お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

10/2-6

10/2月
未知との遭遇@KDハポン

いなばはるか
可愛らしい声だけど、歌の内容は暗めなSSW。ウィスパーボイスの絶唱みたいなイメージは持ったけど、開始1秒で否定的な意味でこんな感じか、と思ってしまう。後半は少し明るめな歌詞にはなったかな。「無責任なことを~」って歌った時に、「この後には「歌ってる」って続くんだろうな」と思ってたら、「(無責任なことを)聞かされて」だったんで、ズッコケそうというか、がっかりする。

tohoho
拙いメロディーに立ちドラムをドカスカ鳴らす、相変わらずの変なロック。2曲目の「通勤ドライブ」でのボーカルが聞こえなくなる位大きくなるギターが気になったけど、この曲での「あっ!忘れてた」みたいなタイミングで入ってくるバスドラ連打はやっぱり良い。ライブが進むと、以前にも感じたことのあるイギリスの古いアシッドフォークだったり、湿った音楽性のイメージを持つようになる。でも、急に展開が変わって「あ~、よいせ」みたいなお祭りっぽい掛け声が入る最後の曲は、初めてtohohoを見た時にタートルアイランドっぽさを感じたことも思い出す。MCでは婿が蒸発した農作業のおじいさんの話で、MC担当のベースの人が「蒸発する気持ちって分かりますか?」と珍しく他のメンバーに振る。メンバーは笑いながら「いや、分かんない」みたいな答えでした。

ann ihsa
カセットテープを再生してのエレキギターの弾き語り。1曲目は生で弾いている方なのか、カセットから再生されている方なのかは忘れたけど、marronさんみたいなポップな感触なギターの音。2曲目はチープなリズムトラックの音が鳴る曲で、ギターを膝に寝かせてネックの端から端までスティールギターみたいにして使う。ann ihsaさんも可愛らしい声だけど、歌の内容はどっちつかず。3曲目以降はカセットを使わずの生演奏になって、そうなると段々と曲も可愛らしく思い始めてくる。途中、お客さんにシェイカーを渡して、渡されたお客さんが「どの位のスピードですか?」と聞くと、「合わせます」との回答。なので自由に振ってもらうも「それ速いです」と言って、結局はann ihsaさんの間で振ってもらう。最後の犬の曲は、お客さんにワンワンと言って欲しい曲。地元の大阪でも言ってくれる人は0人らしいけど。この曲の途中でカセットを再生するもデッキが壊れたのか再生されず。するとann ihsaさんが自分でワンワン言い出す。多分カセットにワンワンな声なり音が入っていたのかな。この曲も可愛らしい曲でした。

Hammock Scotch Business
メンバーはギター、ベース、キーボード(ex.oasobiミオさん)、ラップトップの4人でドラムレスな編成。多分ラップトップからはドラムの音も。でもドラムの音質がチープとかでなく少し古いように感じたけど意図的だったのかな。1曲目はリリックビデオを流しての演奏。英歌詞の曲でギターの人が主に歌う。2曲目からは日本語詞。ボーカルはギター、ベース、キーボードの人がそれぞれ取って、曲調も違うので多分それぞれの作曲。ギターの人の歌う曲が一番印象に残って、ゆうき(オオルタイチYTAMO)とか好きそうだと思いました。
__________

10/3火
Fraudband(from Australia) Japan Tour@なんや

川口雅巳
1音1音がはっきりとした音で鳴るギター。ぼんやりしたサイケ感よりはアタック感のある音。催眠効果がありそうな、ゆっくりとした日本語詞の歌は、JOJO広重さんとかの世代の歌い方ってイメージがあります。1曲が長くて合計3曲。2曲目での高音・低音の弦を掴むようにして同時に鳴らしていたギターが印象的。最後はディレイ掛かった曲。歌よりもギターの音の方が気になる人でした。

