お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

2/28-3/2

2/28火
スティー部@KDハポン

田豊
ガットギターによるインストを2曲。単音多めでチョーキング、ライトハンドもあったりと手がずっと忙しなく動いてるけど、わびしい曲。途中でボディ横に付けた布を弦に当てるように被せて、残響音を少なくさせたりもする。イメージとしては、デレク・ベイリーな即興演奏な弾き方だけど作曲された曲とのこと。1曲目のタイトルは「優しい森には神話が生きている」。2曲目は1曲目に比べると忙しない感じは少なく、厳かな雰囲気で、思い起こさせる情景は城だった気がする。こっちのタイトルは「2008年2月29日」。最後はエレキギターに持ち替えてビートルズ「イエスタデイ」のインストカバー。ゆっくりと時間を取ってメロディーを弾いてるのが良かったです。

武村モモジ
本当はlet us be lovers!(モモ爺+ヒジリ)の出演だったけど、ヒジリさんが残業で来れなくなったんで、急遽モモジさんソロ。「くりかのこ」とかも名乗らず、ソロやりますー、みたいな感じでスタート。エレキギターを膝の上に寝かせて置いて、エフェクター?ミキサー?に繋いでのインスト。ギターは弾かずにブリッジ下辺りの弦を押さえて、うにょーん、うにょーん、みたいな音を鳴らす。ループとかは使わず必要な音をその場で作っていた感じ。非ギター的な使い方と姿勢で、ターンテーブルを楽器的に使う人にも見えました。10分位の演奏時間。

鈴木悦久
鈴木さんのPCのHDにある、未発表のSJのスタジオ録音の音源が日の目を見ないので、それらを成仏させるために、音源を流してそれをカラオケに生ドラムの演奏。スティー部から退部された成田さん期の音源。モモジさんがボーカル入れる前なので、ベース、サックス、ギターの音はあり(多分シンセの音もあった記憶)。1曲目は「ミルクと牛乳」。最近出したカセットの音源とは違い、サックスの音が入っていて、しかも結構目立つプレイ。2曲目は最初の方気付かなかったけど、成田さんのスカっぽいギターが入ると「つめあと」だと分かる。こんなアレンジあったな~と懐かしく思う。3曲目は、鈴木さんがポストロックの傑作になりえたと話す「フォークミュージック」。この曲は今の印象とそんなには変わらず。最後はライブでもしたことがないという曲。ボーカルが入るとどんな印象に変わるか分からないけど、ポップな曲になりそう。成仏させるってことなので拍手厳禁のライブでした。

スティーブジャクソン
1曲目「I Saw Her Standing Nowhere」、2曲目「スタイリッシュな生活」。ヒジリさん抜きの影響があったって訳ではないと思うけど、濱田さんのシンセっぽいギターの鳴らし方ってやっぱり面白いな~と思う。「スタイリッシュな生活」から間髪入れずに「Don't Trust Under 23」に入る流れが格好良くて、スティックを2本使ってシンバルを挟んで鳴らす鈴木さんのプレイも良かったです。その後「つめあと」「ミルクと牛乳」と続いて、最後は「そっとわれにかえる」。いつもより間が遅く、1.1拍位ズラしてて、鈴木さんのいつもと違うタイミングで入れるタムも、そのズレを助長させる感じがしてすごく良かった。何回見ても何かしらの変化を見せてくるバンドで、その変化は大体いつも良い。
__________

3/2木
ひな祭り前夜祭~昭和歌謡を奏でる音姫?達@釜晴れ

女勝りバンド[萩之茶屋まり子(vo,gt)加納麗花(7弦gt)西大寺絹代(key)幸うす女(め)(ba)]
萩之茶屋まり子さんは女装したカオリーニョ藤原さんで、他のメンバーも女装しての演奏。カオリーニョさんの自作曲はほぼやらず、昭和歌謡のカバーばかり。「男はみんな狼よ」って歌う曲は多分自作曲だと思う。カオリーニョ藤原名義でのライブでも聞けるのは「愛のさざなみ」「爪」「みんな夢の中」「伊勢佐木町ブルース」で、他のカバーでは「京都慕情」「愛して愛して愛しちゃったのよ」など。女の人の気持ちを歌った曲が多かった印象。お客さんは年配の方が多く、曲紹介をすると「知ってるわ~」「ええな~」の声が上がり、一緒に歌う人も。お客さんも面白い人が多く、「あの人、カオリーニョさんに声似てるな」と本当に思っている人もいそう。選曲も含めて、釜晴れはまだ出来たばかりのお店だけど、西成のこういう雰囲気がカオリーニョさんを形成していったのかな~と思ったりする。バンドのアレンジも良くて、特にKeyの空間的な音は今まで聞いてきたカオリーニョさんの音作りにはない要素で新しい発見。コーラスの入れ方もRufus Wainwrightの3rd,4thを思い出したりと、好みなアレンジ。この編成での音源も聞きたいです。歌謡曲以外にも、絹代さんが歌うマダガスカルの曲で、現地の発音で「オメコ・アナルト」みたいなタイトルの曲も良かったし、曲の最後の方にブラジルの音楽家の名前を下ネタに絡めて言う「イパネマのゲス娘」、麗花さんと絹代さんデュオによるインストの熱いプレイや、お客さん含めみんなで合唱する童謡「うれしいひなまつり」もあり。最後は「愛の讃歌」のボサノバVer.「愛のサンバ」。メロディーは原曲のまま(歌詞は日本語詞)で、アレンジはボサノバ調。歌詞も元々良いし、まり子さんの声で歌われると堪らないものがある。カオリーニョさん名義でも聞きたいです。