな?とも思いました。最後の「アンバランス」って歌う曲が最後の方に「やばいバランス」に変わるのも面白かったです。

花柄ランタン
女性Vo+鍵盤ハーモニカ、男性Vo+Gtの京都からの男女DUO。おもちゃのマイクを持った女性Voが階段下辺りからアカペラで登場してステージへ向かう。1曲目は男性Voが歌ったメロディーを女性Voも輪唱する曲で、2人で歌うサビのところはPUFFYみたい。女性Voのこぶしを効かせるような民謡っぽい歌い方は少し苦手だなって思う。MCに入ると、たたらばの内装を褒めたりだとかの関西人らしい長いMC。このMCも苦手で、1曲目の感じと相まって、印象は悪い。男性Voの方の白いスーツのズボンのシワも気になるし。その次の、うたのおねえさん的に振り付きで歌う「初恋」って曲も、何かちがうな~と最初の方は思ってたけど、曲が進むと段々良い曲に感じてくる。明るすぎない曲の方が良いのかな。3曲目の波の音がする楽器を使う曲も、ある程度の暗さがあって良い。この2,3曲目は良かったけど、その後はまた女性Voの民謡っぽさが出てきて、それはセーブしてくれた方が自分は好みだと思いました。メンバーの格好を見ると、そっちの方がメインなんだろうけど。
__________

10/21土
TOYOTA ROCK FESTIVAL@豊田スタジアム

ホットハニーバニーストンパーズ
One Love Stageにて。少し先から1曲目の「ホット・ハニーバニーズ・ストンプ」が始まっているのが聞こえてきての会場到着。今池まつりでチラッと見た時にいた女の子のベースは今日はおらず。次に続くのは「君はどう」で、他のセットリストもいつもな曲の流れ。中盤には新曲が2曲あって、片方は得三でも演奏していた「生きていれば」みたいな曲。もう片方は大人の軋轢を歌う「何の曲が人気あるのか売れているのか分からない」みたいな曲。「悪ガキ三人衆」はいつもの3人でなく、多分バンジョーの若い人がかっつんさんの代わりに参加。この曲での尺八の音にももう慣れてきました。子供をステージに上げる「魔人株式会社」はいつも通り。MCでは「トヨロック1年目にも出てて、その時はあっさりとメインステージに出てたんですが、、、」と「ユアソンのカバーをして1人でも勘違いして見てもらえるようにします」が面白かったです。あと、袋詰めにして売っていたCDも残り8枚程になったそう。最後は3曲続けての演奏で、1曲目は忘れたけど、2,3曲目は「おとこまえ」「のるかポルカ」で大団円を迎える。今回の「のるかポルカ」の出し物は獅子舞。熊沢さんが「祭」って書かれた大きな団扇でエアギターをしていたのも良かったです。

YOUR SONG IS GOOD
MAIN STAGEにて。かなり前の、その時もトヨロックだったと思うけど、進化しすぎたポストロックって印象からは変わらず。でも格好良い。静かな展開を作らないポストロックというか、ワールドビアサミットで見たホテルニュートーキョーの懐かしく思えたポストロックも良いんだけど、そこに留まらずに現行の音楽とのつながりをユアソンからは感じる。元々のスタート地点はこの2つのバンドだとかなり違う気はするけども。途中のジャムっぽい展開の時に、やたらとパーカッションの松井泉さんを連呼するJxJxさん。最後の曲での、それぞれの楽器のバランスが壊れ気味になる演奏も良かったです。

THE ACT WE ACT
EAST LANDにて。ユアソン終わりで、最初の方は見れず5,6曲のみ。会場の響き方のせいか、ブリブリ鳴るベースの音が格好良い。前からこんな感じだったかな。自分が会場に着いた時には五味さんがトランペットを吹く曲で、この曲での匠さんはこういう音出す人だわ~って感じがする、マジカルなギターを弾く。次に初めて聞く新曲?があって、「ナイト&ナイト」のラップ曲、「Revolution in the summer」の流れ。全然気付かなかったけど、「Revolution in the summer」はイントロで歓声が上がる。最後にもう1曲ありの、ジアクトらしい力を感じさせるライブでした。