NARCO
今回は響子さんはダクソフォン+電子機材、ヒロアキさんはギター+モジュラーシンセ。最初は丸みのある、アタック音の少ない電子音。軽い音のテクノみたいなのは、tsujimachiBLD辻井さんがソロで使う電子音と似てる音だなと思う。その後はビートが出てきたりで明るい音になる。前回のパルルでの古池さんとのセッション時よりはもっと機械的な明るさで、ダクソフォンの音にもエフェクトが掛かったりする。響子さんが花柄の法被みたいなのを羽織っていたんで、スーパーや家電量販店みたいな意味での明るいイメージもあり。その後はヒロアキさんの歌うvelvetsっぽい曲に移って、最後にもう一度即興。壊れたキーボード音が重なって、それに「アー、アー」なスキャットも重なる展開で、ネジ巻いてカタカタ動き出す歯の小物楽器も使用する。全編にわたって見所のある良いライブでした。即興演奏も上手くなっていると思います。

Fraudband
ギター、ドラムのデュオ。ドラムの人は最初ブラシで叩いてのゆっくりとしたスタート。まだ助走の段階で、ギターもそんなにうるさく鳴らず。この後ブラシからスティックに持ち替えて、手数が多くなるドラム。スティックの持ち方もジャズな持ち方。ギターの音量も上がり出して、徐々にノイズロックへ。楽器それぞれのタイミングの取り方は確かに「Goo」「Dirty」の頃のSonic Youthで「evoking a raga-damaged Sonic Youth」の紹介文は分かる。ライブの印象がSonic Youthみたい止まりになるのは嫌だったけど、手数の多いドラムソロをずっと続けているのは文句なしに格好良かったです。The Coral「Skelton Key」のMVみたいに流れるような叩き方。ギターの人は靴を履いていたけど、途中靴を飛ばすようにして脱ぐ。ギターをアンプに向けてフィードバックを出そうとしている姿をなんやで見るのは初めて。曲自体の振れ幅はそんなになかったけど、演奏で見せることが出来るバンドでした。ずっと気になっているThe Bevis FrondとのSplit LPを出していたので、買う。
__________

10/6金
mmmとエマーソン北村の西部開拓史@KDハポン

中原翔太郎
声のざらつき方は前とほぼ同じ印象だけど、前回とは違うライブの進め方。最初の方の不満系の歌は静かなアルペジオを使って、途中からコード弾きの曲になる。この2種類の曲があって、ライブの流れを上手く運べば良くなりそうだけど、今日は特に何も起こらず。前回も演奏していた、最後のFコードの曲は記憶に残っていました。

エマーソン北村
ソロでの演奏で、シンセとリズムボックスを使用。シンセ音はエマーソンさんの基本となる音で、ゆっくりとしたリズムボックスのビートと相まって心地良い音。最近配信で発表した「窓から」「雨の坂の足許」も演奏していたけど、自分が唯一持っているアルバム「遠近に」に近い印象の音楽のままライブは進む。1曲だけ自分がMUTE BEATにいたことを思い出すぞ!って曲もあって、確かに他の曲に比べると真っ当なビートのレゲエ、ロックステディ曲。それ以外の他の曲も自分なりのレゲエ、ロックステディ曲ではあるらしい。ハポンには思い入れがあるそうで、sakanaポコペンさんやマニュエル・ビアンヴニュと一緒に来た時にも、ソロとしての演奏があって、それはまだ今のエマソロを始める前の話なので、その時の演奏が今の活動の種になっている、みたいなMC。あとはmmmさんの声がすごく良いとも。その後「歌う曲やります」って言ってたけど、メロディーではなく語る曲。歌うのは無理なのかな。機材のことなのでよく分からない部分があるけど、サイン波?しか出せないけど音を入れることによって今ライブで出しているような音が使えるようになる、みたいな説明をしていた機材があって、今日は特別にその機材のみで曲をすることに。別に単調なサイン波だけが出てるわけでなく、浮遊感のするシンセ音。途中バチバチみたいなノイズが2回続くと、「あっ、これはこの機材を使うにあたって、こういうノイズも出てしまうけど、それでも愛着があるのだな~」と思ったけど、端のボタンを押されたらノイズは無くなったんで、そうではなかったです。

