お も か げ

あの夜、あの陰気な穴ぐらのようなバーのなかの光のすべてを、自分の周囲に光輪のように集中させて、鮮烈な魅力を放散させていた男ジョヴァンニの

3/21-23

3/21火
店々 内田修人レコ発名古屋編@鑪ら場

スティーブジャクソン
今回は普通な歌詞。セットリストは「スタイリッシュな生活」「I Saw Her Standing Her Nowhere」「つめあと」「Don't Trust Under 23」「the end of 夏の終わり」「そっとわれにかえる」。ヒジリさんのシンセが今日はずっと良くて、特に「the end of 夏の終わり」が格好良かった。最初の方はぼんやり濱田さんを見ていたけど、すごい音が鳴ってるんで、ヒジリさんの方を向いてしまう。「そっとわれにかえる」はここ2回のキーが低い演奏だったけど、去年末の「ミルクと牛乳」みたいにベースのフレーズの一音だけずらす。でも、去年末の「ミルクと牛乳」程のすごく良いって感覚はなかったです。

悲しみかもめ
ループとかは使わないけど、音の感触のせいか、昔のトクマルシューゴみたいに思ったSSW。1曲目の少し外す感じも良くて、全体として見ても好印象。最後の曲のラブソングな感じがand Young...加納さんっぽさというか、HARD RAINっぽさに思えたのが、すごく良かったです。

ピーターフォーク
セットリストは前とは違ってるけど、曲は全部アルバム収録曲から。「オタンチン」でのカーリーさんがシロフォンにマイクをセットし直してる時の、大介さんがギター弾きながらその準備を待ってる感じが、生着替えみたいな焦らせ方で面白かった。客席にヒジリさんもいたし、ザ・シロップ「ハダカになっちゃおうかな」のPVを思い出す。最後2曲はアルバムの曲順通り「ラン・チャーム」「フレイバーno.5」。「ラン・チャーム」はジョンのサンっぽいとかそんなことはもう思わず、単に良い曲だと思えるようになってるし、「フレイバーno.5」の曲の中での自然な流れも魅力的で、ピーターフォークには自分の中でまだ好きになる部分が残っていて、それが次々と出てくる感覚がめっちゃ良かったです。「色んなお店に音源置いてます」って話からイベントタイトルの店々に繋げるMCも良い感じ。

内田修
声が少し甘めで、曲もきれいすぎる印象。途中から雰囲気のゴウさんがドラムで参加して音は良くなったけど、曲の方の印象は変わらず。今回悲しみかもめさんも内田さんも初めて見るんで、比べてしまうところがあるけど、悲しみかもめさんから感じた大阪らしさ(最後の曲からだけだけど)は自分の中では良い印象につながっていて、それと比べると内田さんにはそういう部分がなし。内田さんが持ってるのは7586じゃない名古屋らしさ(もしかして四日市にもつながるかも)なのかな、とも思いました。
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3/23木
笹口騒音ハーモニカワンマンライブ@きてみてや

笹口騒音ハーモニカ
開演時間少し遅れて到着した笹口さんは、自分で準備してそのまま演奏も始まる。一部はウクレレで「たとえば僕が売れたら」「僕の家」でスタートして、その後3,4曲歌って終了。MC多めで、リラックスというよりはダラダラした印象で、お客さんの少なさ(きてみてやの大きさだとめっちゃ少ないとかではない)にも少し堪えるところがあったのかも。このダラダラした印象は最後まで続く。後半はギターで、弾くのがすごく難しいという新曲でスタート。弾きづらそうに演奏して、歌うのは読み間違えの歌詞ばかり。この曲は最後にやる新曲に比べると、ギターも歌詞も王道な笹口さんだと感じる。演奏前の「この曲聞いたら消滅する人がいますよ」から、後の「ほら~、座布団だけ残して前の方に座っていたお客さんは消えました」の流れは上手いMCだと思いました。その後は「ぐるぐる回る」「恋をするならば」、プロポーズの曲、あなたの悲しみは売れるだろうって歌う曲など。「SAYONARA BABY BLUE」演奏前の「色んな人が好きだったり、絵のモチーフになってたりと、この曲には色んな意味で助けられている」っていうMCは、本人はふざけている感じで話していたけど、曲よりもぐっとくるものがありました。本編最後は新しいベスト盤のタイトル曲「わたしのうたはどこいった」。この曲でのスライドさせるギターが印象的で、自分の中では笹口さんの新境地にも思える。2部最初の王道に感じた新曲との対比になってるのも良かったです。アンコールはお客さんのリクエストで、うみのて「SUICIDAL SEASIDE」。リクエストしたお客さんのコーラスがすごく上手くて、今日のベストアクトはこの人でした。

3/14-17

3/14火
あぜみちギグファイナル@KDハポン

fish
HALF SPORTSにも通じる爽快なロックで、突き抜けてる感覚が気持ち良かった。インストの曲も良し。メンバーとか見たら演奏はドタバタしそうなのに、しない。一昨年の年末のつぶろっく以来だけど、初めて良い感触で見れました。

