お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

8/5-11

8/5土
WORLD BEER SUMMIT@久屋大通公園 久屋広場

ホテルニュートーキョー
開演時間過ぎにリハっぽく緩い曲。「WORLD BEER SUMMIT!」みたいなナレーションで、ようやくスタート。1曲目も音数の少ない緩めなインストで、管楽器隊はスタッカート気味。編成はGt(リーダー),Ba,Dr,Key,管楽器×3,スティールパン+Per,時々ボーカルも取る女性Keyの合計9人。久しぶりに聞くポストロックな感触は懐かしくもあるけど、良い塩梅の管楽器隊の前に出てこなささが少しPOPOみたいにも思えて、昔はシーンとしてつながりはあったのかな~と勝手に考えてしまう。女性Voの声も同様に前面には出さない感じだったけど、ここではクラブだったりリミックスみたいに聞こえてきて、管楽器の使い方に関しても同じような意識なのかな。前半の緩い曲ではスティールパンがよく使われていたけど、途中から毛色が変わってきて、バンバン叩くDrに乗せ、スティールパンの人もコンガを叩き出して躍動感の溢れる音へ。イントロで歓声が上がる曲もあって、その曲では管楽器のソロもあり。ギターの人も曲終わりに長めのうにょうにょした音を出したりもする。でもパワーで押すような曲ではなく、全体の音量よりも音の落差で曲を作っているみたいな感じ。終盤にはまたスローな曲になって、アンコール含め1時間程。最初の方の緩いながらも緻密な造りに思えた曲の方が好みでした。
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8/8火
WORLD BEER SUMMIT@久屋大通公園 久屋広場

Lee & Small Mountains
ローズレコード所属ってことで気になっていたけど、本当にローズど真ん中みたいなバンド。甘い声に管楽器も入るポップな音楽で、メロディーに前野健太さんが少しちらつくのも曽我部さんの好みっぽい。編成はLeeさんGt+Vo(時々Vo専念),Gt,Ba,Dr,Key,Sax,Trumpet。Drはオッキーさん、SaxはUJさんと原田茶飯事バンドでもお馴染みの二人。他の人は歌に添えるような演奏だったけど、ベースの人だけうねりのあるプレイで一人目立つ。Leeさんのコール&レスポンスはあんまり反応なかったけど、それでもめげずに続ける姿勢には好印象を持ちました。多分新人だと思うんで、これからも頑張って欲しいです。

在日ファンク
Gt,Ba,Dr,管楽器の入り方も全て踊る仕様なのに、メロディーには歌謡曲っぽさがあって、これは分かりやすく歌謡ファンク。ハマケンのパフォーマンスもマイクスタンドの使い方、股割りも完全に見せ方を分かっているエンターテインメント。さっきのLee & Small Mountainsに比べると堅実ながらもビシビシと決めてくる演奏で、管楽器が重要な役割。セットリストは城の曲、「爆弾こわい」(お客さんが手を上げるノリも完成しているんだろうな)、飽和がテーマの新曲など。コール&レスポンスの曲での「ビール、ビール、ビルとビルとの間」ってのも良かったし、「氷結のCMに出たい(CMでハマケンと共演しているのはスカパラ)」も面白かったです。最後の極楽鳥みたいな歌詞の曲での変なリズムの歌い方は好きな感じの崩し方。お客さんがいればいるほど、盛り上がれば盛り上がるほど、調子を上げるようなバンドだと思います。
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8/11金(昼)
/0@parlwr

汽水域
十三さんはまずスネアに張った弦を弾いて、それにエフェクト掛けてずっと揺れているみたいな持続音で鳴らす。最初の方はその弦の音だけを使用。笠井さんは特に目立ったプレイはなく、山田さんが体全体使ってのフリージャズな演奏になると、十三さんもブラシで叩き出すようになる。それでも笠井さんは淡々と冷静に見続けるようなプレイ。バンド全体がフリージャズな方向へ向かわないのが良かったです。笠井さんがコントラバスでフィードバックを使っていたのも印象に残る。段々と音楽は静まって第1セット終了。で残り10分で、もう1セット演奏。十三さんはここではスネアの弦を叩く演奏になったけど、連続でそれだけを叩かず、リズムの一部として使用。ポンッっていう間の抜けた音が良いアクセントで鳴っていて、ここでの十三さんは一番の見せ場だったと思う。笠井さんはカポなのかクリップみたいなのを一番端の弦にだけ付けて、ぶれた音をホーミーっぽく鳴らす。ここでの山田さんのピアノはあんまり覚えておらず。汽水域を見るのは3回目位だけど、毎回感想が違っていて、今日の演奏は良かったです。