マツバナオキ
最初に長めのMCで色々忘れられない人達を挙げての「忘れられない人」。途中の「かわい、、、」の時に「可愛い人のレジに並ぶ」って歌う曲だっけ?と思ったけど、「乾い、、、た」でした。今日はレジの曲はせず。次に、しとしとぴっちゃんと歌う雨の曲。この曲は聞くの初めて。その後「夜の銀河」「クロール」が続いて、ビックリマンシールのゼウスの話と神は血から生まれるっていう神話の話をしてからの「ラムネ」。「夜の銀河」はバンドメンバーだけど、それぞれミミコまりこさん、大場ともよさん、kiiiuさんと女性も歌う曲。「ラムネ」はkiiiuさんと歌ってた時から歌詞を足したのか、前は「キラキラシールはあげない」で終わってた気もするけど、その続きがあり。最後にしていたもう1曲も確か聞いたことのある曲だったはず。マツバさんソロはガットギターによる演奏なので、ミミコで感じた「夜の銀河」でのポンキッキーズ感はなし。

mmm with エマーソン北村
2人とも出突っ張りで、mmmさんはエレキギター+ボーカル、エマーソンさんはシンセに1回だけリズムボックス使用。最初の曲は二階堂和美さんが歌う斉藤由貴「卒業」のカバーみたいとか、2曲目で2人がギター、シンセをタイミングを揃えて鳴らしたりして楽しそうだと思ったけど、mmmさんの暗い雰囲気の曲にエマーソンさんのシンセがサポートで入るだけの、想定の範囲内みたいな感覚に終わった序盤。で、mmmさんが「明るめの曲やります」って言った曲からは雰囲気も柔らかくなる。この曲は4年前にASKAが捕まった時に書いた曲で、この時もASKAに捧げられていました。この中盤辺りからはお互いの音が絡み合うというか、バンドっぽくなる。エマーソンさんの、曲に勢いを付けるために声を重ねるみたいなコーラスもやっぱり楽しそう。隅田川近くに飲み友達と集まるところがあるってMCの後に演奏されていた「お酒も良いよね。友達も良いよね」みたいなことを歌う可愛い曲も良い。ポップに一皮むけたCAT POWERみたいな印象。で、プライベートな話のMCがあって、ご飯を作るとかの生活の歌。その後mmmさんはベースに持ち替え。この時に「ベースを使うコーナー」って言ってて、やっぱりコーナーって言葉は使うんだな。エマーソンさんは色んな楽器をする人は小難しくなりがちだけど、mmmさんにはそれがないのが良いと褒める。この曲での「フー」みたいな歌詞のつなげ方が良くて、ピーターフォークが歌っていても似合いそうだと思う。この1曲のみでベースコーナーは終わり。「今日は1曲だけだけど、明日の大阪ワンマンではどうかな?」って言ってたんで、このユニットがこれからも定期的に続いて曲が増えていくと良いな。ベースの後はmmmさんはまたギターに戻って、最後には一番新しい曲と紹介された「新しい朝」みたいなタイトルの曲。今回の「mmmとエマーソン北村の西部開拓史」っていうツアータイトルは気に入ってるらしく、他の案として「ドラえまんともえ太」ってのがあったみたい。色々出してくれそうなエマーソンさんって意味も込められているそう。アンコールはmmmさんの「flower」っていうピアノだけのインストの曲があって、今日はエマーソンさんがハポンのピアノを弾いて、mmmさんはエマーソンさんのシンセとリズムボックスを演奏。多分紙のメモにどう操作するのか書いているのか、そのメモを見るmmmさん。たどたどしくも一応は出来てる感じ。最後はきちんとやります的に、mmmさんギター+ボーカル、エマーソンさんシンセに戻って、もう1曲演奏して終わり。