スティーブジャクソン
今日でハポンスタッフでありトウガンズのドラマーでもある、ももちゃんがハポンからもトウガンズからも卒業するんで、特別にももこづくしなSJ。モモジさんが笑って歌えなくなることを心配する。1曲目は「the end of 夏のももこ」。音源がないのではっきりとは覚えてないけど、Bメロ?の「そうか、二度と~」みたいなところを「そうか、ももこ~」に変更して歌う。次は「スタイリッシュなももこ」。これは「ハイセンスな生活」を「ハイセンスなももこ」に変更。次は「I Saw Her Standing Nowhere」でタイトルはまんまで、Herがももこだと説明。「前向き45度」を「前向きももこ」に変更。次は「Don't Trust Under 23」でこれもタイトルはまんまで、ももこが23歳と説明。これも音源なくてうろ覚えだけど、「小さくて聞こえない声」みたいなところを「ももこ」って歌ってた気がする。次は「ももこわれにかえる」。この曲始まっても、濱田さんが中々入らず、ずっとモモジさんを見ていて、少ししたら演奏ストップ。カポの位置が間違っていて、低めに下げる。「モモジわれにかえる」だったそう。で「ももこわれにかえる」をやり直し。「間と間の間からあいさつ」を「間と間の間からももこ」に変更。この曲はスティー部の時みたいなアレンジに思ったけど、もしかして前もテンポが遅かったんじゃなくて、いつもより低い音での演奏だったのかも。最後は「ももこと牛乳」で、これはタイトル通りの変更。こんなにももこづくしにするとは思わなかったです。

金魚注意報
男女ボーカルの、80年代からタイムスリップしてきたような清涼感溢れるギターポップ。でも、最初数曲はKeyがギターポップらしくない変な音を鳴らしてたのも印象的。最後から2曲目には少し民謡っぽいメロディー・節があって、ギターポップにそういう要素も合わせることができるんだな~と感心。どことなくウリチパン郡な気もして、CDで確かめたら曲名が「チャイ、ナナ」だったんで納得。ここでもKeyがスティールパンっぽい音を鳴らしていてたりと良かったです。

トウガンズ
現メンバー最後のライブだけど、リパくん曰く、くそしがらみな仕事でベース中村くんが来れず。少し変に感じる部分はベース不在なせいに思える時もあり。1曲目のサラダの曲のキックだけになる部分で、リパくんはももちゃんへの送る言葉を言おうとしてたけど、それも言えず(後のMCでそれは伝えてた)。2曲目はサーフボードの曲でリパくんはギター弾かず、小さいシンセ使う。3,4曲目はサマーって歌う曲。多分3曲目の方の途中から中村くんが遅れて来て、演奏に加わる。ベースも持ってこれず、モモジさんのベース使用。4人になるとリパくんの声にも勢いが出てきて、良い演奏になる。この後は「抜け殻」とモモジラモーンがくれた短い曲(「I Saw Her Standing Nowhere」と同じメロディーが使われてる)で本編は終了。モモジラモーンの方の曲の歌詞は卒業とか旅立ちが歌われていた気がする。アンコールの前に、ももちゃんによるあいさつもあって、上京するってことで、ももちゃんが歌うシャ乱Q上・京・物・語」。リズムトラック流して、リパくんがギター弾いての、二人だけの演奏。最後の方ももちゃんが入るタイミング間違えた時の、「もう一回!せーの!」みたいにリードするリパくん、格好良かったです。最後に「トウガンズで一番良い曲」とももちゃんが言う、犬の曲をバンドで演奏。この曲での途中の一回音が小さくなる時の、ももちゃんのキックをもう聞けなくなるのか~と思うと、じーんと来るものがありました。アンコールの後に、サプライズなビデオレターがあって、ベアーズマーキンからの卒業式で歌われるような旅立ちの歌と頭にハンガー付ける動画。ハンガーを頭に付けると首が勝手に回るんで、嫌なことがあってもそういうことで楽しんで欲しいっていう、ももちゃんの遊び。トウガンズはこれまでもずっと良いバンドだし、今日のはそれをすごく感じたライブ。今後もトウガンズが新メンバーを入れたりで変わっていくかもしれないけど、ももちゃんがいた時のトウガンズも良いバンドだったことはずっと覚えていたい。
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3/15水
コイケマルクト2017@parlwr

Ett
最初は「愛の古戦場」。カラオケはPCから流して、渓さんはこの前みたいなCASIOギターじゃなくて、ちゃんとしたエレキギター。でも音はチープに聞こえるようにしてて、変わらずのハードロックなソロ多め。それ以降はガットギターに持ち替え、「春の雨」「ワルツ」「ひふみのうた」が続く。その後に久しぶりに演奏するという、井上ひさしさん詞の曲。さゆりさんが少し強く歌う感じが昔のEttの曲らしさを感じる。最後は「種のうた」で、これは前からやってるヒフミヨイ農園の歌で、この曲でも渓さんはエレキギター使用。少しブルースなリフを使ってて、最後にはアメリカ国家っぽいメロディーも弾く。全体的に見るとしっとりとしたセットリストでした。

ふいご
室内楽っぽい3本の管楽器の絡みで、分かりやすい衝撃はないけど、気になる音楽。古池さんのトロンボーンも関島さんのチューバも良いんだけど、中尾さんの吹くサックスのメロディーははっきりしていて耳に残る。中尾勘二トリオの曲や、モダンDJ特選集の二人(泊の武村さんとpopo山本さん)と渓さんが参加しての、大原裕さんのカバー曲もあり。モダンDJ特選集と渓さん参加曲は大原さんの曲以外にもう1曲あって、それは少しレゲエ・ダブっぽく感じた曲でした。最後は「けむり」で締め。MC含め、中尾さん関島さんを自分のペースに巻き込んでいる古池さんはすごい人だと思う。
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3/17金
@なんや

おぐまゆき
もっと癖のある歌い方をイメージしてて、粘っこさもあるにはあるけど、案外普通な歌い方。特徴である9弦ギターも、普通の6弦ギターと変わらない使い方に思えて、そんなに魅力を感じず。弦を弾かずに叩く曲があって、その曲でのボディ叩いた時の少し不思議に聞こえる音は良かったです。

