お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

3/3-7

3/3金
松倉と勝と光永と継吾のワンマンライヴ!@拾得

松倉と勝と光永と継吾
1曲目「星」での勝さんが弾くピアノに、おまつとまさる氏の二人の時では出来ない自由さがあって、このバンドが単におまつとまさる氏+2でないことがすぐに分かる。バンドの一員としての音を鳴らしていて、光永さんと岩見さんの二人もすごく良い演奏。松倉さんはバンドの音でやりやすさがあるのか、いつもより大きな動き。選曲は勝さんが歌う曲もあったけど、松倉さんソロ曲が多く、聞いたことない曲もいくつか。今回ツアー用に作った「SETSUBUN」に入ってる曲はほとんどやっていたはず。ライブは1,2部とあったのでたっぷりと聞けて、特に良かったのが「うまく踊れるように」。UAが売れ始めの時期にクアトロとかを回ってたらこんなんじゃなかったんだろうか、と思わせる程の歌声と演奏。その感覚は「いとしい人」でのリズム隊の良さからも感じることが出来て、拾得も良い場所ではあるけど、この場所で見るのは凄く贅沢なことだと思ってしまう程。アンコールは松倉さんが一人でピアノ演奏しながら歌う「あなたの船」。ピアノの練習をしているそうで、難しそうなフレーズがないので無難に弾いてました。あと、セットリストの順番を間違えそうな時に「あっぶね、気付いて良かった~」とか言う岩見さんのキャラも良かったです。
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3/4土
ピーターフォーク「ヤキモキ」発売記念 "YAKIMOKI エヴリデー"@KDハポン

テト・ペッテンソン
昔からの曲の印象は変わらないけど、今回新曲が3曲(久しぶりに見るんで新曲かどうかは分からないけど)。2曲目に披露していた気怠いKeyが入るvelvetsみたいな新曲はドラムの人が歌えば似合いそうなビート感。最後の新曲はギラついてる感じが曲にもVoの人の目線にも表れていたのが良かったです。

百景借景
今回は河合さん万作さん二人での編成。1曲目は万作さんのviolinが絡んでスタートする「連なる糸」。2曲目は「黄昏の町工場に」。他は「歌でもうたえば」など。万作さんはアコギとエレキギターを曲ごとに持ち替えで、ギターも音小さいと感じる時あったけど、それはそれで味になる演奏。河合さんはコントラバスに専念していて、弓を使っての演奏を聴くと、もっと弦楽器と絡んでの重奏も聞いてみたいな~とか思う。万作さんボ-カルでのツクモク「パイロット」もあって、昔この曲を聞いた時に、USインディーな要素を感じたことがあるんで、この二人で歌えばめっちゃはまりそうと思ったけど、期待以上のものにはならず。曲名が分からないけど、最後の曲の染み入る感じも印象的。前にブラジルで見た時のハプニング・ミュージックな演奏はなく、今日は歌を聞かせる日でした。ピーターフォーク大介さんに対する「兄ちゃんと昔バンドやってたぞ」っていう先輩な万作さんのMCと、鯖カレーがおいしいっていうBateriaの店紹介な河合さんのMCが面白かったです。

FRIENDLY HEARTS OF JAPAN
多分ほとんど新曲で、聞いたことあるのは前からやっている1曲目と「506」だけ。それでもフレンドリー節は変わらず。曲を弾いてない時でも、薄めにビービー鳴ってる程ギターの音が大きめだったのが、今までとは少し違ったところ。楽器をパートチェンジする前にやってた、velvetsの吐き捨てる感じのポエトリーっぽい曲(一応フレンドリーらしいメロディーもあるけどイメージとして)が格好良かったです。

ピーターフォーク
1曲目が「ピーターフォーク」。初めて「なめてかかったら小粒の山椒」の部分が聞き取れる。2曲目が「たぬき」で、この曲での乱れてるような歌い方で一気に好きになる。その後もアルバムの曲が続く。前にジョンのサンっぽく感じた、ピアノを使う「ラン・チャーム」はピーターフォークの中では異色で、今回は最後の方に演奏される。セットリストの順番でも全体の印象は変わるな~と思いました。ボサノバっぽいギターの使い方にシロフォン、ミニアコーディオン、リコーダーなど。こう見るとテト・ペッテンソンとの共演も分かる。最後の方には今日の感想に見せかけての、歴史を振り返るような長いMC。色々バンドとか人の名前も出てきたけど、実在する話なんかな。他のMCも良かったです。今まで見てる回数は少ないけど、一番良い感覚で見れたライブでした。
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3/5日(昼)
@Honky Tonk

大場ともよ
会場の大きい窓に射し込む日光とtomoyoさんの歌との対比によるドラッギーなサイケ感がすさまじかった。完全に良い意味で。tomoyoさんの歌って夜のイメージが強いんだな。選曲は本人も言ってたけど暗めな曲が多く、マツバナオキさんの「クロール」、春の歌として紹介した「蘇州夜曲」(これは初めて聞く)、小池さんの「ショッピングモール」のカバーも。今回は「シスター」も「赤毛のレディー」もなかったけど、演奏された曲はどれも馴染みの曲ばかりなんで、5月に出るアルバムには収録されていそう。