DEATHRO
EAST LANDにて。すごくカラッとした明るい音。ギターもラモーンズみたいなコードチェンジ感。ラモーンズはNYパンクだけど、DEATHROさんはLAな雰囲気なのかな。ヒムロックのLA録音的なイメージ。メンバーはVo(DEATROさん)、Gt×2(内1人はFUCKER)、Ba(リミエキのユカリさん)、Drの5人。手を上げるノリも自分発信でお客さんにさせる。歌の途中の「シンギン・トヨタ!」もやっぱりヒムロック。革ジャンの中に着ているシースルーのシャツの素材が気になる。他のメンバーも黒で統一された格好。曲よりかはやっぱり音のインパクトが強い。ジアクトの後なので余計に、こんな音をでかく鳴らしているのかっていうギャップ。DEATHROさんは途中でステージから抜け出して2階の通路で3曲位歌う。「みんなのこと、よく見えるから!」と言いながら。マイクもワイヤレスにしているのはこの為か。階段の踊り場のフェンスに登ったりもしてて、そこから降りる時の軽いジャンプも何か良かったです。運動神経だけでなくバランス感覚も良さそう。前にtwitterでDEATHROさんがショッピングモールの2Fみたいなところで歌っている写真を見たことあるので、それ見てなかったらもっと面白かったんだろうな。今日も会場見たらそういうことやりそうだと思ってしまったし。その後ステージに戻るまでDEATHRO!コールでお客さんを盛り上げるユカリさん、優しい。アンコール後、ダイブしてお客さんの頭上に乗った状態で「物販スペースまで運んで下さい」と言って、本当にそのまま運ばれていくDEATHROさん。

cooking songs
GREEN FIELDの予定だったけど、雨なのでスタジアム内の広めの通路にて。メンバーはPiano+Key(伴瀬朝彦さん)、Dr(池澤龍作さん)、Ba、Sax×2、Tbの6人。歌うのは伴瀬さんとトロンボーンの2人。最初は伴瀬さんの歌う曲で当然だけど伴瀬色があって、伴瀬さん楽曲に管楽器が加わった感じ。次のトロンボーンの人が歌う曲は途中から管楽器のソロなどJAZZ色が強くなる。池澤さんはJAZZバンドにいるのを見たことがあるけど、伴瀬さん以外はそっち畑の人なのかな。この伴瀬さんとトロンボーンの人の2種類のスタイルの曲でライブは進む。伴瀬さんの曲の方は段々とRufus Wainwrightの「Release The Stars」での管楽器の加わり方にも思えてきて、更に曲が良くなるな~って感覚になる。最後はトロンボーンの人が歌う、子供に会いたいけど会えないって曲。この曲でライブ始まりからずっとスピーカーに腰掛けていた、FF6ケフカの格好をしていた咲衣みちけさんが踊り出す。何でこのタイミングで?とも思ったけど、歌詞がFFな世界観だった気もするんで一応似合いはしてたと思います。階段の踊り場から見ていたので、メンバーがあんまり見えない時もあったけど、バンド越しに見えるグラウンドの芝生は、サッカーの親善試合とかでコート上で白いピアノを弾いて歌う伴瀬さんを想像させて面白い。コート上ではないけど、今日雨が降っていなかったら、スタジアム外周の芝生の上で演奏するcooking songsが見れたはずなので、その光景も面白かったんだろうな。