橋本進
今日はいとまとあやこのいとまさんがKeyで参加。1曲だけ空間的な音を鳴らしてて、他の曲は普通に鍵盤使っての演奏。新しい音源にも参加しているとのこと。最初の方の橋本さんのゆったりとした歌い方に少し違和感あり。murder murderとしてもソロとしても見るのが久しぶりなんで、今はこういう歌い方なのかな~と納得させつつ聞いていると、段々と知久寿焼さんのスピード感にも思えてくる。中盤辺りのロックンロール以前のブルースみたいなタイトルの曲の曲調は知っているイメージに近かったです。蟻の歌での「群れてる人間が嫌い」や「ムービースター、焼身自殺」みたいな歌詞も知っているイメージに近くて、今回印象には残った歌詞なんですけど、好みの問題なのか、そういう歌詞からは抜け出して欲しいな~とも思いました。

3/10-12

3/10金
ミックスナッツハウス「All You Need is Nuts」アルバム発売記念@KDハポン

ザ・ソファーズ
活動休止からの2年振りのライブだったけど、相変わらずの小気味の良いロック。中盤はトーンダウンさせた曲で、最後2曲はアップテンポに盛り上がる(片方は「恋に落ちて死にましょう」)。ブランクを感じさせない力強い演奏で、お子さんの世話もあってペースは落ちるかもしれないけど、活動は続けて欲しいです。バンド企画イベントには良い面子がいつも揃っていた記憶。

マイギーとふくざわ
曲終わりに「ロックンロール」って叫ぶわ、ギターの音もデカいわ、と意外なマイギーとふくざわ。ナゴミハイツ収録の「ノリノリ♪」も早々に披露。メンバーはマイギーさんGt+Vo、福沢さんDr、ツユネブリ遠藤さんGt、ミミコみやたさんKeyの4人。ほとんどマイギーさんの曲だったと思うけど、途中福沢さんと遠藤さんが歌う曲は多分福沢さんの曲。ツユネブリはインストバンドなんで、歌声は初披露な遠藤さん。特別良いって思う訳ではなく、普通な声でした。後半の、みやたさんがベースにパートチェンジした曲での、いかにも!なバンドサウンドは懐かしくもありました。

ミックスナッツハウス
元々ものすごく好きなバンドで曲を知っているってこともあるけど、聞き取りやすい歌詞・声が圧倒的に良かった。全体を暗くして無言で登場したバンドは「サンチョーメ・サンセッツ」からスタート。アルバム未収録曲からのスタートは意外だったけど、続く曲も「ダンスフロア」(これは7inch「三温糖」B面)、「鳥獣トゥナイト」とアルバム未収録で、去年のWレコ発したスティーブジャクソンのアルバム収録曲を中々しないライブのオマージュなのかと思ったけど、今回はシンムラさん抜きの3ピースだったんで、その編成でのセットリストな影響もあったのかも。次の曲からはアルバムの曲が続いて「ポピー×8」「白衣ダイナソー」(バムバム多め)、ザ・ソファーズに捧げる「アントワープ」(ベーラーさんのベース格好良かった)、マイギーとふくざわに捧げる「かっぱの名探偵」、合唱率が高かったんで逆コール&レスポンスまで行きそうだと思ったけどすっきり終わった「アーノルド」。で今回、曲の印象が一番良くなったのが「You Are My Super Shining Star☆」で、終盤の「もうそろそろ宇宙に帰らなくちゃ」って紹介からの、この曲は凄く良くて、自然と体が動いてしまう程楽しかった。本編最後は新たなコール&レスポンスが浸透していきそうな「三温糖」で、アンコール「コズミック直子」(この曲も良かった)、「チョコレートは止まらない」で終了。
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3/12日
紙コップス・水中、それは苦しいWレコ発@得三

水中、それは苦しい
ジョニー大蔵大臣としてのソロはここ数年でも何回か見てるけど、バンドとなると久しぶりに見るライブ。ドカスカ鳴らすドラムも魅力的だけど、セクシーパスタ林三さんの優雅なviolinがこのバンドにはすごく無駄に思えるのに、その無駄な要素をこんなに格好良く見せることが出来るのが凄いな~と思ってしまう。新譜以外からも、「安めぐみのテーマ」「農業、校長、そして手品」「おっと!オトタケ」「芸人の墓」など。最後の「ツバメ☆グリル」はアナーキー吉田さんが前に出てきてギター持って歌う曲。大蔵さんの「パーマ大佐です」って紹介が面白かったです。

クウチュウ戦
色んな音楽が混じってるけど、混ぜ方が曲毎でしかなくて、バンドの軸がないみたいに思える。自信過剰なMCもキャラ作りだとわかるけど、それならあと2~3倍格好良くないと成立しないような音楽。MCがない曲間での微妙に空いた間(1秒程度)も格好良く見えなかったマイナスポイント。

