お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

6/20-26

6/20火
@得三

NARCO
1曲目は「エルサレム」みたいな曲で、ヒロアキさんはひっそりとギターのコードを鳴らす。響子さんがポエトリーっぽく歌っていたのがいつもと役割が逆みたい。その後はヒロアキさんはモジュラーシンセを使い出して、響子さんもダクソフォンを使い出したりと即興要素が強くなる。響子さんのダクソフォンも単に認識できるって意味で聞けるようになってきたけど、モジュラーシンセの音に相殺されていると思う時あり。久しぶりに聞けた「裸足のフローネ」からは、ほのかにブラジルっぽいメロディーと感じることができました。

古池寿浩(tb)+十三(ds)+辻井浩司(b)
最初はスネアに張った弦を弓で擦って、広がりのある音を出す十三さん。ダクソフォンを意識しているように見える使い方。その後は多分ELECTROGRAVE製のエフェクターを使ったりと叩かずな演奏もする。辻井さんはベースだけでなく電子機材も使用。古池さんはトロンボーンで、コイケデリック・キノーシス・エレクトリックの時みたいにループなども作ったりする。リズムができてからは、辻井さんはそれに合わせるようにベースを弾き始める。十三さんもブラシで叩き始めるも、ドラム音は処理されている音だったりと、エレクトリックな音。そのセッションはひとまず終わって、次へ。古池さんが電子機材を触っている時間が多かったけど、2セット目は生音主体なセッション。十三さんと古池さんの音に対して、辻井さんは様子を窺うように軽くベースに触れる。後半十三さんはJoss TurnbullさんやELECTROGRAVEの小池さんとのセッション時みたいな、スネアの弦を細かく叩く演奏になる。あの弦を使うと、そういう方向に進み出すのかな。前半のセッションでの古池さんのトロンボーンの抜けの良さが一番良かったと思います。

内橋和久ソロ
最初はダクソフォンの演奏から。まずタングを叩いてのビートのループを作る。エスニックなリズムは外山明さんとのセッションみたい。弓を使って出すダクソフォンの音も完全にコントロールしきっていて、その音を重ね合わせた時にはダーティー・プロジェクターズみたいに感じて、本当に声っぽくなるんだな~と思う。タングの穴に棒を突っ込んでガタガタ鳴らしたりと、色んな奏法がありそう。これまでは内橋さんなギターの音のイメージはあったけど、今回のライブで内橋さんなダクソフォンな音のイメージもようやく感じることができそう。その後はギターでの演奏。4月の浜松の時みたいな、ぱっ!ぱっ!って切り替わる転換の速さを期待していたけど、もっとゆったりとした余裕のある演奏。少しうとうとしてしまって、集中して見れなかったのがもったいなかった。アンコールは再度ダクソフォン。テープを貼り付けて、それを剥がしたりする振動も利用していました。
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6/22木
World travel in TOKUZO ~まどかはダブルヘッダー~@得三

PLUTATA
ライブハウスで見るのは久しぶりで、音響設備がある環境で見るとちゃんと格好良いバンドだなと思う。トッキーさん不在もBATERIAの健太郎さんが代わりに参加で、普通のドラムセットでの演奏だったけど違和感はなし。前回上手さに気付けたくみさんのチェロも、Teenage Fanclubの「Only With You」みたいに感じる時もあったまどかさんのピアノも、バンドの中での音のバランスが良い。キノくんとニノちゃんもGIANT STEPSならぬLITTLE STEPSとして参加していて、プチ獅子舞みたいなのでは口の開閉の動きが時々リズムと合ってたりしていたのも良かったです。セットリストはPLUTATAの曲以外にも、鑪ら場のゆーにゃんさんソロ時に披露していた、薪ストーブの曲もバンドで演奏。平井さんも途中「ゼロ」って曲に参加していて、平井さんらしいロックンロールなギターを鳴らす。その曲が終わると、ゆーにゃんさんから「プロ意識とかあるの?」っていう結構ひどい質問。平井さんは「ありますよ」な回答でした。最後は「動物園」で締め。