小池喬
特に印象は変わらず、いつもな感じ。1曲目「自由帳」の「ワン、ツー、スリー」の時に外の横断歩道の信号がタイミングよく変わったことが面白かった。他は昆虫の曲、「宇宙のくしゃみ」「どうもありがとう」「TAKE CARE」「Good Bye My Friends」「階段のあがりはな」「コンビニ」「未来系おにぎりバンブボン」「コメットさんの再放送」と、長めな演奏時間。「TAKE CARE」はYO LA TENGOのカバーと思ってたけど、BIG STARのカバーだそう。YO LA TENGOもBIG STARのカバーしてそうだけど。tomoyoさんのアルバムが出たら、カバーできるよう勉強するそうです。MCでは、昨日名古屋グランパスFC岐阜の試合を見に行ったとかのサッカーファンな話。

安藤明子
安藤さんもそんなに印象変わらなかったけど、やっぱり曲が良いと思う。選曲も聞いたことある曲多めで、高田渡さんの「私は私よ」、CD整理していたら見つかった昔参加したコンピの曲も。コンピの曲は今とは違うテーマを歌ってるんで(確か「歩いて帰ろう」的なテーマだったと思う)、そういうのは成長なのかな。アンコールで演奏された「パパ」が安藤さんの曲では今までで一番印象に残ってるんですけど、今回は1曲目の「ステキなキス」の「君は思わないかい?」の部分がすごく良かったです。
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3/5日(夜)
松倉と勝と光永と継吾はじめてのツアー@ブラジルコーヒー

TRIOLLI(高倉一修、河合愼五、杉山明弘)
1曲目は高倉さんのサックスと杉山さんの鍵盤のデジタルな音がユニゾンするところが面白くて、色々と音楽的に試したいことがありそう。その後は高倉さんがギターに持ち替えて歌う曲で、複雑な流れがGUIROに近いイメージ。1曲目でも思ったけど、作曲面でも実験的な精神が根本にはありそう。他は河合さんらしい曲が1曲あって、杉山さんはたまごサンドの曲と、良い噂を聞いていた「島」。「島」は噂通りの良い曲で、この曲を聞いた時に思い出したのは、去年の年始に見たログメンに7586の系譜なメロディーを感じたことで、今の3人が集まってのTRIOLLIなことに感慨深さ(見てる回数が多くないんで深くはないけど)がある。最後はGUIROの「ABBAU」で、「島」の流暢さに比べると、力技で聞かせる感じ。昨日の百景借景の時も思ったけど、河合さんはカタリカタリの時よりもMCが楽しそう。河合さんのライブ告知の時に、小さく「ずれる」のメロディーを弾いている杉山さんも良かったです。

松倉と勝と光永と継吾(松倉如子、渡辺勝、光永渉、岩見継吾)
京都とほぼ同じような印象だけど、席がもっと近かったんで、迫力のあるステージ。松倉さんってあんな横の動きしてたんだな。セットリストもワンマンじゃない分、いくつか削除されていて「カレハフルフル」「バッタハラッパ」「いとしい人」は無し。「いとしい人」は京都でのライブで一番印象に残ってたんで、名古屋でも聞きたかった。虫に刺される、みたいな歌は京都ではやってなかったと思う。アンコールの「あなたの船」は京都と違って4人での演奏。ツアー最後の日で、松倉さんはいつもな感じのMCだったけど、「今のバンドが楽しい!」ってことはすごく伝わってきました。
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3/7火
@得三

Dragonfly
外国人のVo+Gt,Ba含む4ピースバンドで、英歌詞で歌う。静かな曲とロックな曲があって、カントリーっぽいソフトなメロディーのアメリカンロック。特にそれ以上の感想はないけど、メンバー紹介でVoがBaを紹介した時に、Voが次のGtの紹介を続けてるのに、Baが「後2曲やります」って言い出して、MCが被る。で、微妙に間が空いて、Voが次にDrの紹介をする。BaがVoが他のメンバー紹介をしているのに気付いたのか、被ったMCで紹介されてるのに、BaがGtの紹介をもう一度する。こういうメンバー紹介は初めて。

汽水域[山田亮(pf)笠井亨(b)十三(ds)]
最初の方はゆったりとした演奏で始まって、山田さんのピアノも心地良い音。途中からベースの音にディストーション掛かっても心地良さは変わらず。最後の方になって、山田さんのピアノがフリージャズなピアノになって、バンドもそれに合わせての加速。大まかに3曲あって、2曲目は少し小作品な内容。この曲でのイントロの十三さんの叩き方がMTEGの曲と同じにも思えて、十三さんの他のユニットとの地続き感があるのかと思ったけど、曲が始まったら全然違ってた。3曲目も2曲目に近いイメージで、笠井さんは逆回転のエフェクトを掛けたりもする。今までの十三さんのユニットにはないタイプの音楽でこれからの活躍が楽しみ。1曲目の最初の方の心地良い音は特に気に入りました。

かんぱち[小倉英樹(vo.g)小宮勝昭(ds.per)]
小宮さんはリズム&ドラム・マガジンの元編集長で、さすがにドラムはしっかりとしたプレイ。途中のジャンベの演奏もすごく上手くて、こっちの方が印象に残る。で、小倉さんのギターは、もしかしてドラムのタイミングと合わせてるのかと思う程ストロークばかり。歌は普通で、いくら小宮さんがすごいドラム叩いてもあんまり魅力は感じなかった。もっとテクニカルなバンドでの方が楽しめたと思う。