KING BROTHERS
MAIN STAGEにて。ドラムがゾニーさんになってから見るのは2,3回目位で、もう代わってから結構経っていると思うけど、まだタイチさんの方が自分の中ではしっくりくる。1曲目は「星3つ」って言ってたかな。2曲目にはもう「ルル」で、マーヤさんは「マイクのケーブル何も言ってないのに20m延ばしてもらってます、じゃあ飛び込めってことですよね」とか言いながらお客さんの頭上へ。この状態が10分位続いて、前回のトヨロックと同じく日本酒を飲まされたりもする。「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ!」コールも早くに披露。その後はステージに戻っての、曲に戻る。曲は4人時代の「KILL YOUR IDOL」とかを今の3人編成だと出来ないのか、昔の曲が多かった印象。荒々しい曲ではあるけど、意外とちゃんと曲を演奏しているんだな~って思ったのは初めて。今日はリーダーの喉の調子がイマイチっぽかったです。最後は「マッハ倶楽部」。「飛び込むには人が少ないぞ」って呼びかけて、人を集めてから再度飛び込むマーヤさん。「俺を一番格好良いところへ運べ」で、客席の真ん中の方へ運んでもらう。そこから渾身の「ニシノミヤ!」があったり、渡されたビニール傘を膝でへし折ったりしていたのはめっちゃ格好良い。さすが西宮の狂犬。ギターを運んでもらってお客さんの頭上に立って高速でギターを弾くっていう新しいパフォーマンスもありました。あと、いつものマイク投げを後ろに大暴投していたのが面白かったんですが、それよりノーマルなマイク投げを受け取ったお客さんの絶叫は大抵は奇声っぽく聞こえて格好良くはないんだけど、それがライブハウスのノイズっていうか、キレイなライブをしようとはしないキングの姿勢みたいに思えたのが良かったです。

サニーデイ・サービス
MAIN STAGEにて。曽我部さん、田中さんにGt,Drを加えた4人編成。サニーデイのライブを見るのは初めて。1曲目は「baby blue」。ローズ・レコードのコンピで聞いたことがある曲で、自然なままで歌う姿は良い雰囲気。肩肘張らないロックだけど、ちゃんと格好もつけている。キングが「俺らがトヨロックの今日の最後のロックバンドや!」って言ってたけど、サニーデイは何バンドになるんだろう。この曲では曽我部さんじゃない方のギタリストが全然弾かなかったけど、2曲目からはきちんと弾き出す。曽我部さんの声は若くて、永遠に若いみたいな呪いをかけられているんじゃないかと思ってると「I'm boy I'm boy」って歌詞を繰り返していたんで、やっぱり若さの呪い。そういう曲が4,5曲続いて、その後激しめな演奏になる長尺な曲。曽我部さんがむちゃくちゃに弾くギターはニール・ヤングみたいで、これって明日台風が来ることに対する「Like a Hurricane」的なオマージュなのかな。田中さんもアンプのつまみをむちゃくちゃに変えたりで、ライブのクライマックスみたい。ギターを叩きつけるまでは行かずとも雑に扱う曽我部さん。その曲が終わると、スタッフの人が代わりのギターを持って来ての演奏再開。田中さんもアンプのセッティング直すの早い。演奏再開後は前半と同じような曲だったのかな。あんまり記憶にないです。MCは一切なく、アンコールは最後1曲だけ。ここでもまたギターアンプに立てかけるような、雑なギターの扱い方の曽我部さん。中盤の激しい演奏が目立つライブでした。

サニーデイの後、MAIN STAGEではトヨロックの責任者?のエージさんからの挨拶。明日のトヨロックは台風の為中止が決まっているけど、トヨロック11年間の歴史の中で初めての中止らしく、疲れとか悔しさが感じられる。橋の下音楽祭でなんとなく見えるファミリー感を、トヨロックには感じたことはなかったけど、やっぱり現場にいる人達には愛着はあって、こういう挨拶を見ると考え直してしまう。でも、そこまで悲壮感がある訳ではなく、来年も来るよって言いたくなるような挨拶でした。最後には司会のウクレレ未知さんがトヨロックのテーマを歌って終わり。来年は無事に開催されると良いな。
__________

