お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

6/3-7

6/3土
@鑪ら場

タナ・カミオ
先日の岐阜みたいにルーパーを使用してのライブ。でも、ルーパーを使う曲は前みたいにひとまとめにせず飛び飛びにする。最初は「まっくらさん」。鑪ら場のコンパクトなサイズのせいか、前よりも声の力強さを感じる。他には「アイサツ」「虹」など。「ハレルヤ」に少しメロディーが似ていると思った曲があって、歌い出しがお酒のことだったけど、すぐにコーヒーの話に移る。少し野村麻紀さん的にも感じて、そういえばノビさんって意外とのんべえな歌とかは少ないな~とか思ったりもする。最後は岐阜でも演奏していたルーパーを使う新曲だったけど、パーカッション的に叩いたリズムの音が遅くてやり直したり、曲の途中でもういいや的に止めたりもしてて、やっぱりまだ不慣れな部分がありそう。昨日アルバムも録り終えて、得三ワンマンライブも控えてるそうなので、ルーパーも使っての持ち曲を増やしてるんだと納得。

紙コップス
始まる前からPLUTATAの子供たちが犬小屋に入っててそのままスタート。「きくちのタイフーン」、各務さんがエレキギターに持ち替えての新曲「ドンマイ・マイ・ガール」と、もう1曲の長めな新曲。最初の方のワンコード押しはMad Tapes Erase Groupみたいに思えたり、途中でファンクっぽいのも出てきたり、ポップなコーラスもあったりと聞き応えのある曲です。何曲か終えても子供たちは交互に入ったり出たりを繰り返していて、まっちさんが曲間で犬小屋の天窓の網目の隙間からスティックで突いたら中から(軽くだけど)怯えながら出て行く。その時に「こっちも怯えながら叩いてる」って言ってたのが面白かったです。ドラムに付いてるライトを天窓から当てて子供たちをおびき寄せたりもする。後半は「すなあらし」「ぷちゃへんざ」。今回も2階席から見てたけど、ハポンの時よりはメンバーの姿が見えて、「ぷちゃへんざ」での菊ちゃんのピアノが大変そうと思いました。

ミラーボールズ
前回見た時はライブのキレの鈍さを円熟味みたいに感じて良い印象だったけど、今日のライブを見るともう活動休止前のキレの良さが戻っている感じ。鈍いままでどう変わっていくかも楽しみだったんだけど、この戻り具合ならこれはこれで格好良いと思える。1曲目は「暗闇は好きかい」で歌い始める曲、2曲目はウィリアムの曲と、どちらも久々に聞くけど、活動休止前から歌っている曲。で「ペータとリリィ」「涙のシベリアロック」が続く。「涙のシベリアロック」の間奏部分ではうろつくミラーボールズが見れた。次の「口笛が聞こえる」は歌詞を少し間違えていた気も。「口笛」なのか「くちびる」なのかがごっちゃになっている感じ。この曲ではこれぞミラーボールズ!的に勢いよくぶつかり始めていて、そのままの流れで「青い鳥」。間奏中の勢いもよすぎて、恵子さんは森さんを蹴り飛ばしもする。そのせいか恵子さんの方のギターのマイクの接触?が悪くなったけど、「このギターは今日森くんに見てもらってたんで、森くんのせいです」って語るのもミラーボールズな感じ。最後は「パンツが脱げた」の曲で締め。本当に再認識できた格好良さでした。

長谷川雄一(PLUTATA)
くみさんとの二人Jaajaでのライブ。くみさんのチェロはPLUTATAでも弾いているのを見たことあるけど、1曲目のワルツっぽい曲での同じ間でずっと繰り返し弾き続けているのを見ると、すごく上手い人なんだなと思って、今までそんなイメージがなかったので驚いてしまう。他にも弓を使わず指弾きでコントラバスな使い方だったりと、全曲にきっちり参加。「さなぎのスープ」「動物園」は演奏していたけど、セットリストは今作っているソロアルバムからの曲が多め。PLUTATAで演奏すればそれっぽくは感じるかもしれないけど、PLUTATAな雰囲気は少なめ。MCは今作っているアルバムとか移住先での生活のこと。家で練習していたら外の草の風で吹かれる音やカッコーの声も入ってきたりで、そういう時に「今のやばかったよね?」と感じるそう。くみさんはゆーにゃんさんに「固くなってない?」とか言って、ずっと弓でこづいていました。アンコールは多分アルバムに入らないっていう曲で、「キノも何かする?」って言われて、音は鳴らなかったけど、キノくんがギタースタンドの下の支える部分をくるくる回していたのが良かったです。
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6/7水
スティー部@KDハポン