紙コップス
アルバムから全曲演奏で、通して聞くとまっちさん曲は少ないことに気付く。セットリストは「ぷちゃへんざ」「君はあらくれもの」「チャイナ」で始まって、それ以降は各務さん、菊ちゃんの曲を交互に演奏。多分「すなあらし」「わすれもの」「きくちのタイフーン」「5拍子」の順で、最後は「蚊」。アンコールは「俺は天使なんかじゃない」で、丁度「キリスト教徒が泣きやまない」の「キリスト」のタイミングで登場した、赤子位の大きさのビニル?を抱いたジョニー大蔵大臣さんは、歌詞のせいもあって神聖な感じがしました。足を引きずってる感じの歩き方もキリスト(赤子を抱いてるんでマリア様かな)らしさがあり。「チャイナ」「5拍子」でのまっちさんのふざけ方に昔の紙コップスらしさを感じて良かったりもしたけど(今の紙コップスも好きです)、「蚊」のサビのコーラスのハモリが本調子には聞こえなくて、少し緊張もしてるのかなと思ったライブでした。

3/3-7

3/3金
松倉と勝と光永と継吾のワンマンライヴ!@拾得

松倉と勝と光永と継吾
1曲目「星」での勝さんが弾くピアノに、おまつとまさる氏の二人の時では出来ない自由さがあって、このバンドが単におまつとまさる氏+2でないことがすぐに分かる。バンドの一員としての音を鳴らしていて、光永さんと岩見さんの二人もすごく良い演奏。松倉さんはバンドの音でやりやすさがあるのか、いつもより大きな動き。選曲は勝さんが歌う曲もあったけど、松倉さんソロ曲が多く、聞いたことない曲もいくつか。今回ツアー用に作った「SETSUBUN」に入ってる曲はほとんどやっていたはず。ライブは1,2部とあったのでたっぷりと聞けて、特に良かったのが「うまく踊れるように」。UAが売れ始めの時期にクアトロとかを回ってたらこんなんじゃなかったんだろうか、と思わせる程の歌声と演奏。その感覚は「いとしい人」でのリズム隊の良さからも感じることが出来て、拾得も良い場所ではあるけど、この場所で見るのは凄く贅沢なことだと思ってしまう程。アンコールは松倉さんが一人でピアノ演奏しながら歌う「あなたの船」。ピアノの練習をしているそうで、難しそうなフレーズがないので無難に弾いてました。あと、セットリストの順番を間違えそうな時に「あっぶね、気付いて良かった~」とか言う岩見さんのキャラも良かったです。
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3/4土
ピーターフォーク「ヤキモキ」発売記念 "YAKIMOKI エヴリデー"@KDハポン

テト・ペッテンソン
昔からの曲の印象は変わらないけど、今回新曲が3曲(久しぶりに見るんで新曲かどうかは分からないけど)。2曲目に披露していた気怠いKeyが入るvelvetsみたいな新曲はドラムの人が歌えば似合いそうなビート感。最後の新曲はギラついてる感じが曲にもVoの人の目線にも表れていたのが良かったです。

百景借景
今回は河合さん万作さん二人での編成。1曲目は万作さんのviolinが絡んでスタートする「連なる糸」。2曲目は「黄昏の町工場に」。他は「歌でもうたえば」など。万作さんはアコギとエレキギターを曲ごとに持ち替えで、ギターも音小さいと感じる時あったけど、それはそれで味になる演奏。河合さんはコントラバスに専念していて、弓を使っての演奏を聴くと、もっと弦楽器と絡んでの重奏も聞いてみたいな~とか思う。万作さんボ-カルでのツクモク「パイロット」もあって、昔この曲を聞いた時に、USインディーな要素を感じたことがあるんで、この二人で歌えばめっちゃはまりそうと思ったけど、期待以上のものにはならず。曲名が分からないけど、最後の曲の染み入る感じも印象的。前にブラジルで見た時のハプニング・ミュージックな演奏はなく、今日は歌を聞かせる日でした。ピーターフォーク大介さんに対する「兄ちゃんと昔バンドやってたぞ」っていう先輩な万作さんのMCと、鯖カレーがおいしいっていうBateriaの店紹介な河合さんのMCが面白かったです。

FRIENDLY HEARTS OF JAPAN
多分ほとんど新曲で、聞いたことあるのは前からやっている1曲目と「506」だけ。それでもフレンドリー節は変わらず。曲を弾いてない時でも、薄めにビービー鳴ってる程ギターの音が大きめだったのが、今までとは少し違ったところ。楽器をパートチェンジする前にやってた、velvetsの吐き捨てる感じのポエトリーっぽい曲(一応フレンドリーらしいメロディーもあるけどイメージとして)が格好良かったです。

ピーターフォーク
1曲目が「ピーターフォーク」。初めて「なめてかかったら小粒の山椒」の部分が聞き取れる。2曲目が「たぬき」で、この曲での乱れてるような歌い方で一気に好きになる。その後もアルバムの曲が続く。前にジョンのサンっぽく感じた、ピアノを使う「ラン・チャーム」はピーターフォークの中では異色で、今回は最後の方に演奏される。セットリストの順番でも全体の印象は変わるな~と思いました。ボサノバっぽいギターの使い方にシロフォン、ミニアコーディオン、リコーダーなど。こう見るとテト・ペッテンソンとの共演も分かる。最後の方には今日の感想に見せかけての、歴史を振り返るような長いMC。色々バンドとか人の名前も出てきたけど、実在する話なんかな。他のMCも良かったです。今まで見てる回数は少ないけど、一番良い感覚で見れたライブでした。
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3/5日(昼)
@Honky Tonk

大場ともよ
会場の大きい窓に射し込む日光とtomoyoさんの歌との対比によるドラッギーなサイケ感がすさまじかった。完全に良い意味で。tomoyoさんの歌って夜のイメージが強いんだな。選曲は本人も言ってたけど暗めな曲が多く、マツバナオキさんの「クロール」、春の歌として紹介した「蘇州夜曲」(これは初めて聞く)、小池さんの「ショッピングモール」のカバーも。今回は「シスター」も「赤毛のレディー」もなかったけど、演奏された曲はどれも馴染みの曲ばかりなんで、5月に出るアルバムには収録されていそう。