10/22日
フリーダムジャンボリー@KDハポン

フリーダム
再始動後の初名古屋ライブ。そんなに活動前からの雰囲気と変わらず。曲も聞いたことのある曲ばかりで、「サイコー」でのハドソンさんの客席乱入も、「なのに」のTHE MUSIC感も懐かしい。「ノイズ・ディスコ」は中盤に披露で、ロミーさんが光の入る量で音が変わる機材を今までは手をかざして操作していたけど、その機材自体を手に持って動かしていたのは初めて見るパフォーマンス。「私は待つわ」みたいな歌詞の曲では、活動休止していてフリーダムを待っていたのはこっちなのに、と変な気持ちになる。アンコールもあって、「なぜ、なぜ、なぜ」みたいなことをロボット声でコーラスする曲。この曲すごく良くて、この曲こそがフリーダムのおかしさ、ポップさを表している曲だと思う。今日みたいな企画もできるバンドだし、継続的に活動は続けて欲しいです。

ミラーボールズ
台風でおとぼけビ~バ~のメンバーが到着しないので、ミラーボールズが先に演奏。最初は恵子さんが少し声を出してから始まった「バカンス」。でも森さんが間違えたのか演奏ストップ。森さんは肩叩かれて、再度「バカンス」。最後の演奏を少し伸ばす格好良い終わり方。次に続くのが「ビッケの子供」「東京の子供達」と花音と被る選曲。「東京の子供達」は今日も手を上げる動きで、「グッゴー」も「グッグルアー」みたいな言い方。他には「黄金平野を走るとき」(この曲は花音で「タイプ的には「野性の王国」に似てる曲」と思った曲)「右目左目」「ペータとリリィ」など。「右目左目」は初めて聞く曲かな。ミラボらしい歌詞だと思いました。MCでは「フリーダムのことを盟友だと思っている」「知り合って10年だけど飲みに行ったのは1,2回だけ」「フリーダムは復活何回もするんで不死鳥に改名してください」など。あとはロミーさんのお子さんのスナックを食べるカシッて音を気にしたりとか。終盤は「ジミー」→「青い鳥」の往年のミラーボールズ感溢れる選曲。やっぱりこの流れは格好良い。恵子さんがドラムにぶつかってなのか、少し転倒しそうになる。最後は「残り時間少ないんで「夜は更けて」を1.5倍速でやります」の宣言。でも、この後少しMCしちゃったんで、1.8倍速の再宣言。そんなに速度は変わってなかった。新譜の歌詞カードを頑張って作ったらしいけど、歌詞と歌っているのが違う部分があるので探してください、とも言っていました。

おとぼけビ~バ~
見るのは5年振りで、持っていたイメージよりも大分格好良くなっている。とにかくゴリゴリな音。ボーカルの人がギター持たずにボーカル専念で、そのギターが無くなった分、ギターの人1人で音分厚くする必要性から来る変化なのかな。5年も見ていないんで成長な気もするけど、どちらにせよ格好良い。歌詞やパフォーマンスは昔からのイメージと似た感じで、ギターの人が客席に突っ込んできたりする。途中のZUINOSINみたいな曲・ビート展開が、上の世代へのリスペクトみたいに感じられたのも良かったです。普段はMCせずにノンストップで演奏するらしいけど、今日は時間稼ぎの為、多めにMC。

この後出演する予定のBLONDnewHALFはギターのジンタさん以外のメンバーが名古屋に到着出来ず。電車が止まってタクシーも順番待ちで全然捕まえられずとのこと。ジンタさん土下座。で、特別にフリーダムがもう1セットライブをすることに。と言っても「ノイズ・ディスコ」1曲のみだけど、ジンタさんも参加。ちょっとバーストしたりもする、サイケなゆっくりとしたギターを加えてくれていました。