平井正也BAND
メンバーは平井さんギター+ボーカル、まどかさんキーボード、ふちがみとふなとの船戸さんウッドベース、僕のレテパシーズの鈴木亜沙美さん(通称アディー)ドラムの4人。マガズロよりはソフトな印象だけど、船戸さんは曲をドライブさせるように弾きまくっていて、こういう演奏の船戸さんは初めて見たかも。アディーさんは初めて見る人だったけど、今日だけだと特に良さは分からず。でも平井さんとのライブ盤を出していたりする人なので、本当に平井さんがやりやすい人達を集めたバンドなんだなと思う。セットリストには「ここでうたえ」「ぼーっとして夕暮れ」とマガズロの曲もいくつかあり。他には前にie goricoでの平井さんまどかさんデュオ時に披露していたおならの曲も。ドラマの主題歌みたいって言ってた「コントローラ」は多分やってないはず。平井さんがギターパンダみたいなロックンロール伝道師に思えたりと新しい発見もあったけど、ie goricoで見たデュオでの期待感からすれば、バンドでの良さはこれからもっと出るのかな~とも思いました。最後はまどかさん作の「お茶」。まどかさんの歌い方がちょっと魔女的にも感じたりする。アンコールはPLUTATAを迎えての「うその地球儀」。この曲すごく好きです。Wアンコールもあったけど、アディーさんが東京へのバスの時間上無理なので、健太郎さんがドラムを叩くことになる(健太郎さんはアンコールではスネアとカウベルを使用)。曲は「マジックバス」と良いチョイス。「私も見たい!」ってことで、アディーさんは自分の持ち込みのスネアとかを取り外して、帰る準備もしての多分出口付近からの観覧になっていました。平井さんは健太郎さんが曲を知らないことを心配していたけど、歌っている最中の動きでリズムが変わるタイミングとかを分かりやすく示す。この曲でのくみさんと船戸さんの弦楽器の重なりも良かったです。MCではPLUTATAについて、世界の音楽を本格的に追求している訳ではなく、格好良い部分を取り出している点が自分と共通していると話す。でも、さっきのプロ意識の質問には困っていたそう。
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6/26月
DAREDA JAPAN TOUR 2017@KDハポン

辻井浩司
得三セッション時と同じくベースに電子機材を使用。スタッカート強めなキレのある音のループで始まって、最初の方はベースよりも電子機材を多めに触る。徐々にベースを弾く回数が増えてきて、中盤はエフェクターでそういう音にしていたのかベースの音をギターとかハープみたいに感じる軽めな音にする。最後の方は音量は同じだけど、リズムの粒が揃っていないベースな音。あんまりノイズ方面には向かわず、以前にも感じたことがあるテクノっぽい感触が残る。20分位の演奏時間でした。

tohoho
ミニギターみたいなの使用は変わらずだったけど、エフェクターの効果が大きくなってて、ギターソロ時以外の伴奏の時にもエフェクターの音が目立つようになる。歌に関しては音程の範囲がやっぱり面白いな~と思う。ドラムのドカスカ感も今日は良い具合に下手に聞こえる時もあって、響きも良い感じ。曲もいくつか覚えてきて、今日は新曲もあり。間の入れるタイミングとかがトゥラリカに近いのかなと色々考えたりもする。最後の「通勤ドライブ」でのバスドラだけになったりする行き当たりばったり感も面白かったです。

水性人間(武藤宏之+松田和彦)
武藤さんは電子機材、松田さんはギターの二人ユニット。2セットあって、1セット目は武藤さんのめくるみたいな音のノイズがうるさい時もあるけど、ノイズは控えめな印象。松田さんは武藤さんのノイズの合間にジャラーンとギターを鳴らす。あんまりフレーズとか弾かず。2セット目は本格的にうるさめで、丁度耳を壊す範囲の音域だけを鳴らしているような武藤さんのノイズ。さすがです。ドローンっぽくはなく凸凹もある程度あって、リズムっぽい音も鳴らす。松田さんは1セット目よりも音は大きくなってた気はするけど、あんまり記憶になし。coptic lightみたいに感じた時もあったけど気のせいだったかな。

DAREDA(JA/FR)
日本人シンセ奏者とフランス人ドラマーの二人ユニット。シンセはベース音を兼ねていて、オルガン風やうねりまくる音も鳴らす。そのシンセの音と、ドラムの(tohohoとは違う)ドカスカ感もあって、曲が長くなったHOSOMEやTHE LOCUSTな雰囲気。格好良いのは分かるけど、10年前にもいそうなバンドと感じてしまう。