小池喬
特に印象は変わらず、いつもな感じ。1曲目「自由帳」の「ワン、ツー、スリー」の時に外の横断歩道の信号がタイミングよく変わったことが面白かった。他は昆虫の曲、「宇宙のくしゃみ」「どうもありがとう」「TAKE CARE」「Good Bye My Friends」「階段のあがりはな」「コンビニ」「未来系おにぎりバンブボン」「コメットさんの再放送」と、長めな演奏時間。「TAKE CARE」はYO LA TENGOのカバーと思ってたけど、BIG STARのカバーだそう。YO LA TENGOもBIG STARのカバーしてそうだけど。tomoyoさんのアルバムが出たら、カバーできるよう勉強するそうです。MCでは、昨日名古屋グランパスFC岐阜の試合を見に行ったとかのサッカーファンな話。

安藤明子
安藤さんもそんなに印象変わらなかったけど、やっぱり曲が良いと思う。選曲も聞いたことある曲多めで、高田渡さんの「私は私よ」、CD整理していたら見つかった昔参加したコンピの曲も。コンピの曲は今とは違うテーマを歌ってるんで(確か「歩いて帰ろう」的なテーマだったと思う)、そういうのは成長なのかな。アンコールで演奏された「パパ」が安藤さんの曲では今までで一番印象に残ってるんですけど、今回は1曲目の「ステキなキス」の「君は思わないかい?」の部分がすごく良かったです。
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3/5日(夜)
松倉と勝と光永と継吾はじめてのツアー@ブラジルコーヒー

TRIOLLI(高倉一修、河合愼五、杉山明弘)
1曲目は高倉さんのサックスと杉山さんの鍵盤のデジタルな音がユニゾンするところが面白くて、色々と音楽的に試したいことがありそう。その後は高倉さんがギターに持ち替えて歌う曲で、複雑な流れがGUIROに近いイメージ。1曲目でも思ったけど、作曲面でも実験的な精神が根本にはありそう。他は河合さんらしい曲が1曲あって、杉山さんはたまごサンドの曲と、良い噂を聞いていた「島」。「島」は噂通りの良い曲で、この曲を聞いた時に思い出したのは、去年の年始に見たログメンに7586の系譜なメロディーを感じたことで、今の3人が集まってのTRIOLLIなことに感慨深さ(見てる回数が多くないんで深くはないけど)がある。最後はGUIROの「ABBAU」で、「島」の流暢さに比べると、力技で聞かせる感じ。昨日の百景借景の時も思ったけど、河合さんはカタリカタリの時よりもMCが楽しそう。河合さんのライブ告知の時に、小さく「ずれる」のメロディーを弾いている杉山さんも良かったです。

松倉と勝と光永と継吾(松倉如子、渡辺勝、光永渉、岩見継吾)
京都とほぼ同じような印象だけど、席がもっと近かったんで、迫力のあるステージ。松倉さんってあんな横の動きしてたんだな。セットリストもワンマンじゃない分、いくつか削除されていて「カレハフルフル」「バッタハラッパ」「いとしい人」は無し。「いとしい人」は京都でのライブで一番印象に残ってたんで、名古屋でも聞きたかった。虫に刺される、みたいな歌は京都ではやってなかったと思う。アンコールの「あなたの船」は京都と違って4人での演奏。ツアー最後の日で、松倉さんはいつもな感じのMCだったけど、「今のバンドが楽しい!」ってことはすごく伝わってきました。
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3/7火
@得三

Dragonfly
外国人のVo+Gt,Ba含む4ピースバンドで、英歌詞で歌う。静かな曲とロックな曲があって、カントリーっぽいソフトなメロディーのアメリカンロック。特にそれ以上の感想はないけど、メンバー紹介でVoがBaを紹介した時に、Voが次のGtの紹介を続けてるのに、Baが「後2曲やります」って言い出して、MCが被る。で、微妙に間が空いて、Voが次にDrの紹介をする。BaがVoが他のメンバー紹介をしているのに気付いたのか、被ったMCで紹介されてるのに、BaがGtの紹介をもう一度する。こういうメンバー紹介は初めて。

汽水域[山田亮(pf)笠井亨(b)十三(ds)]
最初の方はゆったりとした演奏で始まって、山田さんのピアノも心地良い音。途中からベースの音にディストーション掛かっても心地良さは変わらず。最後の方になって、山田さんのピアノがフリージャズなピアノになって、バンドもそれに合わせての加速。大まかに3曲あって、2曲目は少し小作品な内容。この曲でのイントロの十三さんの叩き方がMTEGの曲と同じにも思えて、十三さんの他のユニットとの地続き感があるのかと思ったけど、曲が始まったら全然違ってた。3曲目も2曲目に近いイメージで、笠井さんは逆回転のエフェクトを掛けたりもする。今までの十三さんのユニットにはないタイプの音楽でこれからの活躍が楽しみ。1曲目の最初の方の心地良い音は特に気に入りました。

かんぱち[小倉英樹(vo.g)小宮勝昭(ds.per)]
小宮さんはリズム&ドラム・マガジンの元編集長で、さすがにドラムはしっかりとしたプレイ。途中のジャンベの演奏もすごく上手くて、こっちの方が印象に残る。で、小倉さんのギターは、もしかしてドラムのタイミングと合わせてるのかと思う程ストロークばかり。歌は普通で、いくら小宮さんがすごいドラム叩いてもあんまり魅力は感じなかった。もっとテクニカルなバンドでの方が楽しめたと思う。