NARCO×古池寿浩
今日は全部即興。響子さんは電子機材とダクソフォンで、櫛の歯を弾いた反動でダクソフォンを鳴らしたりもする。ヒロアキさんはギターとモジュラーシンセと多分シンセも。今回響子さんはシンセを使用せずで、チープな浮遊感のある音が鳴っている時にモジュラーシンセで隠れていたけどヒロアキさんが手元で操作しているように見えたので。古池さんはトロンボーンエフェクター。転換時に作っていたトロンボーンのループ音が面白かったけど、本番ではそれを使わず。普段のNARCOだけの即興だけだと割と暗くなるイメージがあるけど、古池さんのトロンボーンの影響か明るめに聞こえた今日の演奏。途中で全員でリズムを使ったりで聞きやすかった印象もあるのかな。いつものNARCOの即興の印象と違うので、古池さん抜きでも改めて見てみたいとも思いました。こっちも10分残ったので、合計2セットの演奏。

杉山一真
スモーキーな声での弾き語り。ギターはコード弾きが多くて、その声でそういうギターを弾くのかっていう不思議さはあり。でも歌詞は普通な感じ。バンド(4BROTHERS)を見た時のWiennersな印象からは意外な音楽。場違いなことを認めつつ、4,5曲演奏。

mimiz
鈴木さんは親指ピアノ+電子機材+壺、飛谷さんはギター+丸いシールみたいなの同士を接触させると音が鳴る電子機材、福島さんはPCと普段通りな編成。鈴木さんの壺は久しぶりに見るかな。電子音の鳴り方が格好良かった記憶はあるけど、楽器毎の音の変化・展開はあまり覚えておらず。冷房が直当たりでうつらうつらしながら聞いてしまっていたのがもったいなかったです。
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8/11金(夜)
@鑪ら場

万作
アンプを鳴らしてのアコギの弾き語り。1曲目はアルバム「意味のある言葉」未収録の曲で、少しフォーク調なのが新鮮。やっぱり歌える人だな~っていうイメージは強く感じる。2曲目には「ひっくり返したい」、もう1曲知らない曲があって、それからビール3連続曲として、「ちくわの穴」(つまみになる)、「ワルツ」「猫背」が続く。「猫背」の音源でのJr.さんのサックスが少し恋しくなる。短い曲と紹介していた曲もあって、自分の曲は短いので他の人が6曲位の持ち時間でも10曲出来るんだとか。最後は「意味のある言葉」で終了。

ミヤザキナツキ(砂場)
声も歌い方もポップスのフィルターが掛かっているっていう、昔見た印象からは変わらず。ドラえもんとか何でもいいけど大勢が出てくるアニメに一人はいるキャラクター声だな~とか思う。「黒猫白猫」みたいな曲でのギターのスライドは良かったです。

鈴木実貴子
ソロで見るのは久しぶりだったけど、バンド時と印象は変わらず。前はバンドよりもソロの方が自由度があって良いと思う時期もあったけど、もう両方ともが同じレベルになっているんかな。自分は聞いたことがない多分新曲多めで、夏っぽい曲が多かった印象。2曲目のギターのコードをずっと変えずに1弦ずつをゆっくり鳴らす曲は、少しポエトリー的な雰囲気もあって良かったです。ちゃんと腹が立つことを歌っていても、実貴子さんの表現として聞けるようになる。

堀田ダチオ
転換時に誰かのカバーで流れたユーミンひこうき雲」をまず最初に。でも、サビに入る前に歌うのを止めて「良いウォーミングアップになったでしょ」とひと笑い。今日はお客さんの受け良かったです。次は「目隠し人間」。ギターの弦を指ではじくように弾いて、手を前に出す姿が面白い。昔HADAさんのギターの弾き方がグッパー奏法って言われていたことを思い出す。歌い方は少し外国人風。今日の面子男3人で実貴子さんのことを実貴子たんと呼ぶべきなのか悩んでいるって話から「なやみごと」へ。歌詞を少し忘れて、思い出そうとして一瞬間が空く。で「干し椎茸のように」「遠慮の重なり」「夢中になればきっと」が続く。「夢中になればきっと」では人工フェイドアウトが使わずに終わったので少し変な感じ。最後の曲として紹介したのが「とある風景」で珍しい終わり方だと思ったけど、「残りまだ2曲あります」と言ってしまったので、本編最後の「情熱」の後にアンコール1曲用意していることがばれてしまう。「情熱」のアクションは少なめになっていました。アンコールは「マイマイマイ」っていうスウェーデンの民謡で、みんなのうたでも歌われているような曲とのこと。昔の歌謡曲っぽい曲調がダチオさんに合っていたし、カオリーニョ藤原さんも歌っていそうな印象。カバーとはいえダチオさんの新しい曲が聞けたのは嬉しかったです。MCで言ってたけど、1stアルバムは売り切れたそう。すごい!