モモジ
円盤の映画祭の時に撮った、ジョンのサンの神谷さん吉川さんが会話したり、食べたりしている映像を上映。神谷さんがパンを掴むシーンを何度も逆再生・再生繰り返したり、質問に対する吉川さんの回答で何度も同じシーンを差し込んだりのサンプリング・コラージュみたいな作品。モモジさんは始まる前の解説で自分の性癖が表れているって言ってたけど、食卓の机の下での足元のやり取りのことなのかな。結構昔の作品で、見た記憶も何となくあるけど、吉川さんって昔から吉川さんみたいな顔しているなって思いました。

田豊
今回は弾き語りを2曲。両方とも古い曲で、1曲目は中学時代に初めて作曲した曲。初めて作った曲の割にはしっかりしていたけど、本人的には中二病黒歴史とのこと。歌詞に「幼い頃」って単語が出てくるのは、ちょっと背伸びしているみたいで微笑ましかったです。もう1曲は「10年前に作った」って言ったのは覚えているけど、「弾き語りする時用の曲」って言ってた気もするし、「サックス用に作った」とか「歌詞は昨日書いた」(歌い出しは「ひまわりの種~」)とかも言ってた気もするんで、曖昧な記憶。これはカラオケも作っていて、ギターソロ時以外はボーカル専念。曲自体はさっきの曲と同じような印象。ボーカルは普段の濱田さんの声から想像できる感じの歌声でした。

in(鈴木悦久+聖澤聡)
鈴木さんは電子機材で主にビートを鳴らしていた印象。最初の方はダンスフロア向きでない、どっしりとした遅いビート。少しでたらめなスキャットっぽいのも電子機材で鳴らしたりもする。ヒジリさんは管楽器、シンセ、アコーディオンを使用。管楽器ではドローン的に吹いたり、途中でラーガっぽい音階も。中盤ビートの速度が少し上がった時は、ヒジリさんはシンセの鍵盤の弾く速度で対応。やっぱり互いの音をちゃんと聞いているんだな。最後のアコーディオンフェイドアウト的に始まったけど、少し長く続けてアウトロみたいな演奏。転換中のリハでアコーディオンにエフェクトを掛けていたのが格好良かったけど本番では使わず。展開も音の感触も聞きやすいのは、この二人の演奏なのでさすが!と思ってしまう。

スティーブジャクソン
1曲目は新曲?の「パラレル・チョコレート~」なタイトルの曲。初めて聞くけど「スタイリッシュな生活」に近いイメージ。2曲目は「ミルクと牛乳」。濱田さんのギターは前回みたいなエレクトリック三味線ワウで、ヒジリさんのシンセもファンクっぽいリズムで弾いている。モモジさんのベースの、いつものフレーズに余分なのを付けている感じも良かったです。3曲目は「フォークミュージック」。ヒジリさんのシンセは最初の方はうっすら鳴る。一度ブレイクが入った後に少し加速するのは初めて見るパターンかも。次から順番が違っているかもしれないけど、次は「I Saw Her Standing Nowhere」、その次は「点の世界」。始まるとすぐに止めて、「あれ、これかな?」みたいに色々試して、「あ、これだ」って納得した後の歌い方がめっちゃ間違えている気がしたけど、そのまま続ける。スティーブジャクソンなんで、どれが正解とかはなさそうだけど、明らかに変な感じで、鈴木さんは笑っていました。で、久しぶりの「R.F.G.T」。この曲のイントロのハイハットのリズムの取り方がめっちゃ好きで、今日のアレンジではそれが聞けたので満足。ずっと聞いていたいタイム感です。続く「つめあと」は結構鈍い音での演奏。ライブの最初の方はヒジリさんのシンセは軽く聞こえていたけど、その反動みたいにめっちゃ鳴らす。最後の曲は「そっとわれにかえる」。これも前回同様濱田さんのギターは何か所か不協和音な音だけど、思ってたよりは不協和音さは減る。で、この曲の中盤でのヒジリさんのシンセの、音からタイミングから何から何まで完璧に格好良く決まっていて笑ってしまったけど、それを追い越す位濱田さんのギターのフレーズが何これ!?みたいな感じでめっちゃ良かった。最初の方から弾いていたかもしれないけど、気付いたのは最後のサビの時で、行きそうで行かない感じのギターのフレーズが、モモジさんのベースと絶妙に噛み合ってなくて、それがすごかった。このアレンジは色んな人に見て欲しいです。アンコールは「ギター」。ベースの響き方が少し変で生音みたいにも聞こえる。他のメンバーが入ってくるのも遅かったので、最初の方はモモジさんソロでの演奏みたい。後半はバンド全体の演奏になったけど、最後はうるさくなるパターンじゃなくて、自然にフェイドアウト。ここ最近だと一番良いスティーブジャクソンでした。