2/28-3/2

2/28火
スティー部@KDハポン

田豊
ガットギターによるインストを2曲。単音多めでチョーキング、ライトハンドもあったりと手がずっと忙しなく動いてるけど、わびしい曲。途中でボディ横に付けた布を弦に当てるように被せて、残響音を少なくさせたりもする。イメージとしては、デレク・ベイリーな即興演奏な弾き方だけど作曲された曲とのこと。1曲目のタイトルは「優しい森には神話が生きている」。2曲目は1曲目に比べると忙しない感じは少なく、厳かな雰囲気で、思い起こさせる情景は城だった気がする。こっちのタイトルは「2008年2月29日」。最後はエレキギターに持ち替えてビートルズ「イエスタデイ」のインストカバー。ゆっくりと時間を取ってメロディーを弾いてるのが良かったです。

武村モモジ
本当はlet us be lovers!(モモ爺+ヒジリ)の出演だったけど、ヒジリさんが残業で来れなくなったんで、急遽モモジさんソロ。「くりかのこ」とかも名乗らず、ソロやりますー、みたいな感じでスタート。エレキギターを膝の上に寝かせて置いて、エフェクター?ミキサー?に繋いでのインスト。ギターは弾かずにブリッジ下辺りの弦を押さえて、うにょーん、うにょーん、みたいな音を鳴らす。ループとかは使わず必要な音をその場で作っていた感じ。非ギター的な使い方と姿勢で、ターンテーブルを楽器的に使う人にも見えました。10分位の演奏時間。

鈴木悦久
鈴木さんのPCのHDにある、未発表のSJのスタジオ録音の音源が日の目を見ないので、それらを成仏させるために、音源を流してそれをカラオケに生ドラムの演奏。スティー部から退部された成田さん期の音源。モモジさんがボーカル入れる前なので、ベース、サックス、ギターの音はあり(多分シンセの音もあった記憶)。1曲目は「ミルクと牛乳」。最近出したカセットの音源とは違い、サックスの音が入っていて、しかも結構目立つプレイ。2曲目は最初の方気付かなかったけど、成田さんのスカっぽいギターが入ると「つめあと」だと分かる。こんなアレンジあったな~と懐かしく思う。3曲目は、鈴木さんがポストロックの傑作になりえたと話す「フォークミュージック」。この曲は今の印象とそんなには変わらず。最後はライブでもしたことがないという曲。ボーカルが入るとどんな印象に変わるか分からないけど、ポップな曲になりそう。成仏させるってことなので拍手厳禁のライブでした。

スティーブジャクソン
1曲目「I Saw Her Standing Nowhere」、2曲目「スタイリッシュな生活」。ヒジリさん抜きの影響があったって訳ではないと思うけど、濱田さんのシンセっぽいギターの鳴らし方ってやっぱり面白いな~と思う。「スタイリッシュな生活」から間髪入れずに「Don't Trust Under 23」に入る流れが格好良くて、スティックを2本使ってシンバルを挟んで鳴らす鈴木さんのプレイも良かったです。その後「つめあと」「ミルクと牛乳」と続いて、最後は「そっとわれにかえる」。いつもより間が遅く、1.1拍位ズラしてて、鈴木さんのいつもと違うタイミングで入れるタムも、そのズレを助長させる感じがしてすごく良かった。何回見ても何かしらの変化を見せてくるバンドで、その変化は大体いつも良い。
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3/2木
ひな祭り前夜祭~昭和歌謡を奏でる音姫?達@釜晴れ

女勝りバンド[萩之茶屋まり子(vo,gt)加納麗花(7弦gt)西大寺絹代(key)幸うす女(め)(ba)]
萩之茶屋まり子さんは女装したカオリーニョ藤原さんで、他のメンバーも女装しての演奏。カオリーニョさんの自作曲はほぼやらず、昭和歌謡のカバーばかり。「男はみんな狼よ」って歌う曲は多分自作曲だと思う。カオリーニョ藤原名義でのライブでも聞けるのは「愛のさざなみ」「爪」「みんな夢の中」「伊勢佐木町ブルース」で、他のカバーでは「京都慕情」「愛して愛して愛しちゃったのよ」など。女の人の気持ちを歌った曲が多かった印象。お客さんは年配の方が多く、曲紹介をすると「知ってるわ~」「ええな~」の声が上がり、一緒に歌う人も。お客さんも面白い人が多く、「あの人、カオリーニョさんに声似てるな」と本当に思っている人もいそう。選曲も含めて、釜晴れはまだ出来たばかりのお店だけど、西成のこういう雰囲気がカオリーニョさんを形成していったのかな~と思ったりする。バンドのアレンジも良くて、特にKeyの空間的な音は今まで聞いてきたカオリーニョさんの音作りにはない要素で新しい発見。コーラスの入れ方もRufus Wainwrightの3rd,4thを思い出したりと、好みなアレンジ。この編成での音源も聞きたいです。歌謡曲以外にも、絹代さんが歌うマダガスカルの曲で、現地の発音で「オメコ・アナルト」みたいなタイトルの曲も良かったし、曲の最後の方にブラジルの音楽家の名前を下ネタに絡めて言う「イパネマのゲス娘」、麗花さんと絹代さんデュオによるインストの熱いプレイや、お客さん含めみんなで合唱する童謡「うれしいひなまつり」もあり。最後は「愛の讃歌」のボサノバVer.「愛のサンバ」。メロディーは原曲のまま(歌詞は日本語詞)で、アレンジはボサノバ調。歌詞も元々良いし、まり子さんの声で歌われると堪らないものがある。カオリーニョさん名義でも聞きたいです。

2/22-25

2/22水
ハポンdeオープンマイク@KDハポン

MC sauna explosion
ひろぽんさん(hiropons)に近い雰囲気の弾き語り。最初の方はギターインストみたいに弾くけど、歌が始めるとストローク。「今日も強い酒とビル・エヴァンス」っていう歌詞で、ジョンのサンとか好きそうだと思った。MCではサウナについて語ってて、やってるバンドもサウナ関係の言葉だそう。

堀嵜菜那
曲の印象は知ってるのと変わらなかったけど、堂々としていたステージでそっちの方が印象に残る。MCもほぼ無く、ギターを弾く動きも小さいんで、マイクに向かって歌だけ歌う人形みたい。2,3曲目にやった、トゥラリカのギターワーク・ミーツ・「風をあつめて」のスピード感、な曲が良かったです。

奥秀人
何度か見たことがあって、ギターポップな記憶があったけど(最後の曲は覚えていた)、今日のは甘い声で歌って、曲も甘い。ここまで甘いとポップスみたいに感じる。

おさだちほ
カバー曲のみで、NUUAMM、Predawn平賀さち枝とホームカミングスの3曲。小振りなギターを使っていて、NUUAMMの曲での最初の方は演奏が拙いのか意図的なのかウクレレみたいに鳴らす。Predawnの曲は元曲知らないけど、英語の発音が良かったです。平賀さち枝とホームカミングスの曲は今までと違ってジャカジャカ鳴らすギター。この曲が一番似合っていて、星野源の曲も似合いそうだと思う。

幽希
幽希さんも知っている印象と同じで、ミラーボールズチルドレンみたいなライブ。曲の途中に効果音入れるタイミングが面白い時があって、単純にびっくりしました。MCの間にも鳥の鳴き声の効果音流してて、「鶴舞公園の鳩の皆さんもありがとうございました」みたいなMCで、お客さんが少し笑う。笑っていいんだな~と思った。

ゆいにしお
元気一杯の、普通な女性SSWな印象だけど、言葉の乗せ方だったりで曲の終わらせ方だったり、1曲につき1箇所は気になるところがある。英語のサビの曲もすごく気になった。今回ハポン初登場だったけど、今度のManicSheep(台湾)のハポンのライブに対バンとして出演するって言ってたんで、多分ein fianceの人。

宇野久志(nanairo.) 
スピッツの歌詞にインスピレーションを受けた曲、斉藤和義のカバーをしてたけど、ピアノの演奏が力強すぎるのか、ちょっと歌謡曲みたいになる。最後の曲「ティラミス」のみ女性の方がボーカルで参加(二人になるとユニット名nanairo.になる)で、これもやっぱり歌謡曲。宇野さんの声でも良いと思うけど、女性に曲を提供するのが合ってそう。「ティラミス」ってタイトルも中々出ないと思う。
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2/24金
ゆうき「あたえられたもの」リリースツアー@KDハポン

小鳥美術館
本当に久しぶり(多分6年半振り)に見るライブだったけど、館長のギターの音が暖かいと思ったり、ジェニーの曲での自然に鳴らさないギターが印象に残った位で、その他は特に変わらず。「アーノルド」でのシマさんの少ししゃがれたような、こぶしの入った歌い方が意外に感じたけど、前からもそうだったかな。あんまり本調子ではなかったのかな、とも思う。

ゆうき
1曲目の「あたえられたもの」からすごく良くて、タイチさんが普通なギターを弾いて、普通な歌を歌ってることに感慨深いものを感じてしまう。そんなに昔のライブをしょっちゅう見てた訳でもないのに、ゆうきの二人が準備している転換中から感じるところがあって、ソロ、おばけじゃ~、ウリチパン郡を通過して、今現在の歌を中心とした音楽性はすごく良いし、ぐっとくるものがあった。ウタモさんの鳴らすシンセの音の方が、自分のイメージにあるオオルタイチなんで、それも不思議な感覚。しっとりとした曲が多くて、ウタモさんが普通にKeyっぽい音を鳴らす時には、Jeff Hanson「Some Years Ago」の音作りを思い出す。途中リズムマシーンを使ってドラム音も付け足してたけど、二人のギター+鍵盤+声だけの方が好みでした。どこかで聞いた記憶がある「夢の山」も良い曲で、タイチさんの歌詞も声もすごく良い。
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2/25土
@きてみてや

蠣崎未来
そんなに知っている印象からは変わらないけど、あと2,3回見たらもっとはまりそう。徐々に染み入る感じ。気になってる仙台のミュージシャン松沢春伸さんが、蠣崎さんを思って作った曲のアンサーソングなども披露。松沢さんを気になってるきっかけに青木拓人さんがいて、その名前が出たから想像した訳ではないけど、蠣崎さんのライブの雰囲気は青木さんに近いものがあるな~と思いました。

保利太一
蠣崎さん的な渋さを想像してたけど、歌う節みたいなのは良元優作さんに近い。掛け声が入る自己紹介的な歌だけ異色で、他はやる曲やる曲ずっと聞き入ってしまう。また見たいです。蠣崎さんとはまだ蠣崎さんが神戸に住んでた頃からの知り合いだそう。

堀田ダチオ
いつもながらのライブで、「木村」→「目隠し人間」(外国人風の歌い方を入れる、サビをお客さんに歌わせるのをここでも試す)→「なやみごと」→「とある風景」→「夢中になればきっと」(久しぶりに聞けて嬉しい、最初の方歌詞をきちんと思い出せなかったのか1回ストップ(結局その歌詞は合っていた))→「遠慮の重なり」(口カズー)→「干し椎茸のように」→「情熱」→アンコール「これでいいさ」(「We Are The World」入り)。初めてだったり、久しぶりなお客さんの反応もすこぶる良くて、やりやすそうなライブでした。名古屋でもこれからは頻繁に見れるようになって欲しい。曲につなげるMCも毎度お馴染みなんですけど、「干し椎茸のように」での愚かな人間シリーズの話へ急に向かう早さが面白かったです。

2/17-20

2/17金
ギューンカセットpresents 20ギルダーズ "2" CD発売記念ツアー in 名古屋@KDハポン

辻井浩司
前のハポンでのソロセットとほぼ同じ流れ。ベースのドローン→小さいKeyのドローン→ベースの弦を押し付けてのノイズ→聞き慣れない音の流れで、その後にKeyの鍵盤で出してるっぽいノイズ音、最後に豪雨の中の雷みたいな音を追加。急に出てくる聞き慣れない音はあらかじめ作っていた音なのかもしれないけど、小さいKeyのドローン時に作って微かには鳴らしていたけど、その後に聞こえる音量になるまでボリュームを上げた、みたいなのだったらすごく良いな~と思った。気付くことが面白いと考えたりする。

ザ・ヒューマン
久しぶりに見るけど、前からの印象と変わらず、ブルースなリフでグイグイ持っていくバンド。分かりやすい提示の仕方はポップな要素もあると思いました。ギターも良い音で鳴っている。

20ギルダーズ(タバタミツル+スズキジュンゾ)
1曲目のジュンゾさんの少し叫ぶ歌声が鈴木常吉さんみたい。ライブでの「疫病の神」の「素っ裸で~」の部分の声の震わせ方。それに絡むタバタさんのギターもTELEVISION「Marquee Moon」みたいで面白い。次の曲はタバタさんボーカル。素に近い自然な歌声で味がある。この2曲は新譜からでなく古い曲だそう。その後は新譜からの曲。まず「緋色の自由」で、この曲のアルケミー感というか、猿股茸美都子感が良かったです。やっぱりジュンゾさんの歌声と曲には常吉さんがいて、エレクトリック化常吉みたいに感じて、面白く聞く。タバタさんはギター弾いている時の方が印象に残っていて、うるさく鳴らすときもあるけど、曲の邪魔にならない、ポップに聞かせるギター。新譜からは他に「千二百年の孤独」などを演奏。最後2曲はストーンズライクなロックンロールな曲で、多分「言霊」と「マリアとメスカリーナ」。アンコールは「著作権切れたらレコードにします」って言って、若い人が歌ってそうなポップソングのカバー。イメージ的には夙川ボーイズです。
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2/20月
音楽家たちの知られざる人間模様~クラシック音楽を語る夕べ~@喫茶モノコト~空き地~

ゲスト:中川右介 聞き手:前島良雄
レコードコンサートと思ってたけど、トークのみのイベント。でも話の内容は固すぎず、クラシックに全く詳しくないので、固有名詞から想像できる音楽は皆無だったけど、タイトル通り人間関係の話だったので、内容は分かりやすかった。最初は中川さん単独でのトークで、最近出版された「現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才」の中から、師弟関係のエピソードに焦点を当てて紹介。その前に直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」の紹介もあって、内容はピアノコンクールの話らしく、ある演奏者に対して審査員が「なぜ師と同じように弾かないのか?それは師に対する冒涜だ」と言う場面に注目して、それがいかにも日本的だと語る。欧米での師弟関係では、弟子が師匠と同じように弾くことはなく、弾き方のレッスンよりは、生活や精神面でのアドバイス(スランプ時に弟子入り志望する人もいる)を求めたりするそうで、会うのも2,3回しかなかった師弟関係もあるそう。そういった話からの丁度良い流れで、前島さんもトークに加わる。同じように師弟関係の話と、日本の芸術大学のシステムについても話す。固有名詞として聞いたことある人だけど、きちんと覚えられなかったんで、仮にAとして、そのAに弟子がいる場合に、レコード会社の宣伝文句として「A直伝」と付けたがるけど、Aそっくりな演奏にはならない、といった内容。他にも、優秀な韓国人、中国人がいたとしても、その人たちが日本の芸術大学に来ることはなく海外の大学に行く、といった厳しい言葉も。その後、マーラーの曲が効果的に使われている、学徒出陣の映像を少し流しての、反ユダヤのドイツとの同盟関係があるのに何故?という前島さんの疑問に話は移る。少しユダヤ系の話にずれていったけど(主義・主張などの意見を言ってた訳ではないので気にならず)、中川さんが一刀両断な回答を出して、最終的には指揮者・演奏者の話に戻って、最後はお客さんからの質疑応答もあって終了。中川さんが執筆する次の本について、書くテーマは決まっていて、そのことについて色々調べたり、一人で考えたりして楽しんでいると言っていて、その楽しんでいるって感覚はすごく正しい意見だと思いました。クラシックと普段聞いてる音楽は違うけど、色々考えることもあって面白かったです。巨匠と呼ばれる人の作品は後期・晩年の作品をイメージされがちだけど、最初の方の作品で全然違うものもあるっていうことは、普段聞いてるような音楽でもあり得ることで、好きなミュージシャンの作品でもそういう聞き比べが出来れば良いな~と